MEIJIN 32〜佐為視点〜





他の学校がどうなのかは知らないけど、海王で性教育を受けるタイミングは2回ある。

1
回目は小学6年の春。

生理や精通など体のしくみについて学ぶ授業だ。

何をどうすれば子供が出来る、という妊娠についても生物学的に説明される。


2
回目は高校1年の夏。

こっちのメインはほぼ避妊ついてだ。

クラスメートの多くに彼氏彼女が出来てくるタイミングに合わせて、外部講師まで呼んで行われる本格的な講義。


衝撃だったのは……DVDで見せられた高校生で妊娠してしまった女の子の末路だ。

中絶や退学という文言は、真面目な進学校に通ってる僕らには何より心に響く。

どんな避妊方法でも100%はありえない。

やはり一番の避妊方法は性行為自体をしないこと……らしい。

 


「ほな進藤が正しいってことやな。緒方さんが高校生になるまで我慢するんやろ?」

講義後の休み時間に、西条が小声で聞いてくる。

「はは…さっきのドラマ見てたら高校でも早い気がしてきたよ」

「そやなぁ。ほな緒方さんが高校卒業するまで我慢する?」

「まさか。でもそれが狙いなんだろ?さっきの講義は」


今高校一年の僕ら。

このクラスで恋人が既にいる割合はどのくらいだろう。

チラリと教室を見渡して計算してみる。

30
人中…西条や僕を含めて123人といったところか。

内、既に体の関係を持ってしまってる子は半分以上だと思う。

普通は付き合って3ヶ月やそこらでしてしまうものらしいのだ。

もちろん西条のように初デートでしてしまうカップルも少なくない……らしい。

僕と精菜のように、付き合って5年も経つのに健全な交際を続けている人達なんてきっといない。


(いや、全くの健全ではないか……)


つい最近――ほんの3日前の僕らの放課後デートの様子を僕は思い返してみた――

 

 



――――――――――――――――――――

 


「佐為♪いらっしゃ〜い」

「お邪魔します」


僕らのデートはここ最近は専ら精菜の部屋だ。

この日も緒方先生はタイトル戦で留守。

精菜の母親も最低でも夜9時までは帰ってくることのない二人きりの時間。


「でね、彩ったらまた京田さん連れてコラボカフェ行くってって言うんだよ。京田さんも興味ないのに大変よねー」

「精菜も僕と一緒にどこか行きたい?」

「んーー」


精菜が首を傾げて考え出した。

「……やめとく。佐為と出かけると目立つもん。周りの目ばっか気になって疲れるし」

「そこまで気にしなくてもいいと思うけど…」

「忘れたの?この前一緒に棋院に行く途中だって、女の子達から声かけられて写真攻めにあってたじゃない。結局着くまで距離取って歩くハメになったし」

「…ごめん」

「外よりここで一緒にお喋りする方が私はいい」


ベッドに並んで座ってる僕ら。

精菜が僕の肩に頭を凭れ掛けてきた。

左手を取られ、恋人繋ぎをして指を絡めてくる。

その絡め方が擦り寄ってるというか何だかイヤらしくて。


(これって誘われてるのかな……)

と勘繰ってしまう。

というか、誘われてるんだろう。

今中学2年の精菜。

クラスメートにもチラホラ彼氏彼女が出来てきてるらしい。

今までは僕に付き合ってくれてる感じだったけど、ここ最近は精菜自身にも性に興味が出てきてるように思う。


「佐為…」


精菜が目を閉じて顔を近付けてきた。

もちろん拒否なんてするわけない。

彼女の可愛い唇に自分のを重ねて、直ぐさま応じてやった。


「――ん…、ん…っ」


もちろん初めてキスをした小5の時とは違う、大人のキスだ。

お互いの唾液が混ざり合うぐらい夢中になって何分も舌を絡め合う

いやらしすぎて理性が遠のきそうだ。

精菜も僕の気持ちを読み取ってるのか、いつの間にか首の後ろに回した腕を、グッと自分の方に引き寄せて、身体を倒してきた。

彼女を上から見つめる状況――もちろん至近距離で。


「佐為…、好き…」


と甘い声で誘惑してくる。


「精菜…」


勝手に自分の手が彼女の胸を揉み出す。

最初は服の上から、すぐに隙間から侵入してブラの上から。

更にブラの隙間から乳首に指を這わす。


「…ん……」


2本を使って転がして、摘んで。

服と一緒にブラを捲って露わにしてからは、唇を使って刺激を与えていった。

周りを舐めて先を吸って。

舌でも転がして再び吸って。


「は……気持ちい…」


胸に刺激を与えれば与えるほど精菜が下半身をくねりだす。

触って、とアピールしてくる。

お腹に太ももに、ゆっくりと擦りながら右手を移動させて、既にスカートが捲れて露わになっている下着の中心に指を這わせた。


「…ぁ…ん……」


湿っているその場所は彼女の愛液で色が変わっている。

下着の上から円を描くようにクリを刺激して、その下の溢れ出す元凶の一番大事な場所も上下に擦る。


「佐…為…、そこ…、ダメ……」

「ダメ?」

「ダメだよ…、挿れたく…なるもん…」

「それはダメだな……」


とか口では答えつつ、下着の隙間から侵入して直に触ってやった。

くちゅくちゅと鳴る淫乱な音が、僕の思考を悪い方向へ導こうとする。


――挿れたい――

この温かい泉の中に、自分の分身を押し込みたい。

出し入れして彼女の中を感じたい。

感じてもらいたい。

指の先をちょっとだけ入れてみると、彼女の脚がビクンと強張った。


「…ぁ、…佐為、…ダメ……」

「指だけ…」

「うん…、ごめんね…」


早く高校生になりたい。

佐為と一番深いところで繋がりたい――彼女はいつもそう謝ってくるけど、謝る必要なんてこれっぽっちもない。


辛いけど。

ものすごく我慢を強いられてるけど。


「楽しみは先に取っておかないとね…」

「ふふ…」

 



