●MY DOUBLE 4●







進藤とミナミのデート当日。

僕は落ち着かなくてずっと家の中を無意味にうろうろ歩き回っていた。

今頃二人は何をしてるんだろう…

もう正式に付き合い始めたのだろうか。

まさかもうキスとかしてたり?

ミナミに限ってセックスまではないと思うけど…。

でも進藤は手が早いからなぁ…。

気が付いたらいつも押し倒されてるし……







ピンポーン


玄関のベルがなったので、慌てて向かった。

ドアの前で待ってたのはもちろん……


「よう」

「進藤…」


ミナミ…は?


「上がってもいい?」

「…何の用だ?どうせ僕を…振りにきたんだろう?ミナミと付き合うから…」

「その方がよかった?」

「…え?―――」


乱暴に玄関のドアを閉めて、外からの視界を遮った途端――進藤が僕を抱きしめてきた。


そして熱いキスを落としてくる――



「―……ん……っ」


このキスの意味は?

もしかしてミナミを振ったのか?

僕の分身を……



「…やっぱり塔矢がいいや…」

「でも…っ」

「うん…オマエが言いたいことは分かってるよ。でも、オレらまだ23だもん。まだ…このままでいいだろ…?」

「………そうだね」


そうだね…僕らはまだ23歳だ。

もう少しだけ…この恋を続けてもいい歳だろう。

いずれやって来るその日に…後悔しない為にも―――



「…進藤?」


彼が僕の手を引っ張ってどこかに向かう。


「オマエの部屋行こ。先週結局ホワイトデーのお返し出来なかったから」

「まさかキミがお返し?」

「ああ。バレンタインはオマエを貰ったからな」


クスっと笑いあって…僕らは体で愛を確かめあった――


非生産的なこの行為。

でも、性別なんて関係ない。

進藤ヒカル…キミ自身が大好きだから―――









「…ね、キミの親戚にキミとそっくりな女の子とか…いないの?」

「うわ。オマエまでその線でいくのかよ」

「いる?」

「んー…いたかなぁ。従妹の菜々がそれなりに似てたと思うけど」

「ふーん…じゃあ今度紹介してくれ」

「紹介って、まだ中3だぜ?」

「ああ…じゃあちょうどいいね」

「…何がいいんだよ?」

「僕らにそれなりに結婚願望が出てきた時に、ちょうど彼女も適齢期になる」

「オマエな…」

「キミだってそのつもりだろう?」

「まぁ…そうだけど。オマエ自身じゃないのは残念だけど…ミナミちゃんとの子供だったら一応オマエとも血が繋がるし」

「僕もどうせならキミに似た子供が欲しい」

「塔矢…」



キミが僕の分身と結婚して、僕もキミの分身と結婚する。

ね?素敵な案だろう?



でもまだ先の話。


今はまだキミの腕の中にいたい―――













―END―










以上、分身話でした〜。
BLヒカアキはアキラ子と違ってやっぱり色々葛藤してると思うのですよ〜。
今のままじゃいけない!と思うのに、やっぱり好きだから…ずるずる。
このヒカアキは30までずるずるするつもりらしいですね。
お互い一人っ子だから、子供は欲しい。
だからいつかは結婚するつもり。
その相手がそっくりな従姉妹だったら…萌えません?(笑)
全然諦めきれてない二人が愛おしいですvv

ささ、ホワイトデー話はこれで終了ですが、続きを用意しています。
まずはヒカルの従妹、菜々ちゃん登場です☆



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