●THORN PRINCESS 5●
…僕は今まで何人の男と寝たんだろう…
誘われるがまま、誘うがままの手当たり次第だったから…もう数えきれない。
一度も同じ相手としたことがない分、人一倍色んな男を知ってると思う。
もちろん童貞だった男もキミだけじゃないよ、進藤。
でもキミは初めてなのに……初めてじゃないみたいだ。
体重のかけ方が上手い。
触り方が上手い。
女が感じる場所をよく把握してる。
いや、これは元から知っていたんじゃないな。
手探りで進めながら…僕の反応を見て、徐々に会得していってるんだ。
こういう男ってすればするほど上手くなっていくんだろうな…。
「…なに笑ってんだよ」
「別に。キミが意外といい線いってるから驚いただけ」
「オレ…上手い?」
「下手ではないね」
「オマエは流石というか……やっぱり上手いな」
「そう?じゃあもっとイイ事してあげる…」
僕の胸を上から弄っていた進藤を転がして、下に組み敷いた―。
今度は僕の方が、彼の鎖骨から胸にかけてを唇で弄っていく―。
所々に跡を付けながら――
「…オレも付けていい?」
「だーめ。僕は色が白いから一度付けられると何日も残るんだ」
「最高じゃん…」
「最悪の間違いだよ。キミだって他の男に跡を付けられた女は抱きたくないだろう?」
「確かに萎えるな。でもオマエは別…」
進藤の口が肌に近付いて来たので、急いでキスをして唇を防いだ。
「ん…っ…―」
手が僕の後頭部に回って…顔を限界まで引き寄せられる―。
「――…は…ぁ」
「塔矢…」
離れた後の微かな隙をついて、進藤が首筋に唇を押しつけてきた。
「もうっ!ダメだって…、やめろっ…!」
力任せに引き離す―。
「ダメだって言ってるのにどうして付けるんだ!」
「オマエが好きだからに決まってんじゃん!もう二度と他の男としてほしくねーんだよ!」
今度は進藤の方が力任せに僕を引き寄せて――抱き締めてきた。
「塔矢…好きだ…。大好き…」
「………」
耳元で何度も囁いてくる進藤の想い。
何度も名前を言われて…何度も好きを連発される…。
キミの心の中が移ったかのように、僕の中がおかしくなるのが分かる。
きゅん…って心が締め付けられるみたいに苦しい。
すごく新鮮な気分だ…――
「進藤…」
「――ん…、っ…」
彼の股の間に立ち上がってるものに手を伸ばした。
先走りでじんわりと濡れて、通常より大きくなってるアレを更に興奮さすように煽っていく―。
「塔…矢っ、ちょ…っ」
「気持ちいい?」
「いいって…言うか…、いや、いいんだけ…ど…――…っ…―」
涙目になって、気持ち良さそうにも苦しそうにも声を出す進藤を更に追い詰めていく―。
「――ぁ…、っく…―」
震えと同時に出た液体は僕の手とお腹から胸にかけてに飛び散った。
彼の満足そうな吐息と表情を目の当たりにして、思わず口元が緩む―。
「あ…、ごめん…塔矢。オマエにかかった…」
「いいよ…」
僕が手に付いたそれをひと舐めすると、恥ずかしそうに下を向いてしまった。
「濃いな。ずいぶん溜め込んでた?」
「う、うるせぇよ…」
「口でもしてあげようか?それとも胸がいい?」
「は…?」
目を見開いて顔をあげた進藤の口に、ちゅっと音をたてて一瞬だけキスをした―。
続けて彼の下半身に手を伸ばし――口も近付けていく。
「塔矢…っ?!」
さっきの射精で濡れている先を舐めながら…口に含んだ。
唇と舌を上手いこと使いながら煽っていく一方で、吸ったり、手の動きで更に刺激を与えていく。
進藤の顔にチラッと視線を向けると、初めてのフェラの感触にただ荒い息を吐いて…茫然と僕のすることなすことを見つめていた―。
「オマエ…、いつも…こんなことしてんの…か?」
「まさか。気が向いた時とお願いされた時だけだよ」
「今は…、気が向いてんのかよ…」
「ああ。キミみたいな童貞君は反応が面白いから、特にし甲斐があるよ」
「………」
一瞬ムッとした進藤だけど、裏筋をゆっくりと付け根から舐めあげてやると――目をぎゅっと閉じてただ快楽に浸り始めた。
益々荒れてくる息。
益々堅くなってくるキミの急所。
さっき出したばかりなのにもう限界っぽい。
挿れる前からこれじゃあ…僕が満足する前に精力切れになってしまうんじゃないのか?
若いから大丈夫?
最後まで保つか見物だな――
「塔…っ、離…、もう…」
「出そう?いいよ出しても。飲んであげる」
「冗談…っ、…ぁ…―」
喉にまで飛んできたソレを、ゴクリとひと飲みした後――口を離した。
「…ん、さっきよりは薄くなったかな?」
「オマエ信じらんねぇ…。不味くねぇのかよ…」
「もう慣れた」
「………」
「それより進藤。キミまだ大丈夫だよね?」
「は…?」
「今度はキミが頑張る番だよ。満足させてよね」
「あ…、ああ…」
セックスは挿れてからが本番。
初挑戦頑張ってね、童貞君♪
NEXT