●if F●
京田さんと付き合い始めて半年。
「進藤さん…、すごく綺麗だよ」
「そうですか?ありがとうございます…」
褒められて頬が赤くなる。
今回は髪型まで凝って、朝美容室でセットしてきた甲斐があった。
ハロウィンイベントでは、早指し公開対局、クイズ、トークショー
一番の人気は仮装した棋士との写真撮影会で、棋士一人につき20
私の時はほぼ若い男性がお客さまで、ちょっと緊張した。
ちなみに京田さんの時は若いハタチ前後の女の子ばかりで、少しだ
(いいな…、私も一緒に写真撮りたい)
「お疲れ様でしたー」
17時にイベントは無事終了。
全員で片付けを終え、解散となった。
更衣室でいつもの服に戻ると、ちょっとホッとした。
やはり普段着ない服を着ると肩も凝るし、疲れるものだ。
更衣室を出てロビーに行くと、京田さんの姿が。
ただ、さっき写真を撮っていた女の子達に囲まれていたので、また
私に気付いた京田さんが、彼女達にサヨナラしてこっちにやってく
「お疲れさま」
「…お疲れ様でした」
「あっという間に終わっちゃったな」
「そうですね…。大盛況でよかったです」
「そうだな…」
京田さんが私の左手を取ってくる。
と思ったら指先にチュッとキスしてきて驚く。
「Trick or treat?」
と流暢すぎる英語で尋ねてくる。
当然甘いお菓子なんて一つも持ち合わせていない私。
「ごめんなさい…、何も持ってなくて」
「うん…、よかった」
「え?」
「心置きなくイタズラが出来る」
笑った彼の目は少しばかり欲情してるように見える。
「進藤さんのドレス姿…、ヤバかったから。今日一日ずっと我慢し
「え…」
「帰ったら、もう一度着替えてくれる?俺も写真撮りたい」
「きょ、京田さんも着替えてくれるなら…」
「いいよ…、お安い御用」
手を繋いで私達は棋院をあとにした。
向かった先はもちろん彼の部屋。
一緒に撮影会をしよう。
そして、私にいっぱいイタズラをしてね。
―END―
メガネで魔法使いな京田さんなんてヤバすぎでしょ!!ハアハア(by 彩)