MEIJIN 57〜精菜視点〜





(佐為…、そろそろかな…)



ご飯も食べて、お風呂にも入って、既にパジャマ姿で準備万端な私はドキドキしながら彼の到着を待っていた。

昼間最後まで出来なかった私達。

すごく中途半端なところで終わってしまったから、検分中も前夜祭中もずっと体がムズムズしてしまっていた。


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30分過ぎになってようやくピンポーンとベルが鳴る。

覗き穴を確認すると、私服に着替えた佐為だったので、誰にも見つからないうちに手早く部屋に招き入れる。



「食事会、私服で参加してたの?」

「ううん、シャワー浴びて来たから。今さっき着替えた」

「そう…」


シャワーということは、佐為も既に準備万端ということだろうか。

部屋の奥まで移動した瞬間に、彼に抱き締められる――

耳元で「さっきの続きしていい…?」と囁かれる。


「うん…、もちろん――…ん……」


もちろんいいよ――と言う前に、キスされて言葉を掻き消される。

二人とも無我夢中で口内を探り合う。


「…んん…、ん……」


会って数秒でこんなことをしてる私達には、余裕がない。

早くしたくてしたくて堪らない。

まるで発情期の動物だ。


「……は…、精菜…」

「…佐為…、ぁ……」


口を離した後、今度は頬に、耳に、そして首筋にキスしてくる彼。

ベッドに移動して、私のパジャマのボタンに手を伸ばしてくる。

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1つ外されるその時間が勿体なくて、私の方も彼のシャツのボタンに手をかけた。

お互い服を脱がしあって、裸になったところで体をベッドに横たわらせる。

上に乗ってきた彼は、今度は私の胸を触りだす。


「…ぁ…、は……」


先端の周りを舌で舐められる行為が一番感じる。

もちろん先端自体もいいのだけど、私はそっちの方が好きだ。

私のどこをどうすれば感じるのか全て知り尽くしてる彼は、もちろん周りをたくさん舐めてくれる。

また自分の下半身から溢れ出してくるのを感じる。

きっと、もう慣らさなくても大丈夫なくらい濡れてる気がする。

それでももちろん佐為はいきなり挿れたりはしない。

私の濡れ具合を確認して、更に指で攻めてくる。


「…は…、ぁ…ん、…ぁ……」


早く欲しい。

早く入れてほしいと急かしてしまうのは、やはり昼間のことがあったからだろうか。

また邪魔が入る前に、さっさとしてしまいたい。


「佐為…、も…、挿れよ…」

「うん…」


同意してくれた彼が一旦離れて例のものを付け出す。

この時間がすごく焦れったい。

でもこの時間も意外と好きだ。

この後起こる快楽への期待を更に高めてくれる。


「精菜…」


戻って来た彼が直ぐ様場所を確認して、押し込んできた。


「…ぁ…っ…」


充分に濡れてるから、最初から奥まで入る。

3
週間ぶりのこの行為はめちゃくちゃ気持ちいい。

きっと毎日するより、絶対気持ちいい。

普段から京田さんと体を合わせまくってる彩は、きっとこの良さを知らないと思う。


「…ぁ…、ん…ぁ…、は…、佐…為…、気持ち…い…」

「…う…ん、…僕、も…」


動く度、奥に突かれる度にベッドが軋む。

その音すらも私の快感を高めてくれる。

でも、とても残念だけれど、久しぶりな私達は余裕がなくて、長時間は楽しめない。

あっという間に限界が来る。

あっという間に上り詰めてしまう。


「…精…菜、ごめん…、もう…」

「うん……私…も…」


体が弓なって、頭が真っ白になる。

彼の方も動きが止まる。

互い息が荒くなる。


「…は…ぁ…、佐為…」

「精菜…」


まだ呼吸が収まらない口にチュッと素早くキスされる。


「好きだよ精菜…」


優しく微笑まれる。


「うん…、私も、大好き」

「ちょっと休憩したら、もう一回しようか…」

「うん…、賛成…」




一回どころか、その後2回目3回目を楽しんだ私達。

12
時前になって、佐為が

「あ…、ヤバい。10時までって芦原先生に言われてたんだった…」

と思い出したように呟く。


10時?」

「精菜を寝不足にしないようにって」

10時に寝ろって?やだ芦原先生、私普段でも寝るの12時くらいなのに」

「じゃあ今から寝たら普段通り?」

「そうだね…、寝ちゃってもいい?」

「いいよ。でも、起きたらもう一回したいな…」

「えーどうしようかなぁ…」

「じゃあ今しようかな…」

「えー、ふふふ…」



結局もう一回してしまい、朝起きてからもイチャイチャしてしまい


対局開始前に仲良く欠伸をする私達を見た芦原先生が

「佐為君、人の話聞いてた?」

とキレてたのは言うまでもない話だ――



 

 

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