●RAIN 5●


「塔矢…―」

離さないよう腕でぎゅっと抱き締めて、しばらく塔矢の髪に唇を押し当てていた―。


どうしよう…。

すげぇ幸せ…、嬉しすぎて怖いかも…!

もちろん初めてのセックスに対しての感動も大きいけど、それ以上にこの塔矢を抱けた!一つになれた!っていうことがすごく嬉しい―。

ずっとこうしていたいかも…。


更にキツく抱き締めて、その暖かさと柔らかさを感じ取った―。

「進藤…―」

塔矢がすごく幸せそうな顔を向けてきた。

「お願いがあるんだ…」

「え?なに…?」

少し恥ずかしそうに顔を胸に押し当ててくる―。


「このまま…朝まで抱き締めてて――」

「なんだ…、そんなことか」

クスッと笑って、優しく塔矢の頭にキスをした―。


「…いいよ。ずっと抱き締めてる―」


もう離さない。


絶対に――



そう言うと、安心したように塔矢は眠りについた―。

……ちょっと嬉しいかも。

オレ、少しはコイツを安心させてやれるだけの包容力……あるのかな?

あったらいいな…。

もっともっと頑張ろうっと―。


















「…ん……―」


目が覚めると、抱き締めてたはずの塔矢がいなかった。

どこいったんだ?と思ったのと同時に、バスルームの中から水音が聞こえたから、シャワー浴びてんのか…と理解する。

この部屋には小さい窓しかないものの、そこから朝日が差し込んでいた。

雨音も全く聞こえないし、外は晴れてるみたいだ―。



ガチャ

塔矢がバスローブ姿で出てきた。


「あ、おはよう進藤」

「…はよ」


優しく微笑みかけると、塔矢は少し頬を赤め、連られてオレの方も顔が熱くなったのが分かった。


何か…


本当にしちまったんだだと思うと…


…すげー恥ずかしい…




「服、乾いたみたいだよ」

「そ、そっか。じゃあさっさと着替えて出るか。一度家に戻って制服に着替えなきゃなんねーし」

「そうだね…」


今日はもう月曜日。

当たり前だけど学校がある日だ。

くそっ!

まだまだ一緒にいたいのに!


塔矢も同じ気持ちみたいで、不満そうに眉を傾けて着替え始めてる。

バスローブを体から落とすと、アイツの裸が丸見えで……慌てて顔を反対側に向けた―。


やべぇ…

また体が反応しちまった…!

いくら一線越えたからって、オレの目の前で安々と着替えるなよなっ!


「オ、オレもシャワー浴びてくるっ」

バスローブで前を隠しながら、慌ててバスルームにかけこんだ。





シャワーを浴びながら熱を出す為に自分で慰め始める。


あーあ…

こんな所にいんのに何で自分でしなきゃなんねーんだよ…

すげー虚しい…。

またたっちまったのなら、もう一回アイツを抱けばいいだけの話じゃん?

だけどそんな時間はねーし…。

じゃあせめてアイツに触ってもらいたい…



「……」



やばっ…

んなの、想像するだけで鼻血が出ちまいそうだぜ…!

無理無理絶対無理!

やっぱああいうのはこれからも何度も体を合わせて、お互い慣れてきてからじゃねーとな!

童貞と処女を捨てたばかりのオレらにはまだ早いぜっ!



「……」



ガチャ…

そうっとバスルームから顔を出すと、塔矢は既に着替え終わっていた。

何やら服の上から自分の体を凝視している。

胸に少し手を当てて揉んでは、真っ赤になって首を振ったり。

もしかして……塔矢もまだ足りねぇのかな…?


「塔矢」

「えっ?!」

オレの声で見られていたことに気付いた塔矢は、慌ててベッドから立ち上がった。


「し、進藤っ!違うんだ!今のはその…っ」

かあぁ…と顔を真っ赤に染めてる。

すげー可愛い…。


「塔矢、実はオレ……まだちょっと興奮が治まらないんだ」

「え…?」

「学校行かなきゃなんねーし、時間がないのは分かってるんだけど……ちょっと協力してくんねぇ?」

「協力?」

何だろうと頭を傾ける塔矢を手招きして、近くにまで呼んだ。


「もう一回する時間はないから…、代わりに…少し触ってくれねぇかな…?」

「え?何を…?」


何をって…。


手探りで照明のスイッチをオフにして、真っ暗になったバスルームへ塔矢を引きずり込んだ。

そして彼女の手をそのまま自分の股間に当てさせた。

「え?!進藤…っ、やだっ…!」

たちまち手を離される。


「…お願い塔矢。触って…」

「え……」















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