●TIME LIMIT〜結婚編〜 3●
「―あ…っ、ん…進…藤――」
「…塔…矢…っ―」
結婚して以来、セックスをしてから寝るのが日課になってる僕ら。
毎晩進藤は容赦のないぐらい求めて来て……お互い脱力するまで交わり続ける。
きっと僕らは今が一生で一番セックスを楽しんでる時期なんだと思う。
もちろん避妊はしてないから、子供が出来るまでのわずかな時間の楽しみ。
いや、正確には出来たと気付くまでの…かな。
きっと僕らのことだから1ヶ月もし続ければ…僕は身ごもるだろう。
――生理が来ない――
でももう少しこの瞬間を楽しみたいから…わざと気付かないフリをする。
きっと遅れてるだけだよねって。
でもこういうことに対しては進藤は鋭い…。
「そういやオマエ…生理ないな」
とすぐに病院に引っ張って行かれた。
診断結果は
『5週目』
「やったな」
と喜んでくれるキミ。
僕も嬉しい。
…だけど子供が産まれるまで…いや、その後セックスが復活出来るようになるまで、あと何ヶ月我慢すればいいんだ?とそっちを計算してしまう僕は……最低だ。
アバズレだ。
だけど一ヶ月ちょっとの営みでは、まだまだ僕の欲求は満たされないんだ。
キミだってそうだろう?
お互いを思うばかりに、9年以上も禁欲してたんだから――
なら避妊すれば良かったのに…と言われるかもしれないが、それはもっと嫌だ。
今お腹にいる子が産まれる頃には僕も30…。
渋ってたら…チャンスを逃して、あっという間に産めない歳になってしまうかもしれない。
歳を取れば取るほど年々出来にくくなるって言うし…
体の負担も大きくなるし…
はぁ…―
「お。この本には妊娠中も出来るって書いてあるぜ?」
「そうなのか…?」
「うん。中期ぐらいまではオッケーだって。あんまり奥には入れない方がいいみたいだけど…」
進藤が読んでるのは妊娠中のあれこれを説明してくれてる本。
セックスに対することも書いてあるらしい。
「激しく突き動かしたりするような動きは避けましょう、だって。ソフトにゆっくり楽しみましょう…って、すごいこと書いてるなこの本。ま、つまり優し〜く抱くんだったら少しぐらいはOKってことだな」
「キミには無理じゃないのか?」
「んなことねーよ。しようと思えば出来るって。早速試してみようぜ♪」
「……うん」
直ぐさま寝室に向かった僕ら。
真っ昼間だけど…カーテンを閉めれば問題ない。
それに昼間の方が千明が学校に行ってる分、色々都合がいいんだ。
「ごめんなー。ちょっとママに触っちゃうな」
と進藤はお腹の子に謝って僕を触れ出した。
「―…ぁ……」
首筋にキスされ…舌で舐められるだけでも感じる僕。
優しく優しく…ということで、彼は下半身以外を重点に弄ってくる。
特に胸は僕の急所。
揉まれて舐められて吸われて…すごく気持ちいい…―
「…あ…っ―」
そしてついに下半身にも手を伸ばして来た彼。
膝頭から太股へずっと舌でなぞってきて…局部にも唇が触れた―。
「やっ…、…ぁ…ん―」
「妊娠中でも濡れるんだな…」
秘部を指で少しずつ擦ってきた。
中にも遠慮気味に入れてくる―。
「あっ…ぁ…」
「大丈夫そう…?」
「ん…、わ、分から…ない…」
「いつもとあんまり変わらねぇけど…」
指でさえ奥までは入れずに、入口だけを重点に弄ってくる―。
「ぁ…っ、は…ぁ…―」
「オレもう限界…かも。挿れるな…?」
「ん…」
いつもは付けない避妊具を付けてくれる時点で…もういたわってくれてる証拠だよね…。
僕の中に余計なものが入らないように…って。
「あぁ…っ―」
数週間ぶりに中で感じる彼の存在。
やっぱりすごく心地いい…。
気持ちいい…―
「うわっ…怖ぇ…。気抜くと奥まで入っちまいそう…」
「少しぐらい…いいんじゃないか…?」
「いや、止めとく…」
「そう…」
でもこれ…ある意味生殺しじゃないか…?
奥まで挿れれない。
動けない。
本当にただ繋がってるだけの状態だ…。
「塔矢…好きだよ…」
「ん…何…?急に…」
「分かんねぇけど…急に言いたくなった…」
「そう…。僕も…好きだよ」
欲望のままに動けなくても…気持ちは通じあってるから、ただ一緒にこうしてるだけで幸せだ…―
「塔矢…―」
「…ん…っ…」
優しくキスして…ついばんでくるキミの唇は最高…。
「…っ…一回抜くな…」
「うん…」
微妙に先だけで出し入れを繰り返し…気持ちを高めていく――
「あっ…、いき…そう…」
「ん…、オレ…も」
僕の方が達した瞬間に…進藤は抜いてくれた。
「はぁ…は…ぁ―」
「塔矢…―」
「ん…―」
進藤が優しく口にキスしてくれる。
「やっぱ…ちょっと怖いな。しばらくは我慢するか…」
「うん…そうだね」
お互いもっとしたいのは山々。
でも彼が僕と子供の為に我慢してくれるんだから……僕も我慢することにしよう。
また産まれたら思いっきりしようね――
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