●WAKE UP+ 4●
「これからよろしくな!」
「こちらこそ」
進藤から真実を告白された数日後には、僕らは正式な夫婦となった。
既に4ヶ月目に入ってってるお腹だから、今から結婚式の準備をしては大きなお腹な新婦になってしまうと却下。
取りあえず写真だけ撮って、式や披露宴は生まれてからということになった。
そして無事に引っ越しも終わり、今日から進藤と一緒に住む。
一緒に食事もして、一緒に寝て、一緒に………
あまりに急過ぎて、進藤と夫婦だなんてやっぱりまだ実感がない。
「オレも撫でていい?」
「あ…うん」
ソファーでお腹を撫でながらテレビを見ていると、進藤がやってきた。
僕の隣に密着して座り、左手で撫でられ、右手は肩に回される。
男の人に慣れてない僕は緊張で真っ赤になって固まってしまった。
「ん〜〜まだよく分かんねーな」
「そ、そうだね…」
「男かな〜女かな〜すっげぇ楽しみ♪」
「うん…」
「塔矢似だったら美人になるだろうな〜♪」
楽しみそうに微笑まれた後、唇に軽くチュッとキスされた。
思わず口を押さえてしまう。
「塔矢?」
「キ…ミ…今…」
「あれ?あ…そっか。そういえば初めてだっけ」
「ファースト…キスだ」
「へへ〜残念でした!ファーストキスじゃないんだな〜これが。オマエが寝てる時、何回もキスしちゃったもん♪」
「もう…信じられない」
あの晩―――進藤は僕の部屋に無断で入り、寝ている僕に子供が出来るようなことをしたらしい。
僕が睡眠薬を飲んでたことを知らなかったらしいが、普通そんなことするか?
普通に考えたら立派な犯罪だ。
でも僕は子供を産むつもりだったし、子供の父親を犯罪者にはしたくなかったし。
それに…進藤だし。
進藤の子供だと分かった途端、愛おしさが十倍にも二十倍にもなる気がしたから不思議だ。
「やっぱ怒ってる…?」
「怒ってるよ」
「…だよな。ごめん」
「だから責任取って、キミには一生僕の隣で打ってもらうからね」
「おう!それは任せとけ!」
再び肩を抱いてきた彼は、今度はゆっくり…ムードたっぷりに顔を近付けてきて―――もう一度キスをした。
夫婦なんだからキスするのは当たり前…。
子供が生まれたらそれ以上の…セックスも当たり前になるのだろうか。
考えただけで頬が熱くなってくる。
「…はぁー…やばい」
「え…?」
「キスしてたら変な気分になってきた」
「………」
「生まれたら…してもいい?よな?」
「生まれたら…ね」
「よし。早く生まれてこーい」
そう言ってまたお腹を撫でてきた。
…ほんの数日前までライバルでしかなかった彼が、今は大事な旦那様。
キミは昔から本当に僕に落ち着く暇を与えてくれないね。
そんな破天荒なキミが大好きだ―――
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