●REVENGE 4●
私がマンガを読み始めたのは小1の時。
現実と非現実の両方の世界を絵で楽しめるこの本に、私はすぐに夢中になった。
碁を打ってない時はひたすら読んでいた。
少女マンガも少年マンガも青年マンガも何でもかんでも片っ端から。
もちろんその中には、男女の性的なシーンを描いてるものもあった。
読んでるとドキドキした。
私もいつかこういう経験をするのだろうか。
一体どんな感じなんだろう。
妄想ばかりが膨らんだ。
京田さんに出会って彼を好きになってからは、その妄想の相手はずっと京田さんだった。
どんな感じで触られるんだろう。
どんな表情をするんだろう。
ずっとずっと妄想していた。
でもいざその妄想を実際にする時が来たら――何だか全然違った。
ドキドキがヤバい。
緊張し過ぎてヤバい。
恥ずかしさもヤバい。
そして――想像以上に素敵な行為だった。
「…彩ちゃん…」
「…京…田さん…」
ベッドに移動した後、また何度も唇を合わせてキスをして、そして体を触られていった。
精菜が小5の時からお兄ちゃんに許している行為。
好きな人が自分の体を触って、欲情してくれてる。
それがこんなにも嬉しいことだなんて思わなかった。
私の胸はそんなに大きくない。
頑張ってBだ。
既にEカップの巨乳の精菜が正直羨ましい。
でもそんなの関係なく愛おしそうに触れてきて、弄ってくる彼に嬉しくなる。
体中のあちこちに落とされるキスに、愛されてると実感する。
下半身を触られ出した時には、ちょっとだけ恐怖も感じた。
でも時間をかけてゆっくり進めてくれる彼に、次第にそんな恐怖は無くなっていって。
むしろ早く一つになりたくて堪らなくなった。
「彩ちゃんのこと、一生大事にするから…」
「うん……」
まるでプロポーズみたいな台詞を口にする彼。
こんなにも私のことを真剣に想ってくれてるんだって…感動した。
こんな人を好きになった自分を褒めてやりたくなった。
私も彼に見合う女になりたい――そう思った。
「……っ……」
ずっと想像していた初めてのこの行為は、痛くて、恥ずかしくて、イヤらしくて、生々しくてーーでも心地よくて。
想像よりずっと素敵な行為だった。
「彩ちゃん……」
普段とは全然違う表情をする彼にうっとりとなった。
普段とは全然違う色っぽい声に、私だけが知ってるこんな彼の一面を見て、胸が張り裂けそうになった。
「京田さん…好き……大好き……」
「俺も大好きだよ……」
「待ってくれてありがとう……」
「俺の方こそ、待たせてごめんな……」
何度もキスをして、キスされて。
そして――後は初めての絶頂を迎える為に、私達は欲望のままに求めあった。
「――……ぁ、もう……」
「……は……俺…も……」
体が波打つ、初めての感覚。
お互い荒い呼吸をしながら、最後にもう一度キスをした――
「…京田さん、知ってる?」
「なに?」
終わった後、まだ余韻を楽しむ為にベッドの中で過ごした私達。
京田さんにこっそり教えてあげた。
「お兄ちゃんと精菜もねー、一週間前に初めてエッチしたばかりなんだよ」
「……彩ちゃん、そんな人のプライベートを話しちゃ駄目だろ」
「えー、だってスゴくない?お兄ちゃん小5から精菜と付き合ってるんだよ?お兄ちゃんもう高3だよ?よく我慢出来たよねーって話」
「確かにすごいな…」
「しかもあの精菜のボディーを前にして!」
「はは…確かに」
京田さんが苦笑する。
笑うしかないくらい、女の私から見ても精菜の体はボンキュボンでスゴいのだ。
「でも……あれだろ?ずっとペッティングはしてたんだろ?」
「京田さんよく知ってるね」
「はは…まぁね」
「中1からしてるらしいけどねー。あ、そうか、お兄ちゃんが触りまくったお陰で精菜の体はあんなに成長したのかも」
「かもな」
「じゃあ京田さんももっと私を触ってくれていいよ?」
「――え?」
京田さんの顔が途端に赤くなる。
彼の手を取って、自分の胸にあてた。
「もっと揉んでくれる…?」
「あ、彩ちゃん……この状況でこれはマズイよ…」
「え?」
「……またしたくなる」
「え……」
私の頬も赤くなるのを感じた。
京田さんが再び私の上に乗ってくる。
「煽ったのは彩ちゃんだからな……」
と熱のこもった声で言われる。
「う…ん、じゃあ責任とる……」
もう一度キスをして、私達は第2ラウンドをスタートさせたのだった――
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