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●○●○● 夜  ヒカル ●○●○●



「こら!社!塔矢に何てことを…!!」


前の観覧車の様子を盗み見てギャーギャー喚くオレを見て、ルルはひたすら苦笑していた――







「あーー疲れたー!」


部屋に戻ったオレは、靴を履いたままベッドにダイブした。

塔矢が何だか落ち着かない様子で、あっちへうろうろ。

こっちへうろうろ。

「座れば?」

とオレが言うと、自分のベッドの端にちょこんと腰掛けていた。


「……なぁ」

「な、なに?」

「気持ちよかった?」

「?…何が?」

「社とのキス」

「………」


思い出したのか、ボッと彼女の顔が茹で蛸になった。

ムカつく……


「もしかしてファーストキスだったんじゃねーの?」

「…うん」


うわ、ますますムカつく!


「…はっ!今時ファーストキスが23だなんて、レアな女もいるんだな!」

「早いとか遅いとか…そんなの関係ないと思う。何歳でも、好きな人と出来れば嬉しいと思うし…」

「好きな人、ね。じゃあオマエは社のことが好きなんだな。付き合うかどうかあんなに悩んでたくせにな。ちょっと心変わりが早過ぎなんじゃねーの?」

「キミに言われる筋合いはないよ!付き合えばって、キミが言ったくせに!」

「他に好きな奴がいるなら断れよな!」

「だって、僕の好きな人にはちゃんと彼女がいるんだもの!」

「誰だよオマエの好きな奴って!言ってみろよ!?」

「それは―――」


塔矢の口から名前が出る前に、オレは彼女の唇に吸い付いていた――

突然のことに目を見開く彼女。

徐々に、涙が滲んできていた。


「…んっ、ん…ん…っ」


さっきの社とのキスとは違う、長くて深くて気持ちのこもったキス。舌も絡めあって、お互い無我夢中で貪りあった。

もちろんキスだけじゃない。

体も限界まで抱きしめあって。

オレは彼女の体を抱えるように…自分のベッドに招いた。

ゆっくりと倒して…オレは跨ぐようにその上に乗る。


「――…はぁっ、…は…進…藤…」

「塔矢…」

「好き…、好きだ…進藤。ずっと…好きだった…」

「オレもだよ。塔矢のこと…大好きだ」

「嘘ばっかり…」

「本当だって!」

「今までそんなそぶり…全然見せなかったくせに。ずっと…彼女がいたくせに…」

「今日嫌ってほど思い知ったよ。社にめちゃくちゃ嫉妬した。今までずっとオマエが独り身だったから…全然気付かなかったんだ」

「…轟さんはどうするんだ?」

「もう別れた。ていうか、フラれた」

「いつ?」

「プールの時。オマエは?まだ社と付き合ってるのか?」

「社は僕の気持ちなんかとっくに見抜いてた」

「じゃあオレら…一緒になっても何の問題もないんだな」

「…みたい」

「ていうか……いい?」

「嫌そうに見える?」

「全然♪」


言い合いながらも服を脱ぎあっていたオレら。

許しが出たところで、オレは一気に彼女を触り始めた――



「―…ぁ…っ…」


さっきのキスがファーストキスな塔矢は、もちろんセックスも初めて。早く一つになりたい気持ちを抑えて、ゆっくりと慣らしてやった。

昼間、せっかくの水着姿だったのに、上着とイルカに邪魔されて全然拝めなかった彼女の体のライン。

程よいバストに、引き締まったウエスト。

意外に豊満なヒップは安産体型の象徴かも?


「…ぁ……ん、は…っ…ぅ…ん…」


結構クーラーをガンガンかけてるのに、汗が滲んできていた。


「暑い?」

「暑いというか…体が熱い。もう…」

「限界?」

「う…ん…」

「オレも。挿れるな」


塔矢の脚を限界まで開いて、その場所に自分のものをあてた。

一応ゴムは常に持ってるけど、付けなかった。

オレと塔矢には必要ない。

直感的に何故かそう思ったから。


「…ん…、…い…た…っ…」

「大丈夫か?」

「平…気。痛いけど…嬉しいし…」

「オレも…」


優しく激しく何度も突き上げて、繋がってる喜びを肌で感じた。



「塔矢…っ、塔矢…」

「進…ど…、進…」


最後は恥ずかしいぐらいお互いの名前を連呼して。

初めてのくせに塔矢は女の悦びまで昇り詰め、オレは自分の愛を彼女の中に溢れさせていた―――




「好きだ…塔矢」

「僕…も…」

「もう一回…してもいい?」

「エッチ…」










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