●THORN PRINCESS 6●
2回も出したのに、いざ挿れるとなると…またしても元気になってくるオレの下半身。
再び塔矢を下にして、まずは指先でその場所を探ってみた。
柔らかくて…熱くて…すげぇヌルヌルしてる…。
「遠慮しないで…。もっと奥まで触っていいから…」
「うん…」
何もかもが初めてのオレ。
常に塔矢にリードされっぱなしで、男としてはすげぇ情けない…。
セックスどころか実はキスもオマエが初めてでした……なんて言ったらオマエは笑う?
満足させてよねって言うけど……絶対無理な気がする。
どうすれば女が喜ぶのかなんて全然知らねぇし…。
しかもオマエは今まで上手い男を何十人って経験してるんだろ?
初めてのオレが勝てるわけねぇよ…。
――でも
オマエを好きって気持ちは誰にも負けない自信がある。
だからせめて愛情だけは思いっきり…――
「…ところで進藤、キミ…ゴム持ってるのか?」
「え?…いや、持ってねぇけど…」
塔矢がプッと吹き出した―。
「はは、キミって矛盾してるな。あれだけ僕に薬飲むなって言ってたくせに、キミ自身も避妊してくれる気ゼロなんじゃないか」
「ごめっ…、今から買ってくる」
「もう遅い。別にいいよ…。このまま続けよう」
「ごめん…。せめて外に出すから…」
「あれ?キミの精液で昨夜のやつを洗い流してくれるんじゃなかったのか?」
「………」
塔矢が下からオレの胸にぎゅっと抱き付いてきた―。
「昨夜の男より…キミでいっぱいの方が僕は嬉しいよ」
「塔矢…」
「ほら、早く」
「う、うん…」
体を一度起こし、その体勢に入った。
大きく広げられてる両足を掴んで――先をそっとその場所に押し当てる―。
「ここで…間違いないよな?」
「うん」
塔矢が楽しみそうに目を瞑って…体をリラックスさせてる。
オレの方も深呼吸して覚悟を決めた―。
「――うわ…っ」
小さなその穴は思ったより柔軟性に優れていて、少し押しただけでたちまちオレのものを飲み込んでしまった―。
「…すげ、本当に入った…」
初めて感じるこの狭くて熱い感触。
何だこれ…。
めちゃくちゃ気持ちいい…―
「…進藤、早くもっと奥まで来て…」
「う、うん…」
結構すんなり入りそうだったので、一気に付け根まで押し込んでみた―。
「―…あ…」
「塔…矢…」
「ん…、いい感じ…。もっと動いて…?」
「うん…」
彼女の言う通りに体を動かしていくオレ。
満足させる為には優しくする余裕なんかない。
塔矢の方も望んでない。
ただ単に絶頂を目指して――突き上げ続ける。
「あぁ…っ、あ…―」
気持ち良さそうに声をあげる彼女の一面を見れて…かなり嬉しい。
先にイってしまわないよう最善の注意を払いながら…オレの方も気持ちを高めていく。
でも信じられないぐらい気持ちいい…。
これが…生の女なんだ…。
セックスってこんなにも激しくて…欲深いものだったんだ…。
「あ…っ、すご……イきそ…」
「………」
……だけど……
セックスって…こんなに…ただ性欲を満たす為だけのものだったのか…?
「…ん?進藤…?」
「………」
いきなり動かすことをやめたオレを…塔矢が荒れた息で訝しげに見つめてくる。
「進藤…どうかした?疲れた…?」
「………」
「進藤…?」
「…塔矢、オレ…セックスって…もっとこう…愛に溢れた行為だと思ってた…」
「………」
「でもそれって…童貞だったオレの単なる理想だったのかな…?」
「………」
「せっかく世界で一番好きな女の子とヤれてるのに…、オレ…たぶんこのままイっちまったら…一生こんなセックスしか出来ない気がする」
「……はぁ」
塔矢が溜め息を吐いて、オレの顔を両手で掴んできた―。
「キミは…何が言いたいんだ?」
「…分かんねぇ」
「僕とこのまま達するのが嫌なのか?」
「違う…」
「じゃあ何が不満なんだ!キミは僕が好きなんだろ?!そもそもキミの方から誘ってきたくせに不満を言うなんて、不条理にもほどがある!」
「…ごめん」
「謝る暇があったらさっさとイカせてくれ!」
「……分かったよ」
しぶしぶ再開し、塔矢の奥の奥へさっき以上に激しく突き上げ始めた―。
まるで開き直ったみたいに遠慮することなく、ただ欲望を満たす為に――
「あぁ…っ…」
「―…くっ」
塔矢とほぼ同時に達したオレは、言っていた通り――彼女の中へ思いっきり吐き出した―。
「気持ち悪くねぇ…?」
「うん…」
脱力したオレを抱き締めてくれながら……塔矢が笑顔で答えてくれる。
「熱くて…むしろ心地いいよ…。中出しされてこんな風に感じたのは初めてだ…」
「んじゃまた出させてくれる…?」
「だーめ。言っただろう?僕は同じ相手とは二度としないって…」
「でもオマエ…今日一回しかしないとは言ってないよな?」
「…え?」
「今までだってオールで何回もした奴だっていたんだろ?」
「そりゃあ…まぁ…」
「んじゃオレが満足出来るセックスが出来るまで…今日はとことん付き合ってくれよな!」
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