if @ side:佐為


この話は彩が夏コミで買ってきた京佐為(京田七段×進藤名人女体化)本です。
次は佐為視点でどうぞ!


 

対局を終えて帰ろうと階段を降りていると、話声が聞こえてきた――


「京田さん、院生の時からずっと好きでした」


それは今までも何度か見たことのある、私の想い人が告白されてるシーン。

いつも通り、彼はすぐに断ると思ってたのに。


「ちょっと…時間くれる?考えてみる…」

と返事をした彼。

目の前が真っ暗になった気がした。


(ああ…、もう彼は本当に限界なんだ…)


ずっと前から気付いていた。

研究会で石を片付ける時に、手が触れるだけで過剰に反応してくる彼

最近はあまり目も合わせてくれなくなっていた。

嫌われてるわけじゃないと思う。

むしろ逆だろう。

好かれてるからこそ…の態度なのはすぐに分かった。

だって私も同じだから。


『佐為に手を出したら破門だからな!』


という父の台詞に怯えて、自分の気持ちに蓋をして、きっとこのまま一生打ち明けてくれるつもりはないんだろう。

このまま他の人と恋愛をして……私から離れていくつもりなんだろう……


 

 



「一度新居にお邪魔してもいいですか?」

私の気持ちはもう決まっていた。

今伝えないと、私は一生後悔するだろう。

だからお願い。

どうか受け止めて。

逃げないで。

お互いにとってきっとこれが最後のチャンスだから――

 

 

 

 

 



「好きだ…、ずっと好きだった」


キスした後、苦しそうにそう打ち明けてくれた。

死ぬほど嬉しいとはきっとこういうことなんだろう。


「私も――」


彼の胸に抱き着いて…、私達はそのままお互い初めての行為に及ぶ

気持ちを確かめ合ったばかりなのに早過ぎだと世間の人は言うだろうか。

事実、初デートで西条が彼女とシたと聞いた時は、早すぎだろうと眉を潜めたものだ。


でも自分がいざその状況になると、全く嫌悪感はなくて。

むしろ今までよく気持ちを隠して我慢したものだと自分を褒めたくもなった。


私の体のあちこちに、戸惑いながらも優しく触れて…、キスして愛撫してくる彼。

未経験が為の恐怖ももちろんある。

私達が一線を越えてしまったと気付いた父が、彼にどういう態度を取るのかという恐怖ももちろんあったけれど――それでも私達はもう止まらなかった。

 


「ごめん…、責任は取るから…」


と耳元で限界な顔して囁いてくる彼。

その意味はすぐに理解した。

今まで彼女もいなくて、未経験な彼が、例のものを持ってるわけがないのだ。

もちろん私だって持ってない。

いけないことだって分かってる。

でももう止まらなかった――

 


「――…ぁ…っ」

指とは全然違う圧迫感。

貫かれる痛み。

今すぐ抜いてほしいのに、でも絶対に抜いてほしくないというこの矛盾。

一つになれたという喜びが、嬉しさが、体中から溢れてくる。


「――…は…っ…」


苦しそうな彼の表情。

普段は見ることのない、きっと誰にも見せたことのない快楽に酔いしれる雄の顔。


「好きだ…」


何度も囁いてくれる愛の言葉。

色っぽくて、切なそうで…、ずっと聞いていたくなる。

 


「……ごめん、…もう…」

「うん…、いいよ…」


動きが早くなる。

限界が近いんだろう。

そういう私も、もうダメかもしれない。

頭が真っ白になる――

 


「――…あ…ぁ…っ」

「…は…っ――」


最後の最後で彼は抜いて、私のお腹の上にソレを出した。

彼は慌ててティッシュでそれを拭ってくれたけど、嫌悪感なんてまるでない。

それよりも後処理に忙しく、彼の体が離れてしまったことの方が寂しい。


「京田さん…」


両手差し出すと、彼は戻って来てくれて……私をギュッと抱きしめてくれた。

「…もう一緒に研究出来なかったら…ゴメン」

「仕方ないです…、その時は二人でこそっと研究会をしましょう」


そういうと彼は笑ってくれて、「名案だな」と褒めてくれたのだった。

 

 

 

 



「山名女流には断ってくださいね?」


手を繋いで家まで送ってくれてる途中で、私は彼に忠告した。


「もちろん」

「でもって、私と正式に付き合ってくださいね?」

「もちろん、もうそのつもりだよ」


にこりと笑った彼は、私が今日彼の部屋を訪れた時とは全然違う表情。

もちろん視線だって合わせてくれる。

手だってこんなに力強く握ってくれる。

お互い幸せを感じながら帰路についたのだった――

 

 


END

 

 


ちょ、お兄ちゃん何しょっぱなからナマでしてるのー?!私だってしたことないのに!!ズル過ぎでしょ!!by 彩)

NEXT