●SAVING TABOO 23●






『今夜は洋人と進藤家に泊まります』




僕はなんてメールを打ってしまったんだろう。

震える指で送信ボタンを押す――

すぐに帰ってきた夫からの返信は


『了解。進藤さんによろしく。俺もこれから二次会(ノ_・。)』


という全く疑ってない内容。

ズキリと良心が痛む…。


いや、別に疑われるようなことをするつもりはないけど!


だけど……息子のあの期待の目と、夫もあかりさんもいないこの絶好の状況が……僕を再び過ちの世界へと導いてる気がする――















「パパー、おやすみなさい」

「お休み」

「ママ、おやすみなさい」

「お休み…」


上の二人は自室。

僕らは進藤・かおるちゃん・息子・僕…という順番で一緒に和室で眠ることになった。

昼間遊び疲れたせいか、すぐに寝静まってしまった間の子供達。

もちろん僕は寝れるはずがない。

ずっと体を強張らせて…胸をドキドキさせていた。



「…塔矢、寝た?」

「………」


進藤が起き上がって――僕の方にくる。

目をぎゅっと閉じて寝たふりをしてみる――






チュッ…




唇が頬に触れて、思わず閉じた目を見開く――


「進っ…!」

「し〜っ」


声を出すと子供達が起きてしまう。

下手に抵抗すると音で子供達が起きてしまう。

どうしよう。

いけないことだってのは分かってる。

これは立派な不倫…というやつだ。

これ以上罪を重ねちゃいけない。

どうしよう…やめないと…。

でも息子の期待が…。

いや、この際そんなことはどうでもいい。

この行為は人間としてどうだ?

本当にこのまましてしまっていいのか?


どうしよう…どうすれば…――





頭の中がまだ整理出来てないし心の準備も出来てないのに――進藤が布団の中に入ってきた。

久しぶりの彼の重みに…体が強張る――


とーや…


手を取られて……指に唇を当ててキスされる。

音防止のために頭から布団を被って――近距離で僕らは見つめ合った。

そのまま唇が重なる…――



「――……ん…」



このキスは声防止の為?

ずっとキスしたまま、彼は僕の体に触れてきた。

何かあった時の為にパジャマは脱がさず、上から胸を揉んでくる。

たった一度…しかももう6年も前のことなのに、僕の急所を既知しているみたいな触れ方。

気を抜くと今にも声が洩れてしまいそう。



「――……!」



下の急所にも手を伸ばされて―――僕は覚悟を決めた。



もう…だめだ。



今日は排卵日だったかな…?

違う気もするし…そうだった気もする。

息子が出来てからは別にチェックもしてなかったし、もう作るつもりもなかった。

一人いれば充分。

あの過ちは一回きり。



そう思ってたのに――















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