●TIME LIMIT〜学歴編〜 2●〜櫻井視点〜
(また2位だ…)
オレの通う進学塾で、定期テストの度に貼り出される総合結果順位
1位はいつも千葉校の『須本大樹』だった。
万年2位のオレはどうしてもライバル視せざるを得なかった。
塾の先生情報では、須本もオレと同じ開業医の息子で、医学部を目
全国模試でも常にトップ10に入っていたオレら。
当然須本も医学部最高峰の東大理Vを受けるものとばかり思ってい
それなのに――
「は?九大?何で?!」
実際に須本が前期で受けた大学が九大だったと知り、オレは耳を疑
一瞬オレも後期で受けてやろうかと思ったけど、さすがに親にも先
納得いかなかった。
どうしてもひと言言ってやりたくて千葉校に乗り込んだオレに、
「誰?東大とか興味ないし」
と冷たい態度を取られる。
近くにいた彼の友達が、
「須本は高校生活で、勉強以外をエンジョイしてたからなぁ」
と教えてくれる。
彼女作って、部活動も全国優勝して。
「あと何か資格取りまくってたよ。大学入ったら医学の勉強しか出
「資格…?」
「税理士とかFPとかAPとか…、英検1級にTOEICも900
「気象予報士…」
お天気お兄さんにでもなるつもりかよ?!
もう知るか!
とムカつきながら帰った。
でも大学ではオレも須本を見習って、恋人作って部活動にも入って
だけど……どうしても物足りなさをずっと感じていた。
(やっぱり無理矢理にでも九大に行くべきだったんだろうか…)
やがて大学6年になったオレは、研修医のマッチングの時期が近付
適当に都内の大学病院もいくつか候補に入れて、見学がてら話を聞
T医科大学病院を訪れた時に――なんと須本の奴と再会することに
「…誰だっけ?」
と言われてカチンとくる。
でも、もう二度と会えないと思ってたから、正直なところちょっと
「ここ…受けるの?」
と探りを入れてみる。
「んー、たぶんな」
「…ふぅん」
気付いたら、マッチングの第一志望にT医科大学病院を選んでるオ
「つまり櫻井先生は大樹さんのことが大好きなんだね!」
と須本の奥さんに言われてしまう。
「違うから」
と即座に否定する。
でも産科と小児科は隣同士で一番交流がある。
研修医の時から当直も一緒になることが多くて、何度も協力して患
今はいい同僚であることは間違いないと思う。
(コイツとこんな風にヌン活する日が来るなんて思わなかったけど
「どれも美味しいね、櫻井さん」
「そうだな…」
恋人まで与えて貰うことになったのは癪だけど。
(でも愛のことが可愛すぎてもうそんなことはどうでもいい…)
もう絶対手放せないと思う。
彼女が大学を卒業したら、すぐにでも結婚したいと思う。
「愛、オレのことも下の名前で呼んでくれる…?」
「う、うん……慎一さん///」
恥ずかしいのか、赤くなって下を向いてしまった彼女。
なんて可愛いんだろう。
この後、二人きりになったら愛でて愛でて愛でまくりたい。
抜かりなくこのホテルのデイユースを予約してあるのは言うまでも