●7 DAYS LOVERS 18●


「……」



言いたいこと全部吐いてスッキリしてしまったら、何だか返って目が冴えちゃったな…。

そういえば…一人で寝るのは久しぶりだ―。

結構寂しいものだな…。

ほんの5日前までは一人で寝るのが普通だったのに、何だかもうその時のことが思い出せない―。



「……」



進藤ももう寝てるのかな…。

それともさっきのゲームの続きでもしてるんだろうか…。

少し気になって部屋を出てみた。

電気は…客間だけ点いている。


「進藤…?」

声をかけて、ゆっくり襖を開けた。

「あれ?塔矢?まだ寝てなかったのかよ」

「うん…」

進藤は今お風呂から上がってきたみたいで、髪をタオルで拭いている途中だった。

「寝れねーの?」

「う…ん」

あんなに寝れないことにイラついてた分、今の自分がちょっと恥ずかしい…。

「さっきは…ごめん…」

「あー…いいって、気にすんな。ちょっと気がまいってたんだろ…、誰にでもあるから」

「…うん」

誰にでもある…か。

その言葉だけで――救われる。


「今日…一緒に寝ちゃダメかな…」

「えっ…」

ちょっと進藤の肩がビクッとした。

「んー、オレ忍耐力試されてる?」

はは…っと進藤が苦笑いをする。

「ダメ…?」

「…そうだな、せめて同じ布団じゃなかったら…。隣に並べるだけってのでもいい?」

「うん」

コクンと頷いた。

じゃあそれで行こう、と進藤の方はもう一つ布団を敷き始めた。

「よし、じゃあオマエ左な」

「うん」

「じゃ…お休み!」

今度はキスも何もなしで、進藤はガバッと布団の中に潜ってしまった。

「…お休み」

うん、やっぱりこっちの方が落ち着くな。

進藤が隣にいると思うと安心する。


―でも…

もしかしたら僕は今ものすごく酷いことをしてるんじゃ…。

僕が隣にいて、進藤の方は眠れるんだろうか…。

「進藤…?」

「…何だよ」

「やっぱりそっちに行ってもいい…?」

「ダメ。来るな」

やっぱり断るよな…。

でもちょっとぐらいなら触らせてあげてもいいし…。

ドキドキしながら進藤の上布団を捲って、自分も入ってみた。

「塔矢っ!!こらっ!」

進藤が信じられないという顔で慌てて上半身を起こした。

「オマエっ…疲れてんだろ?!んなことしてるとまた睡眠不足にしちまうぞ!」

「いいよ。どっちみち今眠たくないし…、しようよ」

進藤の目がぎょっとなった。

「オマエなぁ…」

ちょっと考え出してる。

「はぁ…、やっぱダメだ。少しでも触ったら絶対数時間は開放してやれねぇ…。そしたらあっという間に日が変わっちまうぞ?」

「いいよ…別に」

「いや、ダメだ!早く寝ろ!」

…ちょっとムカついてきた。

まだ10時にもなってないし、進藤の為を思っていいって言ってるのに!


こうなったら―


「進藤!僕にだって性欲ぐらいあるんだ!キミがダメだって言うんだったら勝手にさせてもらうからな」

「勝手にって…、え…塔矢?!」

いきなり脚の上にのし掛かり、固定されたことに進藤が驚いている。

そのままズボンの上から進藤の脚の間のものに触れた―。

「塔矢?!」

やっぱりもう勃ってる…。

こんなになってるのにどうして我慢するんだろう…。

僕の体を気遣ってくれるのは嬉しいけど、今はもうそんなことどうでもいい―。

「と、塔矢っ…!」

ズボンのチャックを下ろして直接触ってみた。

あれ…?

そういえば初めて見る気がする…。

いつもは触られる側だったから、見たことがなかった。

急に顔が赤面しだす。

それに…

これからどうすればいいんだ…?

少し進藤の顔を見ると、ちょっと楽しそうに顔が緩んでいた。

口ではダメダメ言ってるけど、実際にはこれから僕がどうしてくれるのかわくわくしてるみたいだ。


くそっ


取りあえず…進藤がいつもしてくれているようなことをすればいいんだよな…。

確か―

もっとよく見ておけば良かったと思いながら恐る恐る手を動かし始めた。

少し指に力を入れて、たまに揉みながら上下に念入りに擦りあげていった―。

「―…ん…っ」

進藤の息がちょっと荒くなり始めて、気持ちよさそうにしてる―。

これで合ってるのかな…。

「とう…や…」

「え…?」

少し顔を上げると、進藤の顔が近付いてきて―そのまま口を塞がれた―。

「―…ん…っ、…はぁ…っ」

ちょっと深いキスをされて、僕の方も少し息が乱れた。

「手が止まってるぜ…?」

「え…?あ…ごめん」

掴んだままだった進藤のものをまた擦り始めた―。

何だかものすごく恥ずかしくなってきた…。

早く出してもらって、さっさとこんなの終わらそう―。

そう思うと更に手に力が入った。

「…塔矢…、口でしてよ…」


え…


耳元でそう囁かれて、思わず顔を上げると―指の先を唇に当ててきた―。

口で…しろ、と…?

ちょっとためらいながら―恐る恐る顔を近付ける―。

えっと…進藤はいつもどうしてたっけ…。

「…ん…」

先の方を少し口に含んでみる―。

意外と大きい…。

「歯…当てないで?」

「う…ん…」

何だかもう訳が分からない…。

ゆっくり唇を動かしながら―舌でも舐めてみた―。

「―…あ…」

進藤の気持ちよさそうな声が聞こえる…。

嬉しいけど…

一体何をやってるんだ…僕は―

少し自己嫌悪に陥りながらも、進藤が望むことなら…と我慢して続ける―。


「―…ふ…ぅ」

もういいかな…と口を離して、体を起こした―。

進藤の呼吸はますます荒れてるけど…まだ出ていない。

何が足りないんだろう…とまた手で揉み始めた―。

「…塔矢」

進藤が耳元で何かを促してくる。

でも何をすればいいのか分からない。

「…進藤、…僕…どうすればいい…?」



NEXT