●TIME LIMIT〜恋人編〜 8●
…オレって最悪の男だと思う…
塔矢を抱く前…必ず避妊しようか生でするか…迷う。
付けることが面倒だとは思わない。
思わないからこそ最低なんだ。
…下心があるから…
塔矢を妊娠させたい……って。
愛してるなら絶対に避妊はするべきだ。
だって塔矢は…妊娠したら困るだろ?
困らせたくないからオレは避妊をする。
……でも
年々オレはその余裕がなくなってる…。
もう20歳だ。
来年までにはアイツにも彼氏が出来るかも…。
もうアイツを抱けるのは今年で最後かも…。
そう思うと益々避妊したくない。
最後になるかもしれないこのチャンスに掛けたくなる…―
そして不道徳・不誠実にもその後を想像してみる。
もし妊娠したら……塔矢の性格上絶対におろさないよな…。
産んでくれるはず…。
でもたぶん…世間には隠すだろう…。
世間体を何より大事にするタイプだし…。
出来ちゃった結婚もシングルマザーも嫌がるだろうな…。
でも自分を曲げてまで好きでもない男と結婚するような奴じゃない。
じゃあ…子供はオレが引き取ろうかな。
でも同じ碁界にいたんじゃいつかバレるのは必須。
だからオレは塔矢と子供の為に碁をやめる。
確かに神の一手はまだ手に入れてないけど……何もプロでなきゃ必ずしも手に入らないものでもない。
塔矢先生と佐為が昔ネットで打った対局がそのいい例だ。
オレはバカだし碁以外何も出来ないけど……でも何もしなくても余生を過ごせるだけの貯えはあるつもり。
もし子供が出来たら……それでもいいかも…―
何てことを夢見ながら、ルームサービスで取ったフルーツと飲み物をひたすら口に運んでた。
チョコ・フォンデュにしたのでちょっと楽しい…。
「進藤…」
「あ、起きた?」
「…うん」
ベッド横のクローゼットに用意されてた浴衣を着て、塔矢がリビングを覗いて来た。
裸足でゆっくりこっちに向かってきて、オレのすぐ横に腰掛ける。
「どれか食べる?」
「んー…イチゴをもらおうかな」
「じゃあ、あーんして?」
そう言うと恥ずかしそうに口を開けてくれた。
「目も瞑って…?」
「え?…うん」
バカ正直に瞑ってくれたので、イチゴを咥えて…口移しで食べさせてみる。
そして塔矢の口に入った途端に噛む暇を与えず…そのままキスをした―。
「ん…ん…っ?」
驚いて目を開ける塔矢。
可愛すぎ。
でも絶対に離さない。
そのまま体重をかけて、塔矢をソファに押し倒した―。
「ん…っ、ぁ…進藤…」
オレの唇はすぐに首筋に移動し、舐め上げながら徐々に下へとずらしていった―。
浴衣の紐を解いて、露になった胸を弄り回す―。
「きゃっ…ぁ、ん…―」
先端を摘んで刺激を与えるように優しく力を込めた。
「…ぁ…―」
「気持ちいい…?」
「…ん……」
「下とどっちが気持ちいい?」
「え?あ…きゃっ」
塔矢の下の局部にも手を滑り込ませ、乳首と同じように先端を弄り回した―。
その下の秘部はまたしてもイヤラしく濡れて、少し触るだけでくちゅくちゅ音が聞こえた―。
「やっ、あ…ぁっ…―」
「なぁ…どっち?どっちを触られんのが好きなんだよ」
胸も下も同じように敏感に反応するけど、どっちと聞かれれば女はたいてい下と答える。
塔矢も同じみたいで…観念したように小声で言ってきた。
「んっ…、下…かな」
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