●MEIJIN 26●〜精菜視点〜
深くて甘いキス。
私は今、佐為の部屋に付いている内風呂に入っていた。
2畳はある大きなこの檜風呂は、きっと4人家族でも充分に入れる
そこに佐為と二人で入って、彼に跨った状態で早速私達は口内を探
既に5分は経過中。
(のぼせそう……)
佐為の両手が私の胸を弄り、乳首を弄られる。
気持ちよさでどんどん気分が高まってきて……トロンとしてくる。
「……は、…佐為…」
「精菜…」
彼の唇が私の胸に移動し、今度は舌で攻められる。
「…ぁ、…やん…」
佐為とこんなことしてるってバレたら、あのファンの女の子達はど
まだ17歳の高校生で、世間的にはフリーの設定の佐為。
きっとあの子達は佐為のことをまだ童貞だと思ってるのかな。
囲碁にしか興味ない真面目でカッコいい男の子――それが世間が持
「…ぁ…っ…」
でも実際は全然違う。
小学5年生の時から彼女がいる彼は、小5で既にキスを経験してい
女の子の体に触ったのも中学1年生で、最後まではしてないものの
彼女達は私が体を使って佐為を誘惑するかもと危機感を覚えてるん
だって、長い時間をかけて私の体をこんな風にエッチに開発したの
「……は、…佐為、熱い…」
「ん…、確かに。一旦休憩する…?」
「うん……」
私の秘部に挿れてた彼の指が抜かれる。
「ふう…」と、お互いお風呂の縁に座って休憩する。
のぼせそうで湯船から出たものの、彼に弄られて準備万端にされた
彼の性器も苦しそうなくらい上を向いていた。
チラリと硝子戸の向こうを見る。
私の部屋と違って和洋室な彼の部屋には、セミダブルサイズのベッ
(早くあっちに行きたいな……)
私の視線の先に気付いた佐為が、「向こう行こうか…」と私の肩
「うん…」
ベッドに移動後すぐに体を倒された。
もう一度キスされて、体を探っていく彼。
しばらくしたところで「いい…?」と耳元で確認された。
「うん…、来て」
一度体を離した彼が、例の避妊具を取り付けている姿が目に入る。
……どうして持ってるんだろう……
「…佐為って、いつもソレ持ち歩いてるの?」
「え?」
この前の第1局の時も思った。
私達が会うことを決めたのは直前なはずなのに、佐為はどうしてい
もしかして常に持ち歩いてるのだろうか。
昔何かの雑誌かマンガで読んだことある。
大人の男の人はチャンスを逃さないように、財布とかに常に1個は
佐為もそうなのだろうか……
「いつもというか…、精菜がいる時は一応準備はしてきてるよ」
「…私がいる時だけ?」
「当たり前だよ」
だから第1局は準備し、第2局は持っていってないと。
第3局も準備して、次の第4局の京都対局は精菜が来ないから持っ
「そうなんだ…」
何だかちょっと嬉しくなった。
彼にギュッと抱きつく。
「大好き…佐為」
「僕もだよ…」
好きだよ精菜。
ずっと。
一生。
誰よりも――そう耳元で甘く囁いてくれた後、彼は自分の欲望を私
「――…あ、ぁ…っ」
3週間ぶりに彼を中で感じる。
ちょっとだけ目を開けて、姿を盗み見た。
私を悦ばせようと巧みに動く姿は、苦しそうでもあるけど色っぽく
「…精菜…?」
私に見られてたことに気付いた彼。
チュッっと首にキスされる。
と思ったら痛みが走る。
痕を付けてきたらしい。
「佐為…、駄目だよ。お父さんや芦原先生に見つかったら面倒なこ
「ふぅん…」
すると今度は胸元にも付けてきた。
ワンピースとか着たら確実に見える場所に。
「佐為…?」
「…芦原先生と卓球してるところ見たよ」
「…うん。ごめんね?」
「あんなに体密着させて、触らせて…。芦原先生に殺意が湧いたよ
「べ、別に芦原先生に他意はないと思うよ?私なんて娘さんと年変
「そういうことじゃないから」
佐為は口元だけ笑っていた。
彼の目は全くもって笑っていない……
「精菜に触れる男は例え父親でも許さないから」
「…お父さんにまで嫉妬するの?」
「もちろん。僕のものに触れてくる野郎は例え身内でも許さない」
「……そう」
嫉妬深い彼氏だ。
でも、不思議とものすごく嬉しかった。
勝手に顔がニヤける。
僕のもの…だって。
最高じゃない?
「お父さん、後悔してたよ?何で新初段シリーズの時、賭けてしま
「今更後悔しても遅いよ」
「ふふ…、そうだよね」
動くのを再開してくる彼。
そのスピードはどんどん上がっていって、激しくなって、私を悦ば
あまりの快感におかしくなる。
「……あ……佐…為、…もう…、ダメ……」
「うん…、一緒にイこう…?」
「うん…、あぁ…っ――」
「……は……」
頭が真っ白になる。
佐為の方も脱力して私に体重を乗せてきた。
この重みがとても心地いい。
ぎゅっと背中の後ろに手を回して抱きついた。
「佐為…、大好き。ずっと一緒にいてね……」
「もちろん…」
「ずっと傍で応援するからね…」
「うん…、僕もだよ」
第4局は10日後。
その前に私とおばさんの女流本因坊戦がある。
死ぬ気で粘って、佐為をアシストしようと思ったのだった――