●TOO LATE●
明日―――塔矢がお嫁に行く
「好きだ」
もう遅いって分かっていながらも告白した。
「…もう遅いよ…」
「分かってる。気持ちだけ伝えたかったんだ」
「………」
真っ赤な顔して下を向いてしまった。
戸惑い?呆れ?怒り?それとも嬉しさで?
震える彼女が口を開いて、小さな声で答えてくれたのは――
「…僕も…好きだった…」
「塔矢…」
「でも…もう遅い。後戻り出来ない…」
「…一時間だけ抜け出せれる?」
「え…?」
ちょっとコンビニに行ってきます、と嘘をついてもらって、塔矢を家から連れ出した。
塔矢家から100メートルほど離れた空き地に止めた車に戻って、助手席に座った彼女の唇に優しくキスをした――
「進…藤…」
「思い出だけでもくれる?」
「………うん」
時間がないからオレの部屋に行くこともホテルに行くことも出来ない。
狭い密室で、座席のシートを倒しながら彼女も倒した。
「好きだ…塔矢」
「もっと早く言ってくれれば良かったのに…」
「ごめん。オマエが結婚するって聞いて、初めて気付いたんだ…」
「……ぁ……」
服もブラも一緒にめくり上げて、露になった胸に顔を埋めた。
大きくて柔らかい乳房に、硬くなって可愛いピンク色をした乳首。
揉んで、舐めて、吸って、彼女の味を確かめた。
「ひゃ…っ」
下半身にも触れると、ビクッと塔矢の体が震えた。
「シート…汚れるよ?」
「いい…別に」
「ぁん…っ」
悔しいけど、明日結婚する奴とは既に経験済なんだろう。
感度もいいし、指もスルスル入る。
ズボンを完全に抜き取って、両足を大きく広げた。
オレもチャックを開けて取り出し、彼女の入口に押し当てた。
「…これ…浮気になるのかな…」
「嫌か?」
「……ううん」
「よかった。挿れるな」
「……ん…っ――」
一気に奥まで押し込んで、激しく出し入れした。
狭いから二人の熱気で余計暑くて汗が流れてくる。
「―ぁあ…んっ、ぁ…も…―」
「ん…、オレ…も」
「あぁっ――」
ほぼ同時に達したオレらはぐったりとシートに倒れて、息を整えた。
時計を見るとまだ30分で、繋がったまま直ぐさま今度は彼女をオレの上に乗せた。
「動いて…?」
「ん…」
巧みに腰を浮かせながら何度も擦って、再び絶頂を目指す。
と同時に唇も重ねて、口内を貪る激しいキスを交わした。
「―…んっ、ん…んっ」
時間が経つに連れて、自然と涙が滲んでくる。
今、一番近くにいる彼女が、明日には手の届かない存在になってしまう。
両想いなのに、なんで離れなくちゃならないんだろう。
もっと早く気持ちに気付けばよかった。
このまま逃げちゃおうか。
ダメだ。
明日、花嫁を奪って逃げようか。
ダメだ。
もうどんなにあがいても間に合わない……
「塔…矢…」
「進藤…」
「好きだ…」
「僕もだよ…」
「大好き…」
「僕も……」
何度も何度も愛を囁きあって、体を重ねて、オレらは一心同体になった――
「時間だね……戻らないと」
「ああ…」
服を元通り着て、塔矢は車から降りた。
いつものキリッとした凛々しい顔に戻ってる。
「じゃあ進藤……明日式場で」
「ああ…」
22才の暑い夏の夜―――オレらの関係は終わった
―END―
以上、手遅れなヒカアキ話でした〜。
ただ単に車でエッチする二人が書きたいなぁ〜と書き始めたんですが、ものすごい悲しい話に…。
バッドエンド?
でもこの話には続きがあるんです!
この次の日に嫁いじゃうアキラ。
結婚して、妊娠出産も経験して、主婦と棋士を両立させて幸せな日々を送るのです。
が、ある日旦那さんに離婚届を突きつけられるのです。
旦那さんはAA型、アキラはAB型、生まれて来る子はAかABしかありえないのに、B型だったから…!
もちろん心当たりがあるアキラは言い訳出来ません。
で、離婚。
で、未だ独身のヒカルと結婚するのです〜。めでたしめでたし★
という話の続編もあります(笑)よければどうぞ〜♪
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HINAMATSURI