●KAKE 3●
「いいお湯だったね」
「だな〜」
温泉から上がってくると、部屋では夕食の準備が進められていた―。
「夕ご飯終わったらマッサージよろしく」
「へーい」
温泉の中で僕を好き勝手した進藤は、鼻歌なんか歌っちゃってものすごく今機嫌がいい。
いい気なもんだよ…。
僕の方はのぼせる寸前で、まだ頭がクラクラしてるっていうのに…。
こうなったら2、3時間は奉仕してもらおう。
「ではどこから揉みましょうか、お姫様」
「肩からお願いしまーす」
「へーい」
布団に俯せになった僕に、中腰に跨がった進藤が早速肩を揉み始めた。
「あー…結構こってるな。堅い」
「だろう?首もお願い」
「はいはい」
実は他人に肩を揉んでもらうは初めて。
力のかけ方にムラがあるけど、マッサージ機よりは急所をついてくれるのでかなり気持ちいい。
「もうちょっと右…」
「ん」
「あーそこそこ。気持ちいい…」
「……」
「ん…、もっと…」
「……」
「…ぁ……」
「…何か塔矢、声がイヤラしい…」
「え…?」
頭を横にして、進藤の方に振り返ろうとすると――
「っ、…重っい!こら!僕に乗るな!―…ぁ…」
体重をかけられた後、耳にフーっと息をかけられて――思わず身震いしてしまった。
「塔矢…、どうせなら全身マッサージしてやろうか…」
「え…?ちょっ…、どこ揉んで…――…ぁ…」
進藤が後ろから手を回して胸を揉み始めた。
しかも浴衣の隙間から手を入れて――直に。
「も…そこ…は必要ない…から…ぁ―」
「んじゃこっちは…?」
「やっ…、ちょっ…!」
続けて彼が手の伸ばして来たのは僕の下半身。
下着の中に手を入れて……弄り回して来る。
「セックスは無しだって言っただろう?!」
「分かってるって。単なる全身マッサージだし」
そう口実付け、僕の首筋に唇を吸い付けてくる。
「あ、こらっ…進藤っ!」
「だってマッサージには邪魔だもん」
浴衣の腰紐にも手を伸ばして、うざったそうに一気に引っ張って解いてきた―。
「キミって…最悪」
「えー、でもこの前テレビで世界のエステ特集みたいなのしてたけどさー、皆素っ裸で受けてたぜ?」
「これのどこがエステなんだ…」
僕の浴衣を剥いで、まるで包みこむように上から体重をかけてくる―。
「だよな〜。エステより効果的だよな〜。ヤった翌朝とかオマエ肌ツルツルだし?」
「………」
「今夜もしたらもっと綺麗になれるかもよ?」
「煩いっ!どうせキミがしたいだけだろっ」
「うん♪」
元気よく機嫌よく返事をしてきた進藤は、再び僕の体を弄り出した。
「――…ぁ…」
「…塔矢…」
何度も名前を呼ばれて――
「好きだよ…」
何度も愛を囁かれて――
「あぁ…っ…――」
結局今夜も何度も体を合わせた――
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