if side:怜次K 前編〜彩視点〜





「綺麗vvありがとう怜次」

「どういたしまして」



高校1年生のGW

16
歳の誕生日を迎えた私は、約束通り怜次から指輪のプレゼントを貰った。

ファッションリングじゃなくて、ちゃんとしたジュエリーショップで買った、私の誕生石であるエメラルドが中央にあしらわれたお花がデザインの指輪。

すっごく綺麗で、誰かに自慢したいくらい。

でも、いくら仲が良くても同級生には流石に言えない。

(嫌味に聞こえると思う)

ので、お姉ちゃんに見せてみた。


「お姉ちゃん見て見て〜、怜次が誕生日プレゼントにくれたの♪」

「へぇ…怜次君もやるね。よかったね」

「うん♪」


ちょうど京田さんちに向かうところだったお姉ちゃんを呼び止めたから、彼女の左薬指にももちろん指輪がしてある。

(お姉ちゃんは京田さんとデートの時にしか付けないのだ)


「いってらっしゃーい」


お姉ちゃんを見送った後、私も出かける準備をする。

私も今から怜次とデートなのだ。

今日はまったりと彼の部屋でおうちデートだ。

一昨日大阪で対局があって、昨日新幹線で帰ってきたばかりの彼。

もちろん昼から授業を受けて、放課後には補講といういつものスケジュールだから、

「疲れてるでしょ?」

って私が提案したのだ。

もちろん、ちょっとは更に疲れることも出来たらいいなぁ〜と期待してるんだけど。


でも今日は土曜なので、怜次のお母さんが在宅中かもしれない。

失礼のないようにしないと。

(何せ怜次と結婚したら姑になる人だからね)



 

 

 




ピンポーン



緒方家に着き、玄関のチャイムを鳴らした。

するとすぐにドアが開く。

開けてくれたのは――姑!!(ではなく、怜次のお母さんの怜菜さんだ)


「あら、彩ちゃん。いらっしゃい」

「こ、こんにちは!怜次君いますか?」

「ええ。どうぞ上がって」


私が中に入ると、怜次が階段を降りてきてるところだった。


「怜次、彩ちゃん来たわよ」

「うん」

「じゃ、私はもう出るわね」

「行ってらっしゃい。気を付けて」

「ええ」


スーツケースを転がして、怜菜さんが出て行った。


「怜菜さんお仕事?土曜なのに」

「福岡に出張なんだってさ。明日の夜には帰って来るらしいけど」

「へぇ…、そうなんだ」


東大卒で、自分の会社も立ち上げてるバリキャリの怜次のお母さん

出張も多くて忙しそうだ。


「緒方先生は?」

「さぁ?俺が起きた頃にはもう出かけてたから。夜には帰って来るんじゃない?帰って来ないかもしれないけど」

「ふぅん…」


緒方先生も怜菜さんも、基本自由人だ。

自分の為に生きてると言っても過言じゃない。

お母さん曰く、緒方先生には昔から何人も彼女がいたみたいだし、それは結婚しても変わってないのだとか。


「怜次って……実は兄弟いたりしてね」

「はは…、笑えないからやめて」


一緒に怜次の部屋に移動し、部屋に入った途端――彼は私を抱き締めてきた――


「あー…2週間ぶりの彩だ。生き返る…」

「プッ…、何それ」


私を抱き締めてチャージしてる彼におかしくなる。

学校ではもちろん毎日会ってる私達だけど、こんな風に抱き合うなんてことはもちろん学校ではしてない。

普段は土日にしてるけど、先週はイベントの手伝いで怜次は仙台まで出かけていたので、会えなかったのだ。

もちろん平日の放課後にも彼の部屋に寄ることもあるけど、ここ最近はそれもご無沙汰だった。


「怜次って緒方先生と真反対だよね…」

「反面教師にしてるからな…、特に女性関係は」

「ありがとう…、安心出来る」


小さい頃からあまりに高い棋力からか、このルックスからか……怜次はイベントでも女性客から人気がある。

中学の時、一度一緒のイベントを手伝いに入ったけど、彼が女の子達に囲まれててだいぶ嫌な気持ちになったものだ。

もちろん怜次は冷たくあしらうのだけど、そんなクールさも人気の一つみたいで、それでも諦めずに怜次に写真なりサインなりを求めている子が多かった。


(今回の仙台のイベントもきっと大人気だったんだろうな…)


安心出来るとは言ったけど……正直あんまり安心出来てない自分がいる。

怜次は私のものなのに。

結婚の約束だってしてるのに。

でも不安で不安で堪らない――



「…彩?」

「…怜次、エッチしよ」

「…いいけど。どうかした?」

「…別に」

「……」


まだ抱き締めあったままの私達。

怜次が私の額にチュッとキスしてくる。

そしてベッドに連れて行かれ、私をそこに倒してくる。

怜次も跨ってきた。


「彩…、俺は彩が一番大事だよ」

「…分かってる」

「いや、分かってない。俺がどんなに好きだと思ってるんだよ?」

「…結婚したいくらいにでしょ?」

「そうだよ。本当は今すぐにでもしたい。彩を自分のものにしてしまいたい…、もう俺から離れられなくしてやりたい」


首筋に吸い付かれ、痕を付けられる。


「…ぁ…っ…」


服をちょっと乱暴に脱がされた。

暴かれた肌にまた口付けてきて…、あちこちにキスされる。

舐められる。


「は……怜次…」


乳首を摘まれて、コリコリと刺激を与えられる。

更に口に含まれてキツく吸われる。


「ん…っ」


いつもよりちょっと乱暴な愛撫に……どうしたんだろうって思う。

怒ってるのかな?

私が彼の言う事を信じてないから?

信じてるよ…、信じたいって思ってる。


でも……不安で不安で堪らないのも事実だ。

いつか私より好きな人が出来て…、離れていってしまうんじゃないかって……疑ってる自分がいる。

そんなことあるわけないのに…、でも彼が強くなればなるほど、人気になればなるほど、不安が増してくるのだ。

彼が碁を頑張ってくれてるのは私の為なのに――


「彩…好きだ…」

「うん…」

「俺がどんなに好きか……分からせてやろうか」




――え?



 


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