●RAIN 3●
やっぱりこのチャンスは逃したくない!
今夜塔矢を抱きたい…!
そう思い、決心したのはバスタブに浸かっている時だった――。
拒まれたらその時はその時だ。
何もしないで後で後悔する方が100倍嫌だし。
幸い、うまい具合にオレの両親も塔矢の両親も不在。
ヘタな小細工をする必要もなく、堂々と外泊が出来る。
こんなチャンス滅多にあるもんじゃねぇっ!
気合いを入れてバスルームから出て行くと、塔矢はベッドに座っていた。
オレの方に視線を向けた塔矢は、胸元が少し開いたバスローブ姿。
やばっ…。
塔矢の横に座ったが最後、すぐにでも押し倒してしまいそうな気がしたので、ベッドを通りすぎてソファに腰掛けることにした。
服が乾くまで何かする?というオレの誘いに塔矢は、
「何かって…?」
と問い返してきた。
オレがしたいのはもちろんセックス。
オマエに触りたい。
抱きたい。
交わりたい。
一つになりたい。
…でもそれを口にする度胸なんてなくて、何故か
「シリトリとか?」
と言ってしまった。
何言ってんだオレ…。
あの天下の塔矢アキラに…。
微妙な沈黙がすげー重い…。
「シリトリなんてしたくないよっ」
ようやく沈黙が破られて、オレはほっとしたように言い直した。
「だよな。オマエとするならやっぱ碁だよな」
そそくさと鞄からマグ碁を取り出した。
でも塔矢の冷たい視線は変わらなくて、溜め息までつかれてしまった。
あれ…?
碁も不満だった…?
打っている間、この状況で塔矢が一番求めてるものはなんだろう…ってずっと考えてた。
ここはラブホでお互いバスローブ姿。
すぐ横にはベッドがあって、必要なものもちゃんとサイドボードに準備されている。
うーん…どう考えてもオレにとって都合のいい、そういう類いのものしか思い浮かばねぇ…。
覚悟を決めてオレは「泊まりたい」という本心を口に出した。
「ダメ…かな?やっぱ嫌か…?」
「ううん…」
「本当に…?」
「うん…」
「オレたぶん途中でストップきかないぜ…?」
「望むところだよ」
「塔矢っ!」
オレは了解してくれた塔矢を抱き締め、何度も頬や髪にキスをした―。
「好きだ…塔矢」
「僕もだよ…」
すげー幸せ…。
まだ何にもしてねぇのに嬉しさで死にそうだぜ。
カフェを出た時には憎んだ雨に今は感謝をしつつ、今度は唇に深くて甘いキスをした―。
「んっ…ん―」
口の中を貪りながら、ゆっくり体をベッドに押しつける―。
「は…ぁ…、ぁ…進藤…」
唇を離した後、塔矢の吐息や声に酔いながら…首筋にキスをして、舌を下へとずらしていった―。
同時にバスローブの紐を解いて、その中に手を忍ばせる―。
すげぇスベスベ…、柔らけぇ…。
「あ…っ…―」
胸に触れると敏感に反応して、声を殺すように口を塞いでしまった。
硬くなった先を摘んだり舐めたり吸ったりしながら弄ぶ―。
「ぁ…う…、進…―」
「塔矢…気持ちいい…?」
「ん…―」
辛うじて返事をしてくるところがまた可愛くて、再び唇に優しく口付けた―。
「オレもすげぇ気持ちいいよ…」
「本当…?」
「うん…。オマエに触れれるなんて夢みてぇ―」
もちろんこれが本当に夢だったら、起きた時すげー落ち込むだろな…。
でも夢じゃないんだ―。
その証拠に手の感触はすごくリアルだし、めちゃくちゃ柔らかくて気持ちいい―。
ずっと触っていたい―。
左手で胸を触り続けながら、右手を徐々に下にずらしていってみた―。
お腹に触れ…足に、太股に触れて…ゆっくりと目的の場所に手を忍ばせてみる―。
「…ぁ…、やだ…―」
塔矢が眉間にシワを寄せて、探り始めたオレの手の動きに耐えられないのか…挙動不審気味に頭をあちこち動かし始めた―。
「…気持ち悪い?」
「ん…、どうだろ…。何か…不思議な感じ…」
「ふぅん…」
でも体は正直とはよく言ったもので、局部はすごく濡れている―。
弄れば弄る程…益々息が荒れてくるのと同様、そこも音が聞こえてくる程にまでぐちゃぐちゃになっていった―。
「指…入れてもいい?」
「え…?ああ…、うん…。別に…いい…けど―」
膝頭を掴んで左右に大きく脚を分けた後、その部分を掻き回しながら…ゆっくり先だけ入れてみた―。
「あ…っ…、ちょっと待っ…―」
「すげぇ熱い…」
「…っ…―」
中の熱さと覆い被さってくるような狭さが堪らなくて、更に奥へと進めていった―。
「ぁ…ん―」
内部で動かす度に塔矢の口から甘い声が溢れ、でも洩らさないよう手で口を押さえてる―。
「な、せっかく声が響いても大丈夫なとこでやってんだし…もっと聞かせてよ」
「嫌だ…」
涙目でオレの方を睨んできた。
でもその目付きにウッとなる―。
すげぇ可愛い…。
「ん…―」
隙間からもう一本指を入れると、痛そうに目を瞑ってしまった。
「痛い…?」
「ん…まだ平気…」
「そう?じゃあ…」
更に数を増やして、入るとこまで入れてみる―。
「ぁ…ん、も…ぅ―」
もう無理と言いたげな色っぽい表情を向けてこられて、オレの方もさすがに限界を感じてきた―。
「そろそろ…いいか?」
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