●TIME LIMIT〜新婚編〜 4●
初めて彼と迎えた朝。
彼より一足先に目が覚めた私は、左手薬指にハメてくれたその婚約
(昨日はよく見てなかったけど、すっごく綺麗…)
中央に大きなダイヤモンドがあってその左右に小さなダイヤが。
更にプラチナリングの上半分にもダイヤが埋まっている。
一旦指から外してウットリと眺めていると、リングの中に掘られて
(まさかこれが刻印ってやつ?!)
ドキドキしながら読んでみる。
『2038.4.2 D to A』
と書いてあった。
この数字はなんだろう……2038年4月2日ってことかな。
4月2日は私の誕生日だ。
2038年は去年。
つまり去年の私の誕生日ってことだ。
何かあったかな?と去年の誕生日を思い返してみようかと思ったけ
(私達が初めて出会った日だ…)
正確には姉の結婚式で一度会ってるのだけれど、あれは話してもな
私達が初めて会話したのがこの日なのだ。
そしてD to Aはもちろん二人のイニシャルだろう。
『大樹から明菜へ』という――
「えへへ…」
めちゃくちゃ嬉しい。
まだすぐ横で眠ってる婚約者様に、私はぎゅーっと抱き着いて睡眠
「ん……明菜ちゃん起きた…?おはよう…」
「おはよう須本さ…ん…………」
「どうかした…?」
「う、ううん…」
思わず固まって赤面してしまった。
だってだってだって!
須本さんの髪、寝癖付いてるし…、何か気怠そうで色気ムンムンで
でもってそんな感じなのにいつも通りのイケメン顔で……しかも裸
(こんなの絶対直視出来ないでしょーー!!)
と私はくるりと彼に背を向けた。
「何でそっち向くの?ちょっと傷つくんだけど…」
後ろから抱き締められて、ひぃ!っとなる。
「まだシたりなかった…?」
「そ、それは大丈夫……もう充分です」
「そう?」
こくこく頷いた。
昨夜夕食が終わったのが19時半。
温泉から出たのが20時半。
それからすぐにプロポーズされてエッチになだれ込んで……気付い
回数で言えば4回もしてしまったので、さすがにもう充分だと思う
それなのにそれなのにそれなのに――何故か今も抱き締めるついで
おまけにお尻のあたりに何やら硬いものが当たってるような……
「明菜ちゃん…」
と既に熱のこもった声で首筋にキスされる。
「もう一回だけしようか…」
と上を向かされて、有無を言わさず組み敷かれた。
熱いキスまで落とされる。
「んん…、ん……」
もう充分だったはずなのに、こんなキスをしてると……また変な気分
アソコがキュンキュンしてくる。
昨夜何度も受け入れた彼のモノをまた挿れてほしくて勝手に濡れて
「…ん…っ」
下半身に手を伸ばして濡れ具合を確認してくる彼。
既にトロトロだと分かると、すぐにサイドボードに置きっぱなしのゴム
器用に一瞬でそれを付けた彼は、私の脚を広げて自分の分身を一気
「…ぁっ、…ぁん…っ」
「…は…、明菜ちゃん…」
カーテンの隙間からは朝日が差し込んでいる。
朝っぱらから何をしてるんだろうって思う。
巧みに私を突き上げてくる彼の様子を盗み見る。
官能に浸っている…、でも苦しそうにも見える表情。
でもどんな表情をしていても彼はとってもカッコよくて……胸もア
(私…この人のお嫁さんになるんだ…)
まだ付き合い始めて4ヶ月間なのに、もう一生の約束をしてしまっていい
むしろこの人としか考えられないと、確信している自分がいる。
運命の相手なんだって、直感で分かる。
もちろん4ヶ月間ということは、お互いまだ知らないこともたくさ
私は彼のご家族の顔すら知らない。
交友関係だって、一ノ瀬お義兄ちゃん以外の友達を知らない。
もちろんそれは彼も同じだ。
きっとこれから衝突することもケンカすることだってあると思うけ
それでも一緒に乗り越えていけたらなと思う。
「…ぁっ、…も…、須も…と…さ…」
「明菜ちゃん……」
また頭が真っ白になって……脱力した。
彼の方もグッタリと私に体重を預けてくる。
私はぎゅっと彼の背中に手を回した。
「これからいっぱいケンカしようね…」
「…ケンカより、話し合いをしようか。解決に向けて…」
「あ、そっか。そうだよね…」
尤もな大人の回答を返されて、納得してしまった。
うーん…、須本さんと私じゃ確かにケンカにならないかもしれない
(私が余っ程変なことをしない限りは優しく見守ってくれそうだ)
でもって知らず知らずの間に正しい道に導いてくれそうだ。
まるで指導碁みたいに――
「そろそろ起きようか」
「あ、そうだね。朝ご飯のビュッフェ、7時からやってるって言っ
時計を見るともう7時を過ぎていた。
床に散乱していた私達の浴衣や下着を再び着て、私達は手を繋いで
エレベーター待ちをしてる時、
「今度明菜ちゃんのお父さんに挨拶に行ってもいい?」
と聞かれる。
「じゃあ帰りに寄ってく?」
「今日はさすがに無理かな。ちゃんとスーツ着て正式に挨拶したい
つまりそれは婚約者の父親にする、例の「お嬢さんを下さい」的な
(きゃーーー///)
「じゃ、来週ね。須本さん土曜がお休みだったよね?」
「うん」
「お父さんに家にいるよう言っておくね」
「緊張するなぁ…」
「大丈夫だよ。だって反対する要素が全く見当たらないもん」
昔お父さんだって言ってた。
『あんな好物件が明菜を選ぶ意味が分からん』と。
そうだ、こんなにカッコよくて優しくて頭もいい最高の彼氏が反対
強いて言うなら……交際期間の短さと、私がまだ学生ってことかな。
「でも何とかなるよ、きっと!」
「うん…、一緒に乗り切ろう」
「うん♪」
初めて須本さんと出かけた温泉。
プロポーズまでされて、一生の思い出に残る旅行となったのだった