●SAVING TABOO 3●
「オレとすれば……妊娠するかもよ?」
「何を馬鹿なこと…」
何を言ってるんだ?進藤は――
だけどそう言われて…僕は内心嬉しかった。
進藤の慈悲が。
僕の結婚に不満を持ってくれてた彼の想いも。
キミの血液型と、夫の血液型を瞬時に照らし合わせてしまった自分が…情けない。
二人ともO型だね。
バレないかな?
いや、きっとバレるな。
夫ともあかりさんとも修羅場になるだけだ。
「子供欲しいんだろ?」
「夫との子供がね」
――そうだよ。
子供なら誰の子でもいいってわけじゃない。
僕が欲しいのは夫との子供。
キミの同情は嬉しい。
だけどこれは…僕ら夫婦の問題だから――
「…あなた」
お風呂から出た後、僕は寝室に向かった。
先にお風呂に入った夫が自分のベッドからテレビを見てる。
小さな声で声をかけて横に座り、頭を彼の肩に凭れかけた。
「……昨日はごめん」
気まずそうに夫が僕の頬を擦ってきた。
「痛かっただろ…?」
「もう平気」
「ついカッとなって……俺もまだまだ子供だな」
「お互い様だよ」
クスっと笑って緩んだ僕の唇に…夫がそっとキスをしてくれた―。
「今度の休み…俺も病院に行くよ」
「え…?」
「いい加減現実を見なくちゃな。結婚して7年にもなるのに出来ないのって…やっぱり何か問題があるんだろう」
「あなた…」
「いい解決策があればいいけど…」
「うん…そうだね」
胸に抱き付いた僕を――夫が優しくベッドに押し倒してきた。
そのまま夫婦の営みがスタートして…僕は彼の腕の中で何度も達する。
優しいけど激しいこのセックスは…僕は嫌いじゃない。
だけど今夜は途中でふと…不謹慎にも進藤が頭を過ぎった。
昼間…誘われたからかな?
彼とのセックスはどんなのだろう…。
本当に今日彼とすれば…僕は妊娠したのだろうか。
――って!
また何を考えてるんだ僕は!
今度の休み、病院に行って夫を診てもらって……話はそれからだ。
数の問題だったり…力の問題なら……まだ治療次第で手立てがあるしね。
だけどもし……存在しなかったら?
100%無理だと言われたら?
僕は…子供を諦められるだろうか…。
もちろん子供だけが全てじゃないということは分かってる。
だけど両親に孫を抱かせてあげれないのが…一番辛い。
何としてでも抱かせてあげたい。
女って…嫌だ。
考えれば考えるほど現実的になっていく。
欲しいのは夫との子供のはずなのに…ね――
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