●WILLFUL PRINCESS 3●
検討が一通り終わった頃には、既に午前3時を回っていた―。
ガチャ
「じゃあ次オマエ入れよー」
「うん」
「中にあるもの適当に使っていいから。バスタオルは戸棚の一番下な」
「分かった」
バタン
はぁ…。
何でこんなことに…。
溜め息が尽きることなく出る。
ワンルームのこの部屋は結構壁が薄い気がする。
服を脱ぐ音とか…
湯船に浸かる音とか…
シャワーの音とか…
体を洗ってる音まで…
丸聞こえだしっ!
うわぁぁぁっ!!
慌てて耳を塞いで風呂から一番遠い部屋の端に移動した。
念のため風呂場で一度抜いといて良かったぜ。
でないと速攻ノックアウト、だ。
まだ辛うじて冷静を保てる…。
にしてももう4時前か―。
普段ならもうとっくに眠っている時間なのに、全く眠たくないのはどうしてなんだ…?
やっぱちょっと緊張してるのか?
ここで睡眠欲が勝ってくれたら最高なんだけど………健康な男としては微妙だが。
…そういや塔矢はソファで寝るとか言ってたけど、さすがに女の子をそんな所で寝さすわけにはいかねーよな。
オレがソファで寝ることにしよう。
夜明けまであと3時間…。
それくらいなら理性も何とか保てるかもしれない―。
ガチャ
「はー、いいお湯だった〜」
「そっか」
「パジャマ貸してくれてありがとう。ついでにドライヤーも借りていい?」
「どうぞご自由に」
塔矢はにっこり笑って、髪を乾かしにまた風呂場に戻っていった。
うっ…わ。
これマジでヤバいって。
やっぱ3時間も保たねぇよ!
アイツの風呂上がりの格好、色っぽすぎるもんっ!
熱ってて、髪が濡れてるなんて反則じゃん!
5分後――塔矢が髪を乾かし終わって戻ってきた。
「じゃ、じゃあ…オマエがベッド使えよ?オレはソファでいいからっ」
「どうして?」
「どうしてって…女の子をソファで寝かして、オレがのうのうとベッドで寝るわけにはいかねーじゃん」
「そうじゃなくて、キミは僕を抱くつもりなんだろ?最初から一緒に寝ればいいじゃないか」
は…
はぁ??
ななななに言ってんだコイツ!!
せっかくオレが理性をフル活動して耐えてやろうとしてんのに!!
―って、あれ…?
「オマエ……もしかして…ノーブラ?」
「そうだけど?」
うわ…っ。
もうダメ。
飛ぶ!
飛んじまいそう!
眩暈で倒れそうになりながらも、乳首でうっすら盛り上がっている部分を見つめてしまう―。
「僕は寝る時はいつも付けないんだ。窮屈だし」
「へぇ…そうなんだ…」
だんだん理性が遠のいていくのがはっきり分かった。
「うん…、じゃあ…一緒に寝るか…」
「うん」
塔矢がベッドに入って仰向けになり、オレの方に視線を向けた瞬間、辛うじて繋がっていた最後の理性の糸が――切れた。
「進藤?」
ベッドの中に入り…、そのまま体は塔矢の体に跨がった―。
「―…ん…っ…」
いきなり口を塞がれて、塔矢は少しオレの体を押して抵抗したけど、そんなの何の隔てにもならない―。
唇の間を割って、舌を中に侵入させ――口内を貪った―。
「ん…っ…、ぅ…―」
舌を絡めて、お互いの唾液を交わらせながら――深く、深く、濃厚なキスをした―。
「―…ふ…、ぁ…はぁ…は…ぁ…―」
唇を微妙に離すと、その唾液が糸を引き――お互いの口から荒い呼吸音が聞こえた―。
「…塔…矢―」
「―…や…ぁっ!」
首筋に唇を押しつけると、塔矢の口から甘い抵抗の声が出た―。
すげぇいい声…。
女の喘ぎ声も堪んねぇけど…こういう嫌がってる声も最高…。
「…ぁ…―」
吸い付きながら舌で首筋をなぞって…どんどん鎖骨のあたりにまでずらしていった―。
手は左手で塔矢の右手を押さえ付け、右手でパジャマのボタンを外していく―。
徐々に暴かれていく肌に沿って、唇もどんどん下にいき…胸と胸の間に顔を埋めた―。
両方の手で胸を揉みながら、先を弄って舌を転がす―。
「…あ…、やだ…っ―」
塔矢が髪を微かに引っ張って、離そうと心みる―。
無理だって…。
そんな抵抗じゃ全然訊かねぇ…。
「ひゃ…っ」
乳首に吸い付いて、唇を使い――何度も刺激を与えていく―。
「……ぁ…―」
塔矢の息が徐々に荒くなっていってる。
こんなに乱れてんだから、下も既に感じてきてるかもな―。
胸を揉んでいた手を離して、そっと下のパシャマの中…下着の中に手を入れた―。
「やだっ…!」
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