●WAKE UP 2●






ピンポーン




朝10時。

約束通りの時間に来たわけだけど、応答なし。



ピンポーンピンポーンピンポーン


「………はぁ」


渡されている合鍵で今日もしぶしぶ中に入った。


全く。

ここんとこずっと起こしに来てるけど、元から起きてくれていた試しがない。

手合いなら寝坊は自己責任でどうでもいいけど、それ以外の仕事は必ず誰かに迷惑がかかる。

僕も一度被害にあった。

もうそれがウンザリだからこの役をかってでたわけだけど………最近いつまで続くのだろう…と思い出してきた。

確かに彼の部屋は僕の家と棋院の間にある。

また被害にあうぐらいなら、ちょっと寄って起こした方がマシ。

そう思ってたけど……







「進藤?寝てるのか?」


リビングに姿なし。

寝室を開けると――――やっぱりまだ寝ていた。


「はぁ…」


思わず脱力して床に座ってしまった。


「………」


ちょっと移動して枕もとに座る。

それにしても……可愛い寝顔。

写真取って彼のファンに売りさばいてやろうか。

それともこっそり僕もベッドに入って、起きた時にビックリする彼の顔を拝んでやろうか。

しかも裸で入ったり?

進藤のパジャマも脱がしちゃったり?

はは…想像したら笑えて来た。

いくらなんでも途中で起きるかな。


「進藤〜。起きないなら悪戯しちゃうからなー」


こんなことを言っても全く反応のない彼。

何だか楽しくなってきて、そお〜っと彼の布団を剥がした。

寒いのか、一瞬身じろぐ。

でも、起きない。

邪魔な手を横に除けて、彼のパジャマに手をかけた。

一個一個ボタンを外してみる………


「本当に全然起きないな…」


僕なら誰かが部屋に入ってきただけでも気付くのに。

それとも実は起きてたり?

ま、起きてて僕のすることなすことを黙って見てるってなら好都合だ。

全ては起きないキミが悪い。

そもそも僕にこんな役目を押し付けたキミが悪い。



……て、なに悪女になってるんだ僕は……




でも、一体いつ彼が目を覚ますのかちょっと見物。

ボタン、あと一個。

ほーら、全部外れた。

キミの胸、丸見えだよ?

寒くないのかな……

ピッとエアコンをつけた。


「んー…取りあえず脱がすか」


そーっと腕も通してパジャマを抜き取った。


ふーん…意外といい体。

筋肉のつきかたが僕と全然違うな。

そういえば男の人の裸って生で見るの初めてかも。


下……はどうなってるんだろう。


いくらなんでも下はマズいかな…。

なんて思いながらも……膨らんでる箇所に目がいく。

これが噂の朝立ちってやつなんだよな?

ちょっと触るぐらいならいいかな………



「…ん……」



少しタッチすると、進藤が体を横に捩った。

今起きられたらどう言い訳しよう。


『あ、起きちゃった?もっとイタズラしたかったのにー』


とか軽く言える女じゃないしな…僕は。


『覚えてないの?』


とあたかも彼の方に責任があるように言う方がいいかな…?

じゃあ、僕も脱いでおこう。

早く起きてほしい気持ちとこのまま寝ててほしい気持ちが交差しながら服を床に落としていく――

下着……ブラとかぐらいはしておくか…


ギシ…と、僕もベッドに上がってみる。

横に寝そべると、いかにも昨夜何かありました…みたいな感じで。

一緒に朝を迎えるとこんな感じなのかな…なんて。

想像すると嫌ではないから、きっと僕は進藤に好意的なんだろうな。

今は好奇心の方が勝ってそうだけど……


ドキドキしながらもう一度……下に触れた。


パジャマ越しだけど、大きさとか、固さとか、恥ずかしいぐらいよく分かる。

触れば触るほど何だか大きさも固さもどんどん増してる感じで……


ゴクンと唾を一飲みして―――パジャマに手をかけた。


パジャマと下着、まとめて10センチぐらい下にずらすと………飛び出すように出てきた。


これが………


ものすごく生々しくて、変な形で、大きくて。

同時に僕も下着姿だからか、体が何だかおかしくなってきたことに気付いた。

下半身……ちょっと濡れてる、かも。

隙間から秘部に触れると、やっぱりというか、ぬるぬるしてる。

興奮してる証拠?

そりゃあ…こんなものを目の当たりにしてるんだから、しない方がおかしい。

ちょっと弄ればこんな興奮すぐに納まると思うけど……


でも、せっかくだから……目の前のものを少し入れてみようかな…なんて。


少し、ちょっとだけ……


下着を足から抜き取り、そっと彼の上に跨がった。


張り詰めるように上を向いたソレと、僕の入口を………合わせた。


「――ん…っ」


思った通り、痛くて、入らない。

強引にすると何かが裂けるような……貫かれるような感じに恐怖感の方が勝ってきて……


しばらく入口の辺りで入れたり出したりしていたら、ドクドクっと何かが溢れてきたのに気付いた。


「あ……」


一気に真っ青に、真っ赤になって慌てて引き抜いた。


急いで下着も服も元通り来て、寝室を飛び出た。




彼のマンションの駐車場に全力疾走した後、正気に戻った僕の頭は罪悪感でいっぱいになった。






………何をしてるんだ僕は………
















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