●LITTLE GIRL FRIEND 22●





「―……ん……」


進藤さんと二度目のキス。

この前とは少し違う…浅くて優しいキスだった…。


「……は」

「進藤さん…」


唇が離れた後、彼の胸に抱き着いてみた。

キスだけって言われたけど、本当はこのまま抱いてほしい。

進藤さんと一つになってみたい。

今度は逃げないから……



「…じゃあ並べようか。さっき言ってた三次の決勝の棋譜…」

「……もう少し後でいいです」

「だーめ。これ以上くっついてたら今度こそマジでアキラちゃんを襲っちゃいそうだもん」

「僕は…構いません」

「オレがダメなの!」


進藤さんが僕の体を離して、碁盤を準備しだした。

ちょっと…ガッカリ。

小6も中1もたいして変わらないってことか…。

進藤さんは今度こそ18まで僕に触れないつもりなんだろう。

キスだけで我慢するつもりなんだろう。


……僕は我慢出来ない……




「僕のクラスメートでも…もう経験してる子はいます」

「クラスメートって、おいおい…。感心出来ないな…そういうの。早過ぎるって」

「付き合ってたらそうなるのは普通だと思います」

「そうかな?単に異性の体に興味があるだけじゃねぇ?本当に好きでずっと付き合いたいなら…時期を待つべきだ。中学でなんて早過ぎ!」

「じゃあ進藤さんは中学校の時、興味なかったんですか?好きな子に触りたいとか…普通思うでしょう?」

「オレ中学の時好きな奴なんていなかったもん」

「じゃあ進藤さんが奥手過ぎるんです!」

「碁だけでいっぱいいっぱいだったんだよ!悪かったな!どうせ初体験も16だよ!」

「斎藤さんとですか?!」

「ああそうだよ!だから何?!」

「だからやけに斎藤さんには優しんですね!初めての女性は特別だから!」

「んなの関係ねーよっ!」

「きゃ…っ」


進藤さんが僕の腕を掴んで、強引に立ち上がらされた。

乱暴にベッドに投げられる。


「い…た」


僕の上に乗ってきて、跡がつきそうなぐらいの強い力で両手首を押さえつけてきた。


「アキラ…オマエな、オレがどれだけ我慢してるのか分かってんのかよ?」

「…分かりたくもないです。だって僕は…早く進藤さんと結ばれたいから」

「本気で言ってんのか?この前は途中で泣き出したくせに…」

「だから、あれから勉強しました!今はもう大丈夫です!」

「勉強?…誰と?」

「…一人で、です」


ハッ!と鼻で笑われた。

恥ずかしさで一気に顔が熱くなる…。


「やっぱガキだな」

「ち…違います!もう十分知識だけならあります!」

「知識付けてる間に単に自分もしたくなっただけだろ?したいしたいって、人の気も知らないで盛ってんじゃねーよ!」

「そんなんじゃ…」

「じゃあこのスカートの丈は何?見てくれ挿れてくれってオマエの気持ちの表れなんじゃねーの?」

「これは…単に、こっちの方が可愛いから…」

「誰から見て可愛いんだ?言っとくけど男は別に可愛いなんて思わねーからな。便利だって思うだけだ」

「……」



進藤さんが…恐い……



「そんなにしたいなら…してみるか?」

「…え?」

「一回すればまだ早かったって、嫌でも思い知るだろうしな」

「……」

「どうする?」

「……します」



期待していた展開と少し違う。

でも、18まで待つのは絶対に嫌だ。


今夜、本当の大人になってみせる――












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