●You are me, I am you 4●





「お風呂なんて絶対にダメだ!」
「はぁ?じゃあ戻るまでずっと入らない方がいいのかよ。きたねー奴」
「だって…っ」

トイレの次は風呂。
諦めの悪い塔矢を無視して、さっさと風呂場に向かってやった。


「絶対に僕の体を見るなよ!触るなよ!」
「無理だって。どうやって体洗うんだよ」
「僕が洗う!キミは目を閉じてろ!」
「はぁ?」

裸ごときにうるさい塔矢。
でも、女はやっぱそれくらい恥じてくれた方がいいよな♪
俄然その気になる。


「ちゃんと閉じてる?」
「閉じてるって」

しかも服を脱ぐ時からもう目隠しらしい。
塔矢がワンピースの後ろのチャックを下ろし、オレを徐々に脱がしていった。
これ…ある意味すげー燃えるんですけど。
何かのプレイみたいだ。
お、今ブラ外した。
う〜〜見たい。
塔矢の胸…すっげー見たい!
ちょっとぐらいいいかな?
チラッと少しだけ目を開けてみた。

「進藤っ!開けない約束だろう?!」

オレの顔をうかがってたらしい塔矢に、すぐさま両手で目を覆われてしまった。
ちっ…。



「よし、脱げた。じゃあ入ろうか」
「オマエも脱いだ?」
「…何で僕が脱がなくちゃならないんだ」
「体洗ってくれるんだろ?濡れるぜ?」
「だ、大丈夫だ…」
「ていうか、オマエも後で風呂入るつもりなんだろ?オレの体ちゃんと洗えるのかよ?」
「……」

もう一度チラッと目を開けた。
すると塔矢は真っ赤になって下を向いていた。
(まぁオレの顔が赤くなってるわけなんだけど。…なんか変な顔だ。気をつけよう)

「……なぁ、オマエ男のアレ見たことあるのかよ?」
「…ないけど」
「ふーん…彼氏の見たことないんだ?」
「ま、まだ付き合い始めたばかりだから…っ」
「あ、そうなんだ?まだエッチしてないんだ?」
「エッ…チって…、してるわけないだろう!!」
「ふーん」

オレは心の中で万歳した。
やった、塔矢まだ食われてないって。
こうなったらオレが塔矢の体の間に別れてやる。
コイツの初めては絶対にオレがもらう。

「オレも自分の体は自分で洗う。だから脱いどいて」
「……分かった」

塔矢がしぶしぶ脱ぎ始めた。
シャツやジーンズ、靴下とスムーズに床に落としていったけど、あとトランクスだけってところで案の定手がストップ。
目を閉じた後で一気に下ろして、すぐにタオルで隠していた。

…オレの大事な所をそんなに拒否られたら…へこむんですけど…


「よし、じゃあ入ろう……って、進藤!目を開けるなと言っただろう!!」
「…気付くの遅いって。もういいじゃん」
「駄目だ!」

しぶしぶまた目を閉じた。
塔矢に引っ張られてバスルームに入る。


「座って?」
とイスに座らされた。
「髪から洗うから」
「へいへい、お願いします」

シャーっとシャワーで髪を濡らされ、シャンプーでゴシゴシ洗われた。
…にしても女の髪の洗い方って優しくてすげー丁寧だ。
めちゃくちゃ気持ちいいかも…。

「…自分の髪を洗ってるなんて変な感じだな」
「はは…そりゃな」
「流すよ?」
「ああ」

シャンプーが落ちたら次はリンス。
それも流し終わった後、塔矢はヘアゴムで器用に髪をアップにしてくれた。

さ、次はお待ちかねの体だ。
ボディタオルに石鹸をあわたてた塔矢が、まずは背中から擦りだした。

「こんなところにホクロがある…。初めて知った」
「ふーん。ま、自分の背中なんて普通見えないもんな」

背中の次は腰。
肩に腕…手。
で、前に回った塔矢が首や胸も洗い出した。

「目…絶対に開けるなよ」
「分かってるって…」

オレも一応、女の胸を洗ったことはある。
彼女と一緒に風呂入った時は、流しあいっことか…してたし。
もちろん途中で変な気分になってきて、すぐに路線変更してスキンシップを楽しんだ。

でも……今はどうだろう。
中身は塔矢といえ、今目の前にいるのはオレだ。
さすがにそんな気分にはならない。
むしろ今の自分の体を見る方がよっぽど興奮するっての。


「――て、ひ…っ」

違うこと考えてたら、いきなり下半身を触られて、飛び逃げた。

「進藤?」
「びっくりしたー!オマエ、一言言ってたら洗い始めろよな!こっちは目ぇ閉じてやってんだから!」
「あ…ごめん。でもちょうどいいからそのまま立ってて。こっちの方が洗いやすい」
「は…?え…、ちょっ…待てっ…塔」

塔矢に下半身を触られて、つい逃げ腰になてしまった。

ひぃぃ…やめろ〜〜

ていうか、ていうか……


「…ぁ……ぅ…」

続けられると何だか気持ちよくなってきて、思わず声が漏れた。
慌てて口を塞ぐ。

「進藤、僕の声で変な声を出すな」
「オ、オマエが念入りに洗うからじゃん!」

くそっ、すっげぇ屈辱だ。
オレ…本当は男なのに!


「……ん?」

ふと見ると、塔矢の下半身もやや盛り上がっていた。

「オマエ、自分の裸見て興奮してるのかよ?変態」
「は?」
「下、おっきくなってる」

今まで女だった塔矢は、当然興奮したら外見が変わるってことを経験したことがなかったはず。
オレに言われて初めて気付いたのか、腰に巻いたタオルの下のものが変化しているのを見てビックリしていた。

「さっきと全然違う…」

タオル越しに遠慮気味に触ってみている。

「…男は興奮したら伸びるんだよ。子供じゃないんだから、そのくらい知ってるだろ?」
「噂には聞いたことあったけど…」

どんな噂だよ。

「一応異性とお風呂に入ってるわけだから…知らない間に興奮してたのかな?」
「かもな」
「で?ちなみにこれ、どうやったら元に戻るんだ?」
「どう…って、別に。放っとけば自然におさまるよ」
「そうなんだ」
「もしくは…出すか」
「出すって……アレを?」
「そ。アレを。もうある程度まできたら、出すまでおさまんねーし」
「ふ…ふぅん」

はぁ…オレなに好きな女に男の体講座してんだろ…。
いや、ある意味調教になってるのかも?


「出してみるか?」
「…は?」
「いつまでオレの体でいるのかはわかんないけど、抜き方知っとかないとこれから不便だぜ?2、3日で溜まっちまうしな」
「抜き方…?」
「そ。まずはこうやって握ってさ…」

タオルの中に手を入れ、中のオレのものを握った。

「ちょっ、進…っ」
「で、ひたすら擦るんだよ。エロ〜い妄想しながら」
「やめ…っ、……ぁ…」

抵抗してきたが、容赦なく扱いてやった。
慣れてない塔矢は、もちろん呆気なく沈没。
先から出た液体がバスルームの床にポトポト落ちた。


「…はぁ…は…ぁ…」
「な?気持ちいいだろ?」
「ふ…ふ…」


ふざけるなぁああ!!と久しぶりに塔矢が叫んでいた。







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