●2×2  4●





31歳の時――オレとアキラに第二子が出来た。


念願のアキラ似の女の子だ。





あの別居騒動からちょうど一年が経った頃、オレは妻に話を切り出した。

「オマエ似の女の子が欲しい」と――


「でも、キミ似の女の子かもしれないし、僕似の男の子かもしれないよ…?」

「分かってる。てか、オマエ反対しないの?もう妊娠は嫌だって言ってなかった?」

「確かにあの辛さは懲り懲りだけど…。でも周りからのプレッシャーにも最近疲れてきてて…」


アキラは最近、周りから『二人目はまだ?』攻撃を受け続けていた。(特に明子さんから)

夫婦仲がいい分、余計に攻められるらしいのだ。


「前回悪阻が酷くても、今回も酷いとは限らないみたいだし。それに、今…大きな棋戦もないし…」


アキラは今無冠だった。

先日ずっと保持していた名人のタイトルを緒方先生に取られたばかりだ。

少しばかり、いや、かなり落ち込んでいて、彼女なりに少し考えるとこもあるのかもしれない。


「だから、今なら、いいよ…?」


結婚して4年になるが未だに恥じらいのある奥様に、頬を赤められて子作りOKされて、オレの思考は一気にぶっ飛んだ。

即座に腕を掴んで寝室に引っ張っていく。


「アキラ…っ」


ベッドに横たわらせた上にオレも乗って、彼女の上から下まで全てを愛撫していく。


「あ…っ、ヒカル…っ」


一人目の時は子作りという子作りもしないまま、あっという間にデキてしまったオレら。

今回も早いのかな?

中々デキないで欲しいような、早く二人目が欲しいような、ちょっと複雑な心境だ。



「はぁ…ナマでするの久しぶり…。早かったらゴメンな…?」

「ん…いいよ。それより…」


奥に沢山出してね?――と、耳元ですげぇ言葉攻めされて、オレは呆気なく沈没した。


「オマエなぁ…」

「ふふ」


アキラが笑ってくる。


「抜かないからな。このまま復活するまでこうしているからなっ」

「いいよ…、何なら早く復活するよう手伝ってあげる」

「へ?」


起き上がった彼女に、クルリと体勢を入れ替えさせられて、上下が逆になった。

オレの上に乗ったアキラに、深いキスを落とされる。


「んん…」


しばらくして口が離れたかと思うと、彼女が自分の腰を動かし、自分で出し入れし始めた。


「は…っ、アキ…ラ…」

「…ぁ…、は…ヒカル…、どう…?ちょっと、硬くなって、きた…?」

「何かオマエ…、今日、ノリノリじゃん…?」

「こんな僕は、嫌…?」

「んなわけ、最高…だって」

「ふふ…」


一度出した精液とコイツの愛液がいやらしく音を立てる。

徐々に元の固さに戻った息子をオレも下から突き上げた。


「あぁ…っ」

「アキラ…っ」

「もう…っ、だめ…っ」


アキラが先にイって、その締め付けでオレもまたイって、彼女の中に再び溢れさせた。


「はぁ…はぁ……」

「アキラ…」

「せっかくだから、しばらく毎日しようか…」

「オマエがいいなら…いいよ」



この日からオレらは毎晩励むことになった。


生理が来なくなったのは結局3ヶ月後で、オレはまたしばらく禁欲生活に入ることとなる。

でも前回と違ってめちゃくちゃ予想以上に満足するまで楽しんだ後だったので、そんