●SLAVE U 2●
昨日藍子さんと一緒にいた所を塔矢に撮られてしまった。
抱きしめて、キスまでしちゃってるどうやっても弁解出来ない映像。
これを会長に見せられたらきっとオレの棋士生命は終わる。
代議士を敵に回すことほど恐いものはない。
それに…藍子さんにも迷惑がかかる。
彼女の家庭の邪魔をするつもりはなかったんだ。
彼女には今の奥様生活が合ってる。
だから、オレと逃げて…なんてことは言わない。
彼女を守る為ならオレは潔く別れを選ぶよ――
「オマエと…付き合えって…?」
「ああ」
「どこに?じゃないよな…もちろん」
「早く決断しないと会長の所に行くよ?」
「あ〜〜くそっ!分かったよ!付き合えばいいんだろ!男女のお付き合いね!やってやろうじゃん!」
「なに?その言い方」
「はい、すみません。オレと付き合って下さい」
「よろしい」
直接会うことはもちろん、電話も許してくれない塔矢は、メールで藍子さんに別れを告げろと言ってきた。
『今まで楽しかった。さよなら』
と…打たされる。
おまけに彼女のアドレスを消却されてしまった。
…くそっ。
「これで一件落着だね。よかった、僕もライバルは失いたくなかったから」
「……」
「じゃあ進藤、次は僕達の愛を深める番だよ」
「……は?」
目を瞑って、顔を近付けてくる。
ちょっ、待て!
いきなりキス??
冗談じゃねぇ…!!
「―…ん…っ…」
でも、逆らえるはずもなく……呆気なく唇を奪われてしまった。
舌まで入れられて……長い長ーいキス。
舌を噛み切ってやりたい気分だ。
「…じゃ、行こうか…」
「……どこに?」
「僕の部屋…」
「………」
連行された塔矢の部屋には当然既に布団が敷かれていた。
「…マジで…すんの?」
「嫌とは言わないよね?」
「…勃たないかも」
「じゃあその時はすぐにでも会長の所に行かせてもらうよ」
「いや、勃ちます!もうヤり過ぎて勃たなくなるって意味!」
「ふふ」
しぶしぶ彼女の上に乗って…触り始めた。
いっぱいキスして…体中触って。
へぇ…意外といい体してんじゃん。
胸も結構デカいし、ウエスト細いし、尻なんてプルプル。
肌がピチピチのスベスベ。
でもオレには青臭過ぎるって言うか……って言うか……なんだこれ?
狭過ぎ。
「…なぁ、オマエまさか処女とか言わねぇよな…?」
「悪い?」
「マジかよ…」
マジかよマジかよマジかよ〜〜!
「…あのさ、初めてはやっぱり好きな奴とした方が…」
「何を言ってるんだ?僕はキミが好きなんだよ」
「…マジ?」
「キミも僕のこと…好きだよね?」
「…はい、好きです。愛してます」
「ふふ」
ああありえね〜〜!!このままだとオレの人生、一体どうなるんだ??
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