●SAVING TABOO 8●
「オマエさ、旦那とヤる時…いつも何て呼ばれてるんだ?」
「え?普通にアキラ…かな?」
「ふーん…じゃあオレもアキラって呼んでいい?」
「……いいけど」
ベッドの上に移動したオレら。
塔矢は余計な愛撫はいらないって言うけど、オレ的には普通に…いや、いつもよりじっくり時間をかけて抱きたい。
こんなチャンス…もうないかもしれないし――
「もしかしてさ、旦那以外の男とするの…初めてだったり?」
塔矢の顔が途端にカッと赤くなる――
「…悪い?」
「全然♪」
結婚までコイツが碁一筋だったのは、十も百も承知。
塔矢は奈瀬とかとは違って、恋愛ごとには無縁の女だった。
だから……安心してたのかな?
告るのは、オレがタイトル取ってからでも大丈夫だって…。
タイトル取って…コイツに見合う男になったらって……そう思ってたのに――
「アキラ…―」
「ぁ…ん……」
旦那に揉まれて大きくなったのか知らねぇけど、塔矢の胸は結婚前に一緒に行ったプールで見た時より…かなり大きくなってる。
手の中に収まらないぐらい。
「―…ぁ…っ…」
揉みながら先端に吸い付くと、彼女の口からは可愛くて色っぽい声が漏れた。
この声を毎日あの夫に聞かしてるのかと思うと虫ずが走る。
この後帰ってからもヤるのかと思うと死ぬほどムカムカする。
帰したくない。
離れたくない。
ずっと…こうしていたい。
塔矢をオレだけのものにしてしまいたい――
「ぁん…っ、…ぁ…っ―」
下半身にも手を伸ばすと――既にじんわりと濡れていた。
塔矢の両足を広げ…その部分を優しく、でも激しく弄り回した―。
「やっ…ぁん――…ぁ……ん」
声を聞くだけでも更に興奮してきたオレの下半身は早くも限界っぽい。
触ってもらいたいけど……今触ったらたぶんすぐに出ちまう。
全部コイツん中で出す約束だし…。
「アキラ…ごめん。もう挿れるな…?」
「うん…」
更に脚を広げて…先走りを入口に擦り付けるように少し回して―― 一気に押し入れた――
「ぁあ…っ――」
出し入れなんかしなくても、この締め付けだけでイっちまいそう。
案の定、一分も経たないうちに――溢れてしまった。
「ごめ…っ、早過ぎだなオレ…」
「ん…いいよ」
「でもオマエ…まだ全然だろ…?」
「僕のことなんて気にしなくていい。この調子でどんどん出しちゃって?」
「………」
早濡を喜ばれたのって…初めてかも。
でもそれは塔矢がオレとのこの行為を…本当に『子作り』にしか思ってないからだ。
オレは単なる種馬?
ま、何だっていいさ。
塔矢を抱けることには変わりないわけだし――
「ぁ…っ、ぁ……」
一度出してもまだ硬さを保ったままの性器を、塔矢の中で掻き回すように出し入れを続けた。
気持ち良すぎるこの行為に…今にも意識がどっかにいっちまいそう。
オレの理性なんてとっくに消えてて…
塔矢の方も、普段のコイツでは考えられないぐらい…声を出して感じまくってた――
「なん…か、あの人と…する時と、違…う…っ」
「何が?」
「わかんな…い…っ、…あぁっ…――」
塔矢がイって、彼女の締め付けでオレもイって、何度も中で果てて…の繰り返し。
10代に戻ったようなこの激しいセックスに、オレは我を忘れて夢中になった――
「進…ど…、もう6時…だ。帰らない…と」
「ん…、じゃああと一回…」
―――でも昔からそう。
楽しい時間はすぐに終わっちまう。
最後の最後に、オレはもう10年以上も心に秘めてた気持ちをもう一度伝えた――
「アキラ…好きだ」
好きだよ。
塔矢、大好き――
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