●THORN PRINCESS 22●
進藤に抱き上げられた僕。
彼の足が向かった先はもちろん――寝室だ。
「…塔矢…、塔…矢―」
ベッドに体を下ろされた後、名前を呼びながら顔に…首筋に…体に――あらゆる所に何度も口付けられる。
「…『塔矢』はもう変だよ?アキラって名前で呼んで…」
「ん、アキラ…」
肩ヒモをずらされ…ホックも外した後、露になった胸を揉んで――貪るように吸い付いてくる。
「……ぁ…」
次第に降りていく手はお腹を優しく擦った後……太股へと伸びてきた。
「ぁ…んっ…、…ぁ…―」
膝から秘部までをゆっくり舐めてくる彼の舌使いに敏感に感じて――甘い声が尽きることなく漏れる。
…進藤知ってる?
キミが初めてなんだよ?
同じ相手と…二度目の関係を持つのは――
そして僕はもう二度とキミ以外の人とはしない。
夫以外とはしない。
だからキミもしないでね――
「アキラ…愛してる…―」
「…ん…――」
幸せそうに愛を囁いて…キスしてきた彼。
「―ぁ…はぁ…」
唇が離れた後に顔にかかる彼の息が…すごく温かくて…心地いい――
「…進藤」
「なに?」
「今夜は…初夜だね」
「え…?あ、そういや…そうか」
「何だかロマンチックだね…初夜にこうやって…抱き合うのって…」
進藤の背中に手を回して……まるで彼の存在を確かめるようにぎゅっと抱き付いた―。
ねぇ進藤…。
キミにとっては何がロマンチックなのか…きっと分からないだろうね。
でもね、僕にとってはこうやって特別な日に…特別な相手と抱き合うことが…すごくロマンチックに感じるんだ。
ごく普通で自然なことなのに……僕にとってはすごく新鮮。
それはキミとするまでの2年間…僕がどれだけ意味のないセックスをしてきたかを物語ってる――
「…忘れてしまいたい…」
「え…?」
「キミと初めて関係を持った日…、あの日以前を忘れてしまいたい…」
「アキラ…」
進藤がチュッと音をたてて――優しく頬にキスしてきた。
わずかに零れた涙を舌で掬い取ってきて――そのまま耳元で囁かれる――
「オレが忘れさせてやるよ」
体を少し起こした進藤が、僕に負担がかからない程度にまで脚を広げてきた。
「挿れるな?痛かったらすぐ言えよ?」
「うん…―」
承諾した後にすぐに入り込んで来た彼のものに……僕は歓喜の気持ちでいっぱいになる。
「あ…っ、ぁ…―」
半年ぶりのこの行為…この感触…。
やっぱり気持ちいい…。
そして心地良くも感じるのは…相手が進藤だから――
「ん…、もっと…奥まで来て…」
「でもこれ以上は…」
「大丈夫だから…」
「………」
僕が求めると、進藤は遠慮気味にも奥の奥へ突いてくれた。
「んっ…、ぁ…っ…ん―」
「―ぁ…アキ…っラ…」
「ぁっ…、あぁ…っ―」
「……っ―」
同時に達した後――ぐったりと倒れこむ僕ら。
荒い呼吸をしながら…繋がったままで余韻に浸って……無我夢中で口内を貪りあった――
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