●LOVE GAME 2●





**********SIDE:HIKARU**********




別に好きで女の子を取っ替え引っ替えしてきたわけじゃない。

単に長続きしなかっただけだ。

毎回振られるのはオレだったから、オレの方に問題があるってことは分かっていた。

その問題自体も実は分かっていた。



心の奥底じゃあ他の奴を……塔矢を好きだってことだ―――







「塔矢、これからオレん家で打たねえ?」

「いいよ」



あの『僕を惚れさせてみせてよ』の翌日、オレは早速動き出した。

もともと酒の力を借りて過ごせた塔矢との一夜。

嬉しくも初めてだったコイツ。

このまま責任取らせてくれたらよかったのに、世の中そんなに甘くないってことか。

でも、塔矢の身も心もオレのものに出来るチャンスだと思った。



「やっぱオマエには碁だよな〜」

「何が?」

「オマエを落とすにはさ、やっぱ碁が一番早いだろ。オレの華麗なる打ち回しを今晩とくと堪能してくれ」

「キミの碁は元々大好きだよ」


面と向かって大好きと言われて更に力が入った。

…でも打つだけだと、今までと何も変わらないってことがよく分かった。

素晴らしい勝負手を打っても、対戦者の塔矢がただ負けまいと燃えるだけ。

こんなことを繰り返しても、彼女はオレをライバルとしてただ見直すだけだろう。


こうなったら……




「…今夜、帰さないから」

「え?」


ジェントルマンな振りをして塔矢を家まで送り届けるのもいいかもしれない。

でもオレはそもそもジェントルマンじゃないし、少しでも長く一緒にいたいというのが本音。

セックスって元々愛を確かめる行為だから、愛が育まれるかもしれないし。

思いっきり気持ちよくしてやって、セックスの虜にするのも手かも。



「一緒に風呂入る?」

「なっ、ば…っ、キミ馬鹿じゃないのか?!」


顔を真っ赤にした塔矢が、オレを睨みつけてきた。


「キミにとっては、お風呂とか、普通なんだ?」

「んなことねぇけど……逃げられたらヤだし」

「は?」

「ずっと一緒にいたいって思っただけ。たかが10分ぐらいかもしれないけど、オマエと離れたくないんだよ」

「キミ…酔ってる?」

「酔ってねーよ。何だよ、本気で口説いちゃ駄目なのか?自分で惚れさせてみせろって言ったくせに」

「いや……そうじゃないけど…。単に恥ずかしいだけ…今まで言われたことないし…」

「オレだって…言ったことねーよ」


塔矢の横に移動して―――肩を抱いた。

一瞬ビクッと反応したけど、ゆっくり引き寄せてやると、大人しく頭を肩に凭れさせてきた。


「キミと…こんなことしてるなんて…変な感じ」

「昨日はもっとすごいことしたじゃん」

「あれは…シラフじゃなかったから」

「今日も同じことするけど……いい?」

「………うん」


可愛く頷いてくれた塔矢を見て、抑えていたもののストッパーが外れた気がした。

のんびり風呂なんて入ってる場合じゃない。

勝手に顎に手が伸びた――



「――…ん…っ…」


優しく触れ合う唇。

どさくさに紛れて昨日何度もしたキスだけど…全然違う。

彼女の心臓がすぐ近くでドキドキ鳴ってるのが分かる。

オレの心臓もバクバク。

気付かれそうでちょっと恥ずかしかった。



「―……は…ぁ…」


唇が離れた後、今度は真っ正面から彼女を抱きしめた。

そのままゆっくり体を起こす――


「ベッド…行くか」

「…うん」




一人で寝るには少し大きいセミダブルサイズのオレのベッド。

彼女を座らせて、オレも座って、顔のあちこちにキスしながら―――服を脱がせていった。


「結構恥ずかしいね…」

「オレも脱ぐから大丈夫」


お互い素っ裸になってベッドの上で向き合った。

男って興奮してるのが丸分かりだから嫌だ。

塔矢の目もさっきからソコに釘付けだし。


「あんまり見るなよ。オレだって恥ずかしいんだぞ」

「だって…初めて見た」

「昨日も見ただろ?」

「昨日はほとんど目をつむってたから…。…触ってもいい?」

「…いいけど」


興味津々な塔矢の手がオレの下半身に伸びてきた。

指先でちょんと傘を触られる。


「濡れてる…」

「……」


ぎゅっと竿を握られたり袋を突かれたり、不思議そうに弄ってきた。

そんなに激しい刺激じゃないのに、予想不可能な初心者の触り方が結構気持ちよくて、耐えるのに必死だった。


「塔矢…ちょっとストップ。あんまり触ると出る」

「出してもいいよ?」

「へぇ…いいの?オマエの中に出すけど」

「え?わっ――」


一気に体重をかけて押し倒し、彼女の両足を大きく広げた。

既に濡れてる秘部。

挿れはしないものの、先走りを擦り付けるようにオレのもので擦っていった。


「や…っぁ…、…ぁ…っん…」

「このまま挿れていいか?」

「ぁんっ、まだ、無理……ぁ…っ」


指も少し入れて、徐々に広げていった。

反対の手で胸を揉んで、先に吸い付いて舌で弄っていく―――



「塔…矢…」

「…ぁ…んっ」

「塔矢…挿れるな?」

「うん…」

「ゴムあるけど…付けないから」

「…どうして?」

「………その方が気持ちいいし」


途端に眉間に皺を寄せてきた。

オレの馬鹿。

意地っ張り。

見えっ張り。

本当のこと、言えばいいのに。

本気だってこと。

ずっと前から好きだったってこと。

子供なんか出来たらむしろ本望だって―――



「怒った?」

「…別に」

「心配するなって。もし出来たら…ちゃんと責任取るし」

「…本当に?」

「うん。その時は結婚しようぜ」



嘘じゃないよ。

一生オレのものになって――









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