●LITTLE BOY FRIEND 8●
●○●○● 二人 ヒカル ●○●○●
「誕生日おめでとう、進藤」
「ありがとう、アキラさん♪」
待ちに待った18歳の誕生日。
今日は当初の約束通り、一人暮らしを始めたこのアパートに、アキラさんに祝いに来てもらった。
今日から結婚だって出来るし、車の免許だって取れる。
何だか一気にすっげー大人になった気分だ。
「この部屋に来るのは…あの時以来だね」
グサッ、と言葉のトゲが胸に突き刺さった気がした。
「…本当にごめん。オレどうかしてた…。あ、でも安心してよ!あの時のシーツ、全部交換したから!」
「…ふぅん」
真っ白なおろしたてのシーツがかかったベッドに、確かめるようにアキラさんが上がった。
「…あれから藤崎さんとは会ったの?」
「あ、会うわけねーじゃん!もう二度と会わないから!」
「嘘ばっかり」
う…、確かに二度と…は無理かもしれない。
実家に帰った時、近所だから偶然会うこともあるかもしれないし。
でも!
「もう二度とこの部屋にはあげないからさ…それだけは安心して?」
オレの方もベッドに上がって、アキラさんを優しく抱きしめた。
「…分かった。キミを信じる…」
「オレが欲しいのは昔からアキラさんだけだから…」
「…うん」
昔もアキラさんだけ。
今もアキラさんだけ。
そしてこれからもアキラさんだけ。
この気持ちを何とか分かってもらう為に、彼女の体をベッドに倒した。
「……ん……」
口にキスをして、顔中、体中にキスをして。
じっくりと時間をかけて彼女を愛していった。
実はあの初めてのH以来、毎日毎晩のように体を合わせているオレら。
合わせても合わせても溢れてくる想いが止まらない。
一回一回満足してるのに、それでも足りない。
もっともっと彼女を体で愛したくて堪らない。
「――あ…ぁ…っ」
「アキラ…」
「ん…っ、ヒカ…ル」
もちろん毎回ゴムは必須。
でもオレ…見ちゃったんだ。
アキラさんが薬飲んでるところを。
正直ちょっとショックだった。
オレってそんなに信用ないのかな。
そんなにオレの子供欲しくないのかな…。
「…アキラにとって、オレってどんな存在なの?」
「…え…?」
「ただの彼氏?」
「…何が言いたいんだ?」
「オレは…アキラと結婚まで考えてるよ。ううん、結婚どころか死ぬまで一緒にいたいって思ってる」
「…僕も同じ気持ちだけど?」
「本当に?じゃあ、ナマでしてもいい?」
「……いいよ」
「…どうせ薬飲んでるからいいって意味だろ?」
バシッ
アキラさんに叩かれた。
頬を思いっきりぶたれた。
痛くて…涙が出てきた。
頬よりも胸が痛い…。
「…キミは命を何だと思ってるんだ…」
「…命とかって、難しく考えてない。ただ…アキラさんの子供が欲しい…。でも、アキラさんは薬飲むほど妊娠するのが嫌なんだって思ったら…まるでオレ自身を拒否されてるみたいで…」
「…はぁ」
大きな溜め息をつかれてしまった。
だって、それくらい本気なんだもん。
アキラさんの傍にずっといたい。
アキラさんと家族を持ちたい。
まだ18歳になったばかりなのに、なに焦ってるんだろうって思うけど……
「…僕は別に妊娠したくないから薬を飲んでるわけじゃない」
「……え?」
「生理不順なんだ、単に。だから周期を調整してたんだ…」
「?ピルで調整出来るの…?」
「ああ。だから結構前から飲んでる。別に妊娠したくないとか、キミを信用してないとかじゃない」
「…本当?」
「ああ。むしろ妊娠出来る体にする為に飲んでるんだ。…将来、僕だってキミの子供を産みたいって思ってるから…」
「…本当に?本当の本当?」
「ああ…」
「アキラさん大好きっ!」
ガバッと抱き着いた。
大好き大好き大好き!としつこいくらい繰り返した。
すっげぇ嬉しい!
オレの子供を産みたいって言ってくれた。
本当に?本当の本当に?
「じゃあ今から作ってもいい?」
「将来って言っただろう?最低でもキミがハタチを過ぎなきゃ嫌だ。それに今は飲んでるんだからいくらしても出来ないよ…」
「じゃ、予行練習しよ♪」
「あ…、こら…っ」
ゴムを付けないまま挿れてみた。
うわ…、すっげぇ新鮮、すっげぇ気持ちいい。
何の隔てもなく繋がって、初めて中で出して、オレは終始感動しまくりだった。
「……もう」
「アキラさん大好き…。アキラさんのおかげで最高の誕生日だよ」
「ならよかったけど…」
「12月のアキラさんの誕生日も、今までで一番の誕生日にしてあげるから楽しみにしてて!」
「うん…期待してる」
今年も来年も再来年も。
ずっと二人で祝い続けよう。
あ、待てよ。
再来年ぐらいには子供も本当にいるといいなぁ……なーんてな♪
―END―
以上、年の差ヒカアキラ子なお話でした!
読んで下さってありがとうございました!