TIME LIMIT〜学歴編〜 1〜愛視点〜





櫻井さんと付き合い始めてから、SNSを始めてみた。

タイトルは『恋人が出来たらしてみたかったことリスト』

櫻井さんに話したら、笑ってOKしてくれた。


ただし、

「リアルタイムではアップしないこと」

「顔は載せないこと」

の条件付きだ。


今ではデートの度にアップしている。

ちなみに一つ前の投稿は『相合傘』で、傘で上半身が隠れた櫻井さんの写真をアップしてみた。

その前は『映画デート』で、観に行った映画のポスターをアップした。


もちろん、友達とか身内ぐらいしか見てないひっそりとしたSNSアカウントだ。

中学・高校の時の友達への近況報告も兼ねている。


まだまだしたいことがたくさんある私。

次は『Wデート』とかいいかも……


 

 

 

 



Wデート?」

「うん…ダメかなぁ?私、恋人が出来たら絶対一回してみたいって思ってて…」

「もちろんいいよー♪大樹さんに予定聞いてみるね!」



11
月に櫻井さんと交際を始めて早4ヶ月。

私はその『恋人が出来たらしてみたかったことリスト』に着実にアップし続けていた。

Wデート』も絶対にしてみたかったことの一つで、櫻井さんを紹介してくれた須本夫妻が一緒にしてくれることになった。

須本さんと相談した結果、赤坂のシティホテルで、ヌン活しようということに決まる。






「櫻井さんは甘い物は好き?」

「好きだよ」

「よかった」


当日、櫻井さんの車で一緒にそのホテルにやってきた。

普段のデートは専ら電車移動の私達な為、彼の運転姿を見るのは久しぶりでドキドキする。

(しかもホテルだなんて…、どうしてもクリスマスを思い出しちゃう…)

櫻井さんと過ごしたあの初めての夜は、私にとって一生の思い出になったのだった。




「惣田さーん!」


駐車場に着き、車から降りたところで、遠くから私を呼ぶ声が聞こえた。

フロントへ向かうエレベーター前で、手を振る須本さんの姿が見えた


「お待たせ」

「全然待ってないよ、私達も今来たところだし」

「ね、大樹さん」と須本さんが須本先生の方を見た。

「うん。今日はよろしく、惣田さん。…櫻井も」

「はは…、休みの日までオマエの顔見たくないけどな」

「それはこっちのセリフだから」


……あれ?

私、人選間違えた?


(櫻井さんと須本先生ってあんまり仲良くないのかな?同期だし、私に紹介してくれたぐらいだから、てっきりいいものだと思ってたんだけど…)



「じゃ、行こっか♪」


須本さんが意気揚々とボタンを押した。

エレベーターで2階のメインロビーへと向かう。

アフタヌーンティーはこの開放感あふれる吹き抜けのロビーラウンジでいただけるらしい。

須本さんが予約もしてくれていたので、スムーズに席に案内される

学生は春休みだけど、平日昼間だからか結構空いていて、ゆったりヌン活出来そうだ。


「飲み物どうする?」


櫻井さんがメニューを見せてくれた。

有名どころの紅茶はもちろんのこと、フレーバーティーやハーブティーも色々揃っていて、シャンパンやカクテルまである。

もちろんまだ19歳でお酒が飲めない私は紅茶一択だ。

男性陣も今日は車で来たので、紅茶の中からそれぞれ好きなものを選んでいた。


注文を終えた後、須本さんが

「そういえば、二人はなんて呼びあってるの?」

と聞いてきて、「えっ///」となる。


「普通に…、櫻井さんと惣田さん…かな」

「あ、そうなんだ。そろそろ下の名前で呼び合わないの?」

「うーん…」


普通のカップルはどのくらい付き合えば呼び方を変えるものなんだろう。

一線を越えたら…とか?

結婚したら…とか?


「櫻井…、まさかまだ手を出してないとか?」

と須本先生が訝しげに尋ねてきた。

「んなわけないだろ」

と櫻井さんは即否定したのだけど……あまり男性同士のこういう会話に慣れてない私は、顔が真っ赤になってしまった。


「あ、ごめんね。別に詮索したかったわけじゃなくて、私と惣田さんもそろそろ呼び方変えない?って思ってて」



―――え?



「愛ちゃんって、今後は呼んでもいいかなぁ?」

「も、もちろん!私も明菜ちゃんって呼んでもいい?」

「いいよー♪もっちろん!」


これはめちゃくちゃ嬉しい。

私もずっと下の名前で呼び合いたかったのだ。


便乗した須本先生が

「じゃあ俺も愛ちゃんって呼ぼうかな〜」

と言ってきて、櫻井さんが

「はぁ?絶対ダメだろ!」

と拒否していた。


「何で?俺が妻の親友をどう呼ぼうが勝手だろ。櫻井も呼べば?」

「じゃあオレは呼び捨てで呼ぶ。いいよな?愛」

「あ…はい、どうぞ…///


いきなり名前で呼ばれて、私の顔は更に真っ赤になってしまったのは言うまでもない。




そうこう話してる間にアフタヌーンティーが運ばれてきて、早速いただくことにする。

もちろんこの麗しい三段重ねを全員で写真を撮りまくった後に。

(あとで絶対SNSにアップしようっと♪)



「美味しーvv大樹さんこのケーキすごく美味しいよ」

明菜ちゃん(早速呼んでみる)が一口須本先生に「あ〜ん」と食べさせてあげていた。

「本当だ。美味いな」

「でしょう?」


さすが新婚だ。

その後もひたすらイチャイチャする二人に、免疫のない私は赤面してしまう。

櫻井さんの方をチラリと見ると、見せつけられてちょっと不機嫌そうに紅茶を飲んでいた。



「そういえば大樹さんと櫻井先生って、昔からの知り合いなの?」



………え?



「だって大樹さん、一ノ瀬お義兄ちゃんと一緒にいる時と全然違うんだもん。櫻井先生とはもっと昔からの付き合いなのかなって」

「あー…コイツ俺のストーカーだから」

「違うし!」


須本先生の爆弾発言に櫻井さんが即座に否定する。


「よく言うよ。さすがに塾で待ち伏せされた時は引いたわ〜」

「オマエが九大なんて受けるからだろ!普通理
V受けるだろ」

「東大なんて興味ないし」

「せめて千葉大ならオレも納得したのに」

「やだよ、一人暮らししたかったし」

「そんな理由?!」

「だいたい俺、高校はそんなに成績良くなかったし」

「変な資格ばっか取ってたからだろ!真面目に受験勉強に全力投球してればよかったのに」


言い合う2人を見て、明菜ちゃんが

「仲良しだね♪」

と感想を述べる。


「「違うから!!」」

と仲良くハモって否定していた――

 

 

 

 


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