●LITTLE BOY FRIEND 7●





●○●○● 愛娘  明子 ●○●○●



「予定通り9時半ピッタリね」



お葬式を終えて家に帰ってくると、まだ進藤君の靴があることに気付いた。

あらやだ、ちゃんと帰宅時間を伝えたのに。

それとももうあっちは終わって、今は二人で碁でも打ってるのかしら。

まさか一緒にお風呂に入ってるなんてことはないわよね〜、と私はそうっと様子を伺いにアキラさんの部屋に向かった。

するとどうなの!



「――あ…っ、ぁ…ん…っ」



まだ本番真っ最中じゃないの!

声を聞いてるだけで、私まで恥ずかしくなってきた。

ほほほ…若いっていいわねぇ。

時間も忘れてのめり込んじゃってるのね。

女側の親としては、ここは止めに入るところなのかしら?

いいえ、もちろん否、ね。

私はアキラさんの幸せを一番に願ってるもの。

進藤君だったら間違いないわ!

そう思って、私はまたそうっと自分の部屋に寝に行った。










翌朝。

三人分の朝ご飯を作り終えた後、アキラさん達を起こしにいくと――



「ちょ…っ、朝っぱらからどこを触ってるんだ…っ」

「だってアキラさんの寝顔が可愛過ぎるんだもん。もう一回だけ…いい?」

「だめ…ぇ…、…ぁ…っ…」


と再び始めてしまった。

声なんかかけれるはずもなく、私は直ぐさまUターンして台所に戻った。



30分ぐらいした後、バタバタとこっちに向かってくる足音が。



「お、お母さん、おはようございます…っ」

「おはようアキラさん。よく眠れた?」

「えっ?!あ…まぁ…」


真っ赤な顔して言葉を濁すアキラさんはとっても可愛かった。

うふふ、この奥手な娘もようやく大人になったのね。

キスマーク、見えてるわよ。

ちなみに進藤君も続いて台所にやってきた。


「明子さん…おはようございます。す、すみません…泊っちゃって…」

「おはよう進藤君。あら、どうして謝るの?進藤君は将来の娘婿ですもの。遠慮なんかしないでね」

「ありがとうございます…!オレ、アキラさんを一生大事にします!」


ふふ、そういうことは行洋さんに言ってね。








「じゃあアキラさん、また留守をお願いしますね。進藤さんと仲良くね」

「はい…」


お昼過ぎ、私はまた北京に戻る為に成田に向かった。

タクシーが見えなくなるまで手を振って見送ってくれるアキラさんと進藤君。

次に二人に会えるのはいつかしら。

その時には私もおばあちゃんになってるかも?なーんてね、ふふ♪








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