●SUMMER VACATION 12●





もう嫌だ。

オマエのいない囲碁人生なんて―――





「…塔矢はさ、辞めてから打ちたいと思ったことないのか?あるよな?」

「…あるよ」

「じゃあ後悔しただろ?囲碁はオマエの全てだったもんな。何で辞めたんだよ。そんなにオレにフラれたのがショックだったのかよ」

「ああ」

「ああ…って」

「僕の人生一大の告白を笑ったキミの顔なんて…もう見たくなかった」

「………」

「だから……キミも傷つけばいいと思った。どう?ライバルを失った感想は」

「めちゃくちゃ…傷つきました」

「よかった。辞めた甲斐があった」

「………」


真実は辛い。

でも、ようやく彼女の本心が聞けた。

ああ…傷ついたよ。

これ以上ないってぐらい。


だから―――



「もう……いいだろ?こんなの悪循環だ…。打ちたいのに打てないなんて……」

「………」

「あの告白は本当に悪かったって思ってる…。すげ…後悔したし。オレがあんな断り方さえしなければ……塔矢が今も側にいてくれたのかと思うと……悔やんでも悔やみきれなかった…」

「失ったものは大きかった?」

「ああ…」


ガタンッと席を立った。


彼女の腕を掴んで―――エレベーターに乗って―――部屋に駆け込んだ。



「はぁ…は…ぁ」

「進…ど…?」

「頼む…頼む塔矢!戻ってきてくれ!」


恥ずかしさもプライドも捨てて、土下座した―――


「もう無理。嫌だ……頼む。何でもするから…」

「…何でも?」

「ああ」


ドサッと塔矢がベッドに腰を降ろした。

脚を組んで……右足をオレの前に突き出してきた――


「…じゃあ、舐めてみる?」

「え…」

「何でもするんだろう?忠実な犬になって、舐めてよ」

「………」


なにこれ?

軽いSM?

女王様の国だから女王様プレイか?

屈辱をオレに味合わせたいのか?


膝までのストッキングをスルスルと脱がしていった――


舐める前に口付けて――指の一本一本にキスをする――


「ひゃ…っ」


舐めろと言った割には、いざ舐めてみると驚いてビクッとなってる。

愛しく舐めて……マッサージするように手で揉んでいく――


「………ぁ…」


そのまま舌をはわして……脚を下からつたっていった――


「進…藤、もう…いいよ」


太股にまで来た所で、塔矢がストップをかけるように頭を押さえた。

でも、やめない。

誘ったのはオマエだろ?


「……ぁ…」


ドサッと体をベッドに倒した。

昨日の大人っぽいやつと違って、今日は真っ白で清楚なワンピース。

首筋にキスしながら――後ろのファスナーを下ろしていった――















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