●COFFEE 4●
「……ぁ……佐…為……」
「精菜……」
結婚して一週間。
毎日のように奥様を求めて、日に日に益々彼女の体に夢中になっていってる僕がいた。
もう離れられない。
そして横で寝られると絶対に我慢出来ない。
だからこの睡眠不足を解消する為には別々に寝た方がいいと思ったのだけど……そう単純なことではないらしい。
積極的に僕に触れてくる今夜の彼女を見ていたら、どうやらかなり不安にさせてしまっていたらしい。
精菜は昔からそうだ。
気になることがあったら自ら動いて、自分に眼を向かせようとしてくる。
「精菜…そんなに不安だった?」
「うん……すごく。このまま一生一人で寝ることになったらどうしよう…って」
「そんなわけ…」
苦笑すると、背中に爪を立てられた。
「分かってるよ、でも不安になったの。私に触れなくて欲求不満になった佐為が、記録係に手を出したらどうしよう……とかね」
「はは……それはそれは、すごい想像力だな」
「だって佐為の対局ってやけに女流が記録するじゃない!おかしくない?」
「僕に言われても…。でも精菜がそんなに気にするなら他の人に変えてもらうよ」
「あ…ううん。それはダメ。皆の大事な収入源だし…」
「…そうだな」
下の方の若手棋士にとっては、記録も大事な収入源だ。
もちろん頭では理解出来てるけど、僕の近くに異性がいることがやはり気になるんだろう。
(可愛いなぁ……)
嫉妬してくる奥様が可愛すぎて、僕は彼女の顔中にキスをした。
でもってもう我慢出来なくて、一旦体を離す。
もちろん寝室に置いてあるゴムを取りに行こうとしたのだけど――精菜に腕を掴まれる。
「離れちゃ嫌……」
「え?でも僕もそろそろ限界なんだけど……」
「そのまま挿れていいから……」
――え?
「でも結婚式まではって…」
「佐為が離れるくらいなら式なんてどうでもいい…」
「精菜……」
「一分一秒だって離れたくない……」
そんな台詞を切なげな眼をして訴えられたら、理性なんて一気にどこかに吹っ飛んでしまう。
再び彼女に覆い被さって、僕は直ぐ様彼女の一番大事な場所に、自分の欲望を押し入れた。
「――…ぁ…っ、佐…」
「……は……精菜……」
付けずにするのはプロポーズの時以来だろうか。
あまりの気持ちよさに油断すると直ぐにでも達してしまいそうになる。
今デキたらきっと精菜は困るのに、中で出したい欲求がどんどん止まらなくなる。
単に快楽だけを求めてるのではなくて、彼女を孕ませたいという男の欲望が出てくる。
「精菜……僕……」
「……ぁ……佐為、…いいよ……佐為の好きにして……」
「でも……」
「いいから……」
汗ばんだ顔で微笑まれる。
「私も佐為の赤ちゃん早く欲しいから……」
「精菜…っ」
我を忘れるとはきっとこういうことだろう。
何も考えられなくなって、ただ欲望のまま彼女を突き上げる。
それでも彼女が達するまでは何とか我慢を続けて。
「――…あぁ…っ」
歓喜の声と、下の収縮具合を確認してから僕も中に放出した。
「ぁ……佐為の…熱い…」
「うん……」
「やっぱり結婚前と……ちょっと違うね」
「どういう風に…?」
「だって、今赤ちゃん出来ても…誰も私達を咎めないでしょう…?だから安心して受け止められる……」
「……そうだな」
そのまま抱き締め合って、僕らは安心したように眠りについた。
お互いずっと寝不足だったから、もう朝までぐっすりだ。
別々に寝るより何だか遥かに快眠出来た気がした――
「「いただきます」」
翌朝、僕らは一緒に朝ご飯を食べ始めた。
今日は手合いの日だから、一緒に食事が出来るのは朝だけだ。
口付けた朝のコーヒーは、格別美味しい気がした。
「なるべく早く帰って来るよ」
「ふふ…相手お父さんなのに?」
「うん。絶対に勝つから…」
勝ったらご褒美くれる?――と尋ねると、精菜の頬がほんのり赤くなる。
「じゃあ……勝ったらキスしてあげる」
「キスねぇ…」
「何よ、不満なの?」
「ううん――いっぱいしよう」
昔したやりとりを繰り返しながら、僕はとりあえず前払いとして「行ってきます、奥さま」と早速キスをした。
ほんのりさっき飲んだコーヒーの味がした。
「行ってらっしゃい、旦那さま」
―END―
以上、初夜編の一週間後の二人でした〜。
この一週間ヤりまくってたら寝不足になっちゃったみたいです(笑)
今までは一週間に一回くらいしか会えなかったので、当然会えた時はオールでしてたんですよねー。
結婚して毎日一緒に寝るようになっても、相変わらず毎日オールでしてたら、そりゃ精菜フラフラになりますよねw
佐為はヒカルの息子だけあって絶倫なので平気みたいでしたが(笑)
ちなみに彩も同じです。
京田さんも結婚後まともに彩の相手をしてたらフラフラになるよ、きっとw
まぁ佐為と精菜も今後は1、2回に抑えて毎日12時くらいには寝れるよう調整するんじゃないでしょうか〜。
にしても結婚式まで避妊する約束だったのに、早から妥協気味ですね(笑)
まぁ佐為と精菜だから、そんなものかな。
ちなみに佐為の対局は昔から常に女流が記録を取ってるそうですよ(笑)
立候補者が多く毎回取り合いだそうですよw
そんな記録係視点のお話も書いてみました!
おまけ(記録係視点)
よろしければどうぞ!(笑)