●WEDDING NIGHT 2●
「ほら、脱がしてみて?」
「い…嫌だ!」
「いいじゃん、これも勉強だぜ?この機会に男の体をとくと見ておけよ」
「別に見たくない!」
「…ったく―」
ゴネる塔矢の手を掴んで、外させ始めた―。
「離せ…!」
「やだっ!オレは自分の奥さんにはオレの全てを知っててほしいの!」
「……」
塔矢の指を使ってボタンを全部外し終わり、パジャマを脱ぎ捨てた。
塔矢は目を逸らして直視しないようにしている。
「ちゃんと見ろよっ!」
顔を掴んで真っ正面に向けさせた。
「……っ―」
ますます顔を赤く染めてくる。
おいおい…上半身でこれだと、下半身は夢のまた夢だなこりゃ…。
でもあんまり無理強いして変なコンプレックスが出来ても困るから……取りあえず今日はやることやって終わりにするか…。
「―…ん…っ」
もう一度キスをしながら、再び体をベッドに倒した―。
「んっ、…ん―」
唇のすき間から舌を入れると、一瞬驚いたように目を見開け…直ぐさまぎゅっと目を閉じた塔矢の様子が伺えた。
オレも目を瞑って、舌で塔矢の口内を探ることに集中する―。
だけど舌に触れても、返してくれるどころかすぐに解き逃げられてしまう。
追いかけても逃げられ追いかけても逃げられ…で、しまいにはこの深いキスが嫌なのか、顔を背けて唇を離し――涙目でオレを睨んできた。
「塔矢、気持ち悪い…?」
「…うん…ごめん―」
「……はぁ」
小さく溜め息を吐いたオレは、気を取り直してもう一度…今度は触れるだけのキスをした―。
…こんなにやり難いエッチって…初めてかも…。
いや、それはきっと塔矢が初めてなせいだよな?
オレが今まで付き合った奴って既に経験のある女ばっかだったし。
オレ自身処女を抱くのは初めてだから…きっとこんなに違和感を感じるんだろう。
でもオレらだって何度かしてるうちにお互いに慣れて、塔矢の方も変わっていってくれるはず。
いや、絶対に変わらせる。
でなきゃ困る!
でも取りあえず今日は…塔矢がマイナスのイメージを持たない程度に簡単に終わらせてしまおう。
ステップアップは徐々にしていけばいいし、セックスで女の喜びを味あわせるのももう少し慣れてから――
「…塔矢、下も触るな…?」
「う…ん…」
遠慮気味に手を伸ばすと、触れた途端に塔矢の顔が強張った―。
「…ん――っ」
顔を横に向けて唇を噛み締め、青くなりながら我慢してる。
涙を溜めて――
「…おい、あんまり噛むと切れるぞ?」
「だっ…て…」
キミが触るから…って顔だな。
そりゃ出来れば触らないでやりたいけどさ…、そんなの絶対に無理だし。
慣らさないと傷つくのはオマエの方なんだぜ?
「…え?やだ…っ、なに…?」
「何って…ちょっと指を入れただけ…だけど」
「指…?」
「うん…。指で徐々に広げていくんだよ。でなきゃ入んねーし…」
「………」
何か…
こんなにあからさまに嫌がられると……萎えるんですけど…。
いや、大丈夫。
一応彼女にフられてからずっと禁欲生活だったし。
多少のことでは興奮は収まらない…はず。
「…ひ…っ―」
指を増やすと塔矢の口から悲鳴があがった。
「やだ…もう無理…、嫌…」
「大丈夫だって。もう一本くらい余裕で入るぐらいに緩ませねぇと…」
入口を重点的にゆっくり広げていった。
感じるどころか顔を両手で隠して…ただ我慢してる塔矢。
きっと手を除けると…涙でぐちゃぐちゃなんだろうな…。
あー…くそっ!
塔矢がただの彼女だったら絶対にやめてやってるのに!
でも…妻だからやめれない。
きっと日付を延ばしても同じことだと思うし…。
体の関係を持たない偽造夫婦なんて絶対にごめんだぜ!
囲碁婚なんて最悪!
果ては成田離婚なんてことになったら……なんて考えるのも悍ましい。
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