さて。

彼女の下半身を弄りながらも、自分の都合もそろそろ考えなくてはならない。

既に張り詰めて限界を迎えている僕のモノを、今日はどうやって解放しようかという話だ。

もちろんこのエロい彼女の姿を見続けるだけでも達することは出来る気がするけれど。

また素股にするか……触ってもらうか……


「ん…、佐為…、そういえば私、彩のマンガで良さそうなの見つけたんだった…」

「え?」


彼女がムクッと身体を起こしてくる。

そして僕の下半身に手を伸ばしてくる。

カチャカチャとベルトを外され、ズボンを引き抜かれる。

下着の上から触られたかと思うと、すぐにズラされ兆しまくってるソレを露わにされる。

 

 


―――え?


 

「せ、精菜…?!」

「こうするんでしょ…?」


精菜が僕のモノを掴んで――ペロッとひと舐めしてきた。

驚きを通り越して頭がパニックに陥る。


「ど、どこでこんな…っ」

「え?だから彩のマンガで…」


自分の妹は一体何を読んでるんだろうかと目眩がした。

どう考えても18歳以上でないと本当は読んではいけない類のものだろう。


「精菜、そんなことしなくていいから…っ」

「…嫌だった?」

「嫌とかそういう問題じゃなくて…っ」

「じゃあどういう問題?」

「それは……」


精菜が明らかにシュンとなる。

僕の為を思って挑戦しようとしてくれるその姿勢は嬉しい。

でも、やっぱりこういう行為は流石にまだ中2の女の子には早いと思う。


「無理しなくていいから…」

「無理なんてしてない。佐為が喜んでくれるなら私、なんだって出来るもん。セックスだって今すぐ出来るよ」

「精菜……」


彼女の目は真剣だった。

そんなの……分かってる。

初めて触り合ったあの小5の時から、精菜はそう言っていた。

高校生まで待ってもらってるのは全部僕の都合だ。



「じゃ、、舐めてもらってもいい…?」

「いいよ、もちろん」

「その代わり……僕も舐めていい?」

「……え?」


フェラの知識はあっても、69の知識はなかった彼女の手を取って――その姿勢へと導いた。

精菜が僕の上で戸惑いながらも、恐る恐る再び僕のモノに触れて……ペロッと舐めてきた。

まるでアイスを舐めるようにチロチロと舌を動かしだした。

そして僕も――目の前の彼女の秘部に舌を這わした。


「……あっ、…や…ん…っ、佐…っ」


指でクリを弄りながら舌でアソコを舐めて、溢れてくる愛液を舌で掬って啜って。

想像以上の恥ずかしさなのか、気持ちよさなのか、彼女の口は喘ぎ声を出すことに忙しくなり、奉仕することを忘れている。


「あん…っ、やだ…っ、ダメ…っ、――ぁ…っ」


彼女の力が一気に抜け、脱力した。

この荒い呼吸は彼女がイった証拠。


「そんなに気持ちよかった?」


と意地悪く聞くと、顔を真っ赤にした彼女が僕のモノに再び触ってきた。

今度は先のカリの部分を舐めてきて、竿をニギニギと優しく握ったり離したり。

不慣れで下手で、でも一生懸命さが伝わってくるその愛撫に――僕も沈没した。


「――…っ、あ…、ごめん精菜…」

飛び出した僕の精液が、彼女の口許にかかる。

急いでティッシュで拭ってあげながら――僕らは視線を合わせた。


「佐為…、好きだよ…。どんな佐為だって大好き…」

「精菜…」


僕だって同じ気持ちだ。

ずっとずっと、ずっと前から同じ気持ちだ。


「でも、やっぱり早く一つになりたい…」


それも同じだ。

僕は彼女の頭を優しく撫でて、額にキスをして――


「あと1年半の我慢だから…」

「うん…」


そうして精菜のお母さんが帰ってくるギリギリまで、僕らは抱きしめ合って残りの時間を過ごしたのだった――

 

 



――――――――――――――――――――


 


うん、全く健全ではないな!と思い返してもそう思う。


「どしたん?進藤」

「いや…、挿れなくても充分満足出来るよなって思って」

「はい?」

「西条もたまにはスキンシップだけで終わったら?いいものだよ。妊娠の心配もないしね」

「……まぁ、痩せ我慢やな」

「まぁね」


次の授業が始まった。

精菜が高校生になるまであと1年半。

痩せ我慢でも何でも、僕は今までの関係を続ける意思に変わりはない。

次はいつ精菜の家に行こうかなと、真面目に授業を受けながら長考する僕がいた――

 

 

 

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