if E●


 

 

京田さんと付き合い始めて5ヶ月。


「――…ぁ…っ、…ぁん…、ぁ…っ、きょ…、だ、…さん…」

「…は…、佐…為…」


今日は真っ昼間からこんなことをしている私達。

お互い忙しく、二人きりで会うのが一ヶ月ぶりだったからだ。

彼の部屋に着いた途端、私の方から誘ってしまった。


「あの…、先にシませんか?」

と直球で。

すぐにキスされて、そのままベッドに倒されて……現在に至る。

京田さんのマンションはそこまで壁が厚くないので、隣人に声とか聞こえたら嫌だなぁと思うのだけれど、幸運なことに今日はその隣人は朝から出かけているらしい。


「…ぁ…、もう……」

「…俺…、も…」


お互い同時に上り詰めて、グッタリとなる。

預けてきた彼の重みがとても心地いい。

汗ばんだ肌が愛おしい。

視線を合わせた私達は、もう一度キスをした――

 

 



「――え?今日って進藤先生の誕生日なんだ?」

「うん…、だから今日は早く帰ります。お母さんと夕飯を一緒に作る約束をしてるので」

「進藤先生、何歳になったの?

「えっと…、34かな」

「若…。まだまだ同級生には独身も多そうだ」

「そうですよね…」


私は父が18歳の時の子供だ。

母に至っては17歳で私を産んでいる。

この12月で16歳になる私。

両親が結婚した歳まであともう2年しかないのだ。

私には考えられない。


「進藤さんは何歳くらいで結婚したい?」

京田さんが聞いてくる。

「どうだろう…、これからどれだけ棋士として波に乗れるかにかかってますけど……30くらいじゃないでしょうか?」

「さ、30…」

「そのくらいなら一旦ピークが落ち着いて、妊娠出産も考えられるかと…」

「なるほど…」


30
か〜…と京田さんが唸っていた。


「結婚だけならもうちょっと早くてもいいですが…、でも結婚してしまったら恐らく周りに子供を急かされると思いますので」

「…確かに」


でも30か〜…とまた京田さんが唸る。

こんなに悩んでくれるのは、私との結婚を少しは考えてくれてるということなんだろうか…。


「とりあえず一人産んでからピークを迎えるとかは…ダメ?」

「ダメですね。一度休場してしまうと全て予選からやり直しになりますので、今より膨大な対局数になって子育てどころじゃなくなるかと…」

「産前産後だけとってすぐに復帰すれば、対局予定を前倒し後倒しで調整したらいけるんじゃ…」

「…なるほど。それならまぁ…」


産休といえば1年のイメージだけれど、確かに産前産後の3ヶ月だけでいいのなら絶対無理ではないかもしれない。

あとはどのように子育てするかにかかっているけれど。


「保育園ってある程度大きくならないと利用出来ないんですよね?確か」

「まぁ…、半年とか?」


世の中には祖父母に預かってもらう人もいるそうだけど、私の場合はそれは期待出来ない。

父も母もまだまだ現役バリバリだからだ。


「俺の母親は暇そうだから預かってくれると思うけどね」

「そうなんですか?」

「うん」


それが可能なら30じゃくなくてもいけるかも…。

 


――て

 


京田さんが普通に自分の母親を持ち出してきたことに驚く。

それってそれってそれって……


「…つまり京田さんは私と結婚したいってことですか?」

「……今更それ聞く?」


京田さんが苦笑してくる。

そして真面目な顔をして

「したいよ…、もちろん。進藤さんと一生一緒にいたいから」

とプロポーズまがいなことを言ってくる彼。


「進藤さんは?どう?俺との結婚、考えてくれてる?」

「…はい。もちろん…」

「よかった」


もちろん考えている。

結婚するならこの人としか考えられない。

だからもし京田さんが望むのなら…、30じゃなくてもいい。


「…京田さんは何歳で結婚したいですか?」

「俺?うーん…、25とか?」


京田さんが25だったら私は22ということになる。

ものすごく早い気もするけど…、本気で望まれたなら私だって受け入れると思う。

それが惚れた弱みだ――


「…分かりました」

「え?」

「それでいいです」

「え?本当に?」

「はい」


6
年も先の話だから、もちろん私達の関係もどうなってるか分からない。

でももし6年後も彼が一緒にいてくれて、その後の人生も一緒にいることを望んでくれるなら――


「佐為…」


京田さんが下の名前で私を呼んでくる。

私の左手を取って――薬指にキスしてくる――


「じゃ、それまでに俺も進藤先生からタイトル取れるように頑張るから…」

「はい」

「約束な?」

「はい――」


私達は結婚の約束のキスをした。


それまでに、私も棋士として精進したいと思う――

 

 


END

 

 


以上、京佐為(女体化)話でした〜。
い、いかがでしたでしょうか??ハラハラ…
もうこの二人の妄想が止まらんとですよ…。ハアハア

京田さんが彩と結婚したのは26歳の時なので(しかも彩の結婚したいオーラに負けて)、彩よりも早く佐為と結婚したい京田さんに笑えますね!
どんだけ好きなん…(京佐為だから!!)
でも女の子になってもめちゃ強佐為なので、結婚時期は悩みますよね…。
妊娠出産は強い女性棋士にとっては永遠の課題です。
精菜を専業主婦にして家事育児させてる男の佐為は楽でいいなコラって思いますね!(笑)まぁ精菜がそれを望んでるのでね、仕方ないですが。

このヒカルももちろん外泊禁止なので、京佐為も基本昼間にイチャイチャしてます。
普段は夕方あたりからすることが多いけど、今日は一ヶ月ぶりということもあって、朝っぱらからしちゃってる二人です。
でもきっと夕方もするよ(笑)

こんな迷走話を最後まで読んで下さってありがとうございました!
妄想が止まらなくて更に書いてしまったので、よければどうぞ!

NEXT