●MEIJIN 10●





「へぇ…温泉でそんな話してたんだ」

「うん。楽しかったね〜箱根。また行きたいね」

「今度は二人で行こう」

「うん……そうだね」



お互い髪も体も洗い終わって、再び一緒に湯船に浸かった。

もう一度佐為の脚の上に座らされる。

ゆっくりと顔を近付けて……再びキスをし始めた。


「――…んっ、…ん…んっ、……ん」


絡み合う舌。

心地よくて気持ちよくてイヤらしくて……キスだけで気持ちがまたどんどん盛り上がってくる。

お湯の中にいるのに下半身が濡れてきた気がする。

佐為も同じなのか、明らかに固くなって兆してきていた。


「……は…ぁ……佐…為……」

「精菜……」


キスを解いた後、彼の唇は私の首筋に…そして胸元に移動した。

胸をまさぐられ、先端を吸われ、舌で弄られる。


「……ぁ…ん…、…ぁ…っ…」


気持ちいい。

もっともっと触ってほしい。

好きなようにしてほしい。


でも……また我慢出来なくなってくる。

早く一つになりたいと思ってしまう。

きっとそれは彼も同じなんだろう。


「精菜…僕の部屋に戻ろうか」

と耳元で甘く囁かれた。

「うん…」




一緒にバスルームを出て、無言で体をバスタオルで拭く。

そして下着を着けようと手を伸ばしたところで、彼に阻止される。


「どうせすぐ脱ぐんだから着なくていいよ」

「う、うん…」


とりあえず体にバスタオルを巻き付けた後、鏡前のイスに座るよう促された。

佐為が手早く私の髪をドライヤーで乾かしてくれる。

「本当は乾かす時間も惜しいんだけど…」

と苦笑いしていた。


「私も佐為の髪…乾かしていい?」

「え?いいけど…」


私の髪がある程度乾いた後、交代して今度は私が佐為の髪にドライヤーをあてる。

そういえばこんな風に彼の髪に触れるのは初めてな気がした。

さらさらで…クセなんて全然なくてすごく綺麗だ。



「精菜、もういいよ。そろそろ上に行こう」

「うん…」


手を繋いで一緒に脱衣場を出た。

バスタオル1枚で人の家を歩くのは何だか緊張する。

佐為の部屋に着いた後、ベッドに座るよう促される。

彼は念の為部屋のカギをかけていた。

「誰も帰って来ないとは思うけど、一応ね」と。


「ふふ…今頃彩も京田さんとエッチしてるんじゃない?」

「…かもな」


家族のそういうシーンはあんまり想像したくないんだけど、と嫌そうな顔をしながら私の横に腰掛けて来た。

肩に手を回されて…抱き寄せられる。

チュッと頬にキスされる。

そして巻き付けているバスタオルの上から胸を揉み始めて来た。


「…そういえば彩、温泉で京田さんが全然手を出して来ないって愚痴ってたよ…」

「へぇ…」

「いつも誘うのは彩の方なんだって」

「そうなんだ…」

「もしかして進藤家の人って性欲が強いのかなぁ…」

「僕も進藤だよ」

「うん…だから、佐為も結構強いよね…」

「嫌?」

「ううん…まさか」


むしろ大歓迎だよ――その言葉は佐為の口付けでかき消された。

ベッドに体を倒されて、濃厚なキスをしながら…バスタオルなんてあっという間に剥ぎ取られる。


「――…んっ、…ん…ん…っ」


次に彼が手を伸ばして来たのは私の下半身。

既にかなり濡れている私のアソコは、いとも簡単に彼の指を受け入れてしまう。

イヤらしい音が部屋に響き渡り、その音が更に私達の興奮を掻き立てた。


「……ぁ……佐…為…」


キスを解いた後、彼が下に移動していった。

脚を拡げられて、丸見えにされて、羞恥心が私を襲う。

もう挿れるのかな…とドキドキ期待していたら、秘部に触れたのが彼の舌で驚く。


「…ひゃ…ぁ……佐……っ」


生暖かいものが縦横無尽に動き回る。

こそばゆくて、でも信じられないくらいに気持ち良くて、もう訳が分からなくなる。

今にも達してしまいそうだ。

でも――イク寸前で離される。


「はぁ…は……佐…為……」

「もう挿れて欲しい?」

「うん……欲しい」

「いいよ…」


直ぐ様ゴムを装着した彼が、再び私の下半身に移動する。

そして一気に私を貫いてきた。


「――…ぁ…ん…っ、ぁ…っ…」


約一ヶ月ぶり、まだ4回目の彼とのセックス。

お風呂で一度出したからか、佐為の方には少し余裕があって、巧みに何度も突き上げられる。

激しく出し入れされる。

滅茶苦茶気持ちいい。

こんなにもセックスが気持ちいいってことを知ってしまった私達は、きっと触り合うだけで満足していた頃にはもう戻れない。

これからはこっちの気持ちよさをどんどん追求していくんだろうなって思う。



「……は……佐…為……」

「精菜…、一応訂正しておくけど、僕は別に単に性欲が強いわけじゃないからな…」



え…?



「好きな人への愛が止まらないだけだよ…きっと父も彩も」

「……」

「好きだよ精菜…」

「佐為……」


彼の動きが再開する。

彼を身体中で受け入れながら……私は感動していた。


愛が止まらない――なんて素敵な言葉なんだろうと。


確かにおじさんのおばさんへの愛は誰がどう見ても永遠級だ。

彩が一生京田さんだけを愛し続けるだろうってことも、親友として側で見ていて分かりきっている。

そして佐為も――



「――…あ…ぁ…ん…っ…」

「…は……っ、…精…菜…っ」


お互い達した後、まだ荒い呼吸を繰り返しながらも私は彼にぎゅっと抱き付いた。


「私も大好きだよ…佐為…」

「精菜…」

「ずっと傍にいるから……ずっと横で応援するからね…」

「うん…ありがとう」

「名人戦も頑張って…」

「うん……もちろん」


甘いキスを何度も繰り返して、抱き締めあって。

そして私は初めて彼の部屋で眠りについたのだった――







CONTINUE!

次からやっと名人戦が始まるよー