●MEMORIES VALENTINE 3●
塔矢の部屋に移動したオレらは、まずはお互いの服を脱がし合った。
あの頃とは比べものにならない胸を直に見て、触ってみて、早くも興奮がピーク。
胸以外も予想以上に…キた。
何よりこの色っぽい表情がたまんない……
「進藤も大人になってる…」
「だろ?」
塔矢がオレの肩から鎖骨――胸に手を滑らせてきた。
乳首を摘まれると…ちょっと肩が揺れるぐらい反応。
くすっと笑った塔矢が、オレの胸に唇を落とした。
男の胸なんか吸って何が楽しいんだか…。
とか言いながらも、意外に気持ちいいかも?
コイツ……もしかして上手い?
「あ…進藤…」
中断。
塔矢を布団に押し付けて――その上に重なった。
我慢出来るぐらいの体重もかけて…抱きしめてみる。
もちろん口はチュー。
さっきみたいに激しくて貪りまくるエロいキスを繰り返した。
「――…ふ…ぁ、は…ぁ…は…」
「なぁ……本当にいいのかよ?」
「え…?」
「彼氏に罪悪感とか、ないわけ?」
「うん…彼氏なんていないから…」
「嘘つけ」
「じゃあ、進藤が彼氏になってよ」
「オレ…?」
「うん。今フリーなんだろ?」
「まぁ……そうだけど」
本気…か?
いやいや、そんなわけない……よな?
塔矢に試されてる?
「オレは…好きな奴としか付き合わないの」
「僕のこと嫌い…?」
「…別に嫌いじゃねぇけど…」
「僕は進藤のこと…好きだよ」
は?!
「……マジ?」
「うん」
「いや、嘘だろ。だって……さっきチョコくれなかったし」
「あげたじゃないか」
「あれは余りものだろ!」
「細かい男」
ああ?
何なんだよコイツ…。
どこまでが本当で、どこからが嘘なのかわかんねぇ…。
もう、いいや。
先にすることやっちまおう。
「……ぁ……進…っ…」
「塔…矢…―」
彼女の首筋に吸い付いて――胸にかけて跡をつけていった。
もし、本当に彼氏がいるなら絶対にキスマークは嫌がると思った。
でも、嫌がるどころか感じてくれてるコイツは……もしかしたら本当に今はフリーなのかも?
「あ…ん…っ、…ぁ…っ」
「………敏感なんだな」
「……え…?」
「7年前は…こんな声出してなかった。他の男に調教されたわけだ?」
何だか胸がもやもやした。
くそっ、ムカつく……
「……悪い?」
「…別に。でも、本当に彼氏はいないみたいだな」
「うん……別れた。キミが今日…ここに来るって決まった日に…」
は……?
「なん…で?」
「……キミが好きだから」
え……?
「…知ってる?僕…辛かったんだよ?7年前…キミが告白してきた女の子と付き合い始めた時…。僕とあんなことしたのに…他の子と付き合うなんて信じられなかった…」
「は?オマエとのあのエッチに…んな深い意味ないだろ?どちらかと言うと若気の至りに近かったじゃん」
「僕が何とも思ってない男に初めてをあげるわけないだろう?」
塔矢の目から涙がこぼれた。
そう…だよな。
この塔矢が…何とも思ってない男と寝るなんて……
「ってオマエ、あの時もオレのこと…好きだったのか?」
「ずっと好きだよ…。でももし今日告白してダメなら…思い出だけもらって…もう諦めようと思ってる」
「思い出…?」
「今…僕らがしようとしてることだよ」
「え」
オレは慌てて塔矢から離れた。
やっべ…このまま抱いたら塔矢に諦められるところだった。
そんなの……嫌だ。
だってオレ……だって……
「オマエを……手放したくない…し」
「じゃあ…付き合ってくれる?」
「付き合ったら…オレのものになる…?」
「うん……キミだけのものだ」
「………」
起こした体を…また元の位置に戻した。
塔矢の真上。
この顔も…この髪も…この胸も…この体全部がオレだけのものになる…?
ついでにコイツの心も……
「塔矢……」
もう迷いはなかった。
オレは塔矢を彼女として抱くことに決めた――
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