●RAIN 4●
このまま今日僕らは始めて体を重ねるんだろう…。
そう改めて確信したのは、進藤に下半身を触れられた時だ―。
誰もがいつかは経験すること―。
そう言い聞かせて、彼の手の動きに…ただ横たわって感じていた―。
好きな人が出来たらその人に触れられたいと思うのは当然だ―。
僕だってそう。
キミと心も体も一つになってみたい―。
「そろそろ…いいか?」
そう聞かれて、不安ながらも迷うことなく首を縦に振った―。
進藤がもう一度口に軽くキスをして、その準備に取り掛かる―。
彼の方もバスローブを脱いで、サイドボードに置いてあったものに手をとった―。
思わず目をぎゅっと瞑ってしまう。
彼の裸を目にするのが恥ずかしくて?
それを付けてるところを目の当たりにするのが恥ずかしくて?
…でもこれから体を重ねる上では、そんなことを恥ずかしがってる余裕はないんだろうな…。
やっぱり初回は血が出る程すごく痛いんだろうか…。
進藤も初めてなのかな…。
色々その短時間の間に頭の中で巡らしながら、僕は心の準備をした―。
「…ん…―」
もう一度彼がその場所に触れてきたので、思わず目を開けてしまった。
指を少し入れて、場所を再確認してる―。
「…いい?」
「……うん―」
再びぎゅっと目を瞑り、唾をゴクリと飲み込んだ―。
いよいよだ…。
入口に何か大きくて固いものが当たり、それが彼のものだと改めて実感した。
どれくらいの大きさなんだろう…。
指よりかは確実に大きいと思うけど…。
だけど実際に目を開けて確認するのは妙に怖くて恥ずかしくて、じっとそのまま感覚だけで大きさを感じ取ってみる―。
「…痛っ…―」
「あっ、ごめ…―」
悲鳴をあげると、少し入れかけたそれを、また抜いてくれた。
「いいよ進藤…、初めは痛いものなんだろう…?僕の声には気にせず進めちゃって…」
「あ……うん―」
そう言うと、再び先を中に入れてきた―。
「…っ…―」
痛い……。
枕の端をぎゅっと握り締めた―。
中の様子を探るように…入れては少し戻し…徐々に深く埋められていく―。
奥に入れられれば入れられる程…変な気分になって行くのが分かる…。
確かに痛いことには変わりないんだけど、感覚が麻痺してくるというか…その痛さも微妙に良く思えてくる…。
すごく変な感じだ…。
「はぁー…」
進藤が安心したように息を吐いてきた。
「入ったぜ、全部…」
「本当…?」
「うん―」
嬉しそうに僕の体に覆い被さって、頬にキスしてくる―。
「何かすげぇ感動…。このままでもイケそう…」
「…そう」
「でも勿体ねぇよなー」
「……」
何を言ってるんだろう彼は…。
どこに行くんだ…?
何が勿体ないんだ…?
「塔矢、気持ちいい?痛くない?」
「…え?あ…あぁ、そうだね、今は痛くはないけど…気持ちいい…のかな?よく分からないけど…変な気分だよ…」
「ふぅん…」
進藤が胸を再び揉みながら、その先を舌で弄り出した。
「…ん…―」
少し彼の体が動く度に繋がっている中が擦れて…ますます変な気分になる―。
もっと…もっと擦れて欲しいような…、奥に入れて欲しいような…?
どうしたんだろ、僕…。
「…あーーもうダメ。我慢出来ないっ」
「え…?」
進藤が上半身を起こして、僕から体を少し離した―。
「動くぜ?」
「あ…あぁ」
迫力に負けて軽くコクコク頷いて返事をすると、直ぐさま進藤は体を…腰を動かし始めた―。
「あっ…、やっ…ぁあ―」
引き抜かれたり、奥の奥にまで突き上げられたり、彼の動きに伴って…気持ちが更に盛り上がってくるのが分かる―。
何これ…。
すごく…気持ちいい―。
さっき進藤が『イケそう』と言っていた意味がようやく分かった気がした。
本当に思考がどこかに行ってしまいそうなぐらい気持ちよくて…、たぶんこのままこの気持ちが上り詰めたら…達することになるんだろう。
と同時に勿体ないと言っていた意味も分かった気がした。
確かにこの状態…というかこの気分は出来るだけ長く味わっていたい…。
でも早く抜け出したいような…不思議な感じだ―。
「塔…矢―」
「…進、藤…―」
涙目の中でうっすらと彼と目を合わし、荒れる息の中もう一度唇を重ねて――
「あぁ…っ―」
その直後に僕は上り詰め、ぐったりと脱力してしまった―。
「はぁ…はぁ…―」
進藤の方も達したのか、僕の体からそれを引き抜いた後、何やら処理をして、再び僕を抱き締める為に覆い被さってきた―。
「ん…っ―」
優しく何度も唇をついばんでくる―。
「塔矢…好きだ―」
キスの合間に言われたそれがすごく胸に響いて、僕はすごく幸せな気分になった。
体のみならず、キミと気持ちの上でも一つになれたような…そんな感じ。
僕も大好きだよ…進藤―。
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