MEIJIN 55〜精菜視点〜





『またのご搭乗心よりお待ちしております』



羽田空港を出発してから約1時間20分後、香川県の高松空港に到着した。

もちろん私は来るのは初めてだ。

荷物が出てくるのを待ってると、一緒に乗り合わせた女性客の視線が一方向に向かってること気付く。


「アレ進藤十段だよね」

「一緒の飛行機だったんだ、ラッキー」

「大盤解説楽しみ過ぎるよね…」


どこに行っても噂され、隠し撮りされている佐為。

ファンから見ればメガネにマスクはもはや何の意味もなかった。

今は片手で携帯を弄ってる佐為だけど、そんな姿も彼女らには新鮮に映って絵になるんだろう。



ピロン


私の携帯にLINEが届く。

誰だろうと見てみると佐為からで驚く。


『ちゃんと飛行機では寝てたよ』

と報告をくれる。

エライね!のスタンプを送ってみる。

ふふ、一定の距離を取らなくちゃいけなくても、こんな風にやり取り出来るのは嬉しくて顔がニヤけてしまった。


『これで夜更かししても大丈夫』

ともう一文送られてくる。

『抑えてね』

『もちろん』


キャアキャア言われてる佐為が、恋人にこんなエッチなLINE送ってる最中だなんて、彼女達は夢にも思わないんだろうな…。

 

 

 

 



高松空港から送迎バスで移動すること30分。

対局場である高松駅前のシティホテルに到着した。

ここからは中継ブログ用に私やおばさんも写真をパシャパシャ記者に撮られていく。


チェックインはまとめて既に終わっていて、到着後すぐにルームキーを渡される。

荷物を部屋に置いて少し休憩したらすぐに検分があるからだ。

対局室は5階で、前夜祭と大盤解説会場は3階、そして私の客室は18階だった。


客室までの移動中にも佐為からLINEが届く。

『何号室?』と。

1801』と返すと、『了解』とすぐ返ってくる。


ドキリとした。

一体いつ来るつもりなんだろうか。

やっぱり前夜祭が終わって解散になった後かな?

でもその後関係者の食事会もあるから、その後?


部屋に着いて荷物を解いていると、ピンポーンとベルが鳴る。

誰だろうと覗き穴で確認すると――佐為?!

ガチャリとドアを開ける。


「もう来たの?」


誰かに見られないよう招いて急いでドアを閉める。


「検分1時間後だろ?」

「そうだけど…」


早速私の体を抱き締めてくる。


「精菜…」

「――…ん……」


早速キスされる。

1
週間ぶりのキスにもちろんすぐに私も夢中になって、次第に舌をも絡め合う濃厚なキスになる。


「…んん…、…ん……」


私達のすぐ横にベッドがある危険な状況。

検分もこのままの格好で参加しようと思ってるのに、今にも押し倒されてしまいそう…。


「――…は…、佐…為…、ダメだよ…、今は…」

「分かってる…」


唇を離した後、ベッドに座らされる。

私を抱き締めたままチュッチュと頬に…、首筋に…、キスを落としてくる。


「生理終わった…?」

と耳元で甘い声で尋ねられ…、体がゾクリとなる。


「うん…、終わった…」

「そう…」

よかった…、と耳たぶを甘噛みされる。


「佐為…、ダメだよ…、これ以上したら、検分に遅刻しちゃう…」

「少々いいんじゃない?」

「ダメだよ…、ぁ…」


首筋を舐められて…、胸も揉み始めた彼。

前回エッチしてから既に3週間が経ってる私達。

佐為はもう我慢の限界なんだろう。

そういう私もだ――


「服…、先に脱いでいい?シワ付けたくないから…」

「もちろん」


脱がしてあげるよ、と上着を直ぐ様脱がされる。

ブラウスのボタンを一つ一つ丁寧に外してきたので、私も彼のネクタイを解きにかかる。

お互いスーツを脱いだ後、下着姿で再びベッドの上でキスし始めた


「んん……、ん…、ぁ…」


同時に胸も揉まれ、先端を指で弄られる。

気持ちいい…。

触られれば触られるほど、弄らるほど、どんどん気持ちよくなっていく。

下も勝手に濡れてくる。

もっともっと触って、めちゃくちゃにしてほしくなる。


「……ぁ…」


ベッドに体を倒される。

チュッチュと首筋から鎖骨…、胸の谷間にもキスしてきて。

そして舌で乳房を舐め始めてきた。

もちろんすぐに先端も舌で弄られて……吸われる。

舌で転がされる。


「…ぁ…っ、佐…っ――」


いつの間にかとっくにキャミもブラも脱がされていて、あとはショーツ1枚だ。

胸を弄りながらそのショーツにも手が伸びてきて…、先端を擦られてビクッと足が震える。

隙間から侵入した指に、直に愛液が溢れ出す秘部を探られる。


「…ぁ…、ん…」


自分がものすごく濡れてるのが音でも分かる。

その音がまた私達の性欲を刺激する。

早く一つになりたい。

もう挿れてほしい。


恐らく気持ち的にも我慢の最高潮に達したその時――

 


ピンポーン


とベルが鳴った。


当然私も佐為も固まる。




(誰……?)




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