●AGAIN 3●



あの日から一ヶ月経ったけど、塔矢とはまともに話をしていない。

目も合わせてない。

当たり前。

出来るわけねぇじゃん…あんなことしておいて――




「進藤さー、また塔矢とケンカでもしたのか?」

昼休みに一緒に外へ食べに出てた和谷達も聞いてきた。

「別に…」

「仲直りしておけよ?もうすぐ北斗杯なんだし」

「………」


――そう

去年と同様、オレも塔矢も選手に選ばれている。(あと社も)

この雰囲気のまま乗り切れるわけがない。

嫌でも四六時中顔を合わせることになる。

嫌でも四六時中隣にアイツがいることになる。

考えただけでもゾッとする。


塔矢の方は……どうなんだろ。

あの日のことは両親にも緒方さんにも芦原さんにも誰にも言ってないみたいだけど…。

だってもし言ってたら、絶対にお咎めがあるはず。

刑務所だってありえない話じゃない。

でも言ってこないってことは、塔矢が一人で抱え込んでるってことだ。

大丈夫…なのか?

大丈夫なわけねぇよな?


早く謝らねぇと…――






〜♪〜〜♪〜〜♪

〜〜♪〜♪〜〜♪


「…進藤、携帯鳴ってるぜ」

「へ?あ…」


慌ててポケットから取り出した。

着信画面をみると――


「社…」


嫌な予感がしながらも、恐る恐る通話ボタンを押した。

ピッ


「はい…」

『おー、進藤か!?久しぶりやなぁ!』

「うん…」

『今昼休みなん?』

「そうだけど…何か用か?オレもう戻らないと…」

『もうすぐ北斗杯やん?そやからまた去年みたいに三人で合宿出来たらな〜思て』

「合宿…」

『塔矢にも提案しといてくれへん?』

「………」

『もしもし?』

「………」

『もしもーし?進藤〜?』

「……分かった」

『ほなよろしくなー!ていうか進藤、お前めっちゃテンション低いな。大丈夫か?』

「ああ…北斗杯までには何とかするよ」

『頼むでホンマ。ほななー』

「ああ…」


ピッ


合宿…。

塔矢と合宿。

ありえねぇ…。


――いや、ものは考えようだ。

塔矢と仲直り出来るチャンスかもしれない。

いや、仲直りしてみせる。


絶対――














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