●TIME LIMIT〜恋人編〜 10●




…まさか本当に受け入れてくれるなんて思ってなかった…



あの塔矢が本当に子供を作るチャンスをくれるなんて―。

でもその代わり…このプレゼントは今年で最後だって。

それは同時に塔矢を抱けるのが今夜で最後ってことだ。


…当然だよな。

それだけのものをオレは要求しちまったんだから…。

そしてたぶん出来ないだろうってこともオレはちゃんと分かってる。

危険日に生でヤらせる程塔矢はヌけた女じゃない。

今日は危険日じゃないって分かってるから…きっとOKしてくれたんだろう。

分からないとか言ってたけど……たぶん嘘だよな。


……でもソファで中出しした時、本当に真っ青になってたから……少しは希望もある。

塔矢知ってるよな?

オレって結構運強いんだぜ?

だからこの若さでここまで上り詰めれた。

今回もほとんど運頼み。


出来たらいいな…―




「あっ…ん―」

出来ても出来なくてもこれで最後。

そう思うと無性に熱が入る。

元々寝さすつもりもなかったけど、もうこれで全て出し切るまで休憩もなしだ。

一晩で一体何回出来るのか挑戦するつもりでやってやる。



「進…藤…っ、もうやだ…―」

「ん…もう少し…」

「やっ…ぁ…っ―」


何時間も続けるともうお互いの下半身はベタベタで、塔矢の中はオレの精液が溢れてくるぐらいになっていた。

きっとものすごく気持ち悪いんだろう…。

塔矢の涙がそれを物語ってる。

ごめんな…。

こんな最低男に好かれたばかりにこんなことになって…―







「塔矢…」

「…ぅ…進藤…」

「もうこれ以上はしないから…寝ていいぜ」

「本…当…?」

「うん…ごめんな。今までオレの我が儘に付き合ってくれて…。本当に感謝してる……ありがとう」

「……」

「…ん…―」

優しく触れるだけのキスをすると、離した途端に塔矢はオレに抱き付いてきた―。


「…嫌では…なかったよ。キミはすごく…優しかったし……この4年間僕は体だけじゃなくて精神的にも満たされてた…」

「塔矢…」

「キミが僕に好意を持ってくれたことも…すごく嬉しかった」

「……」

「ごめんね…応えてあげれなくて」

「いや…」

「僕にキミを独占したい気持ちがあったのも事実だし、キミが僕のことを好きだとかいいながら…他の女性と関係を持ってたことにイラついてたのも事実だ」

「……」

「でもそれは恋じゃない…。単なる子供じみた独占欲だ」

「ん…それだけでも十分に嬉しい」


もう一度…今度は頬にキスをした。


「好きだよ…塔矢。これからも…ずっと」

「ありがとう…」


続けて塔矢のお腹にも触れてみる。


「…これで子供も出来てたら最高なんだけどな」

「子供なんていたら…結婚しにくくなるよ?」

「いいよ別に…。オレ結婚するつもりねぇし」

「そうなのか…?」

「オマエはするつもり…?」

「どうかな…。いい人がいれば」

「そっか…」


オレはその『いい人』にはなれないんだな…。

当たり前か。

自分でもお世辞にもいい人とは思えねぇもん…。

ただ単に一方的に相手に気持ちを押しつけてるだけ。

このプレゼントだって……全部塔矢の慈悲だってことを忘れちゃいけない。

結局5年間も続けて恋人ごっこさせちゃったし。

ファーストキスもバージンも全部頂いちゃったし。

もうそろそろ塔矢の為に終わりにしなきゃいけない。

タイムリミットなんだ。


でもオレはオマエが好きだよ。

きっと一生…。

いつまでも…――
















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