●BEFORE&AFTER 6●





やばい。

つい下心が口から出てしまった。

賭け碁なんて久々だけど、その時の塔矢ってめちゃくちゃ強いからなー。

でも、幸いさっきの打ち損じが尾をひいてる。

このままいくとヨセまで行かなくても1目半でオレが勝つ――





「…くっ…ありません…」


塔矢が悔しそうに頭を下げてきた。


「ありがとうございました♪」

「ありがとうございました…」


オレの幸せそうな顔を見て、塔矢が睨んでくる。


「そんな泣きそうな顔するなって。風呂ぐらいいいじゃん」

「…水着着てもいい?」

「ダメ〜」

「………」


塔矢って本当にバカ真面目。

オレが一方的に決めた賭け碁なんだから、無効にすればいいのに。

本気で嫌がることならしないのに。

どうしようと真っ赤になって考えてる顔なんか死ぬ程可愛い。

今すぐ押し倒したいぐらい。



「…とりあえず風呂沸かしてこいよ。濁り湯で許してやるから、好きな入浴剤入れたら?」

「うん…助かる」


そそくさと居間から出ていった。

オレはアイツの布団を敷く為に塔矢の部屋に移動する。


それにしても全く女の子を感じさせない殺風景な部屋だな。

あ、でも布団のシーツの柄はちょっと可愛いかも。

緑のチェック。

持ち上げると微かに塔矢の香りがしてちょっと嬉しい。



「あ…敷いてくれたんだ」


塔矢が帰ってきた。


「風呂沸いた?」

「そんなにすぐに溜まらないよ。10分ぐらい待って」

「了解」


塔矢が手持ちぶたさそうに入口で突っ立ってたので、手招きしてみる。

何?と近付いてきた彼女を捕まえて―――抱きしめた。


「進藤…?」

「さっきも思ったけど、すげぇ柔らかいなオマエ…」

「別に普通だと思うけど…」


想像と実物はやっぱり全然違うな。

無意味に肩とか背中とか二の腕とか、塔矢が不思議がるぐらい触ってしまった。


「…脱がしてもいい?」

「え?!ダメだ」

「いいじゃん。どうせすぐ風呂入るんだし」

「もっとダメ!僕に素っ裸で縁側通れと!?」

「あ、そっか」


塔矢ん家の間取り上、この部屋から風呂場に行くには必ず縁側を通らなくちゃいけない。

誰も見てないとは思うけど、さすがに恥ずかしいか…。


「じゃ、先に風呂場に行こう」

「……」


しぶしぶというか、嫌々塔矢もついてきた。






「おー、オマエん家の風呂久しぶりー。北斗杯以来かも」

「そうだね…」

「知ってた?オレあの時より10センチも身長伸びたんだぜ」

「そういえば…」


168センチの塔矢を少し見下ろせるぐらいの身長。

ちょっと屈めば唇は目の前。


「――……ん…っ…」


最初は優しく――徐々に恋人同士の深いキスをした――


「…ん…っ、ん……――」


キスに集中しながらも、手は塔矢の服に移動して…一つ一つボタンを外していく。

アンサンブルのカーディガンはすぐに床に落ちたけど、キャミソールは頭を通さないと脱げない。

徐々に上にめくっていきながら……露になった胸にブラの上から触れた。


「は…ぁ…ダメ…」


嫌がる塔矢が唇を解いてきたので、キャミソールを頭から脱がせた。

胸を両手で隠して後ろを向いてしまったが、代わりに目の前に飛び込んできたブラのフックを外す。


「あ…やだ…」

「塔矢…」


背中から包みこむように抱きしめて――髪とか耳とかうなじとか、後ろからあらゆる場所にキスをする。


「だめっ!ストップ…っ!」


ジーンズの止め具とチャックにも手を出すと、本気で抵抗し出した。


「やっぱり嫌…っ」

「ふぅん…」

「――…ぁ…」


右手で下着の上から女の一番大事な場所を擦る。

左手は露になった胸を直に揉んだ。


「卑怯…だ…。こんな脱がし方…。…ぁ…んっ」


隙間から指をはわしてみた。


「すげぇ濡れてるけど、意外にノリノリ?」

「キミが…触るからだ…っ」


ちょこっと指を秘部に入れてみる。


「気持ちいい?」

「もう…いい加減に……ぁ…」


中で指を動かすと、くちゅくちゅといやらしい音が響いてきて、それが更に彼女の官能を刺激するみたいだった。

ほどよく掻き回した後で抜いて、胸からも手を離した。

残りの下着も全部脱がせて素っ裸にした後、オレの方も素早く脱いで、虚ろな目のままの塔矢の肩を抱いて風呂場に入っていった―――
















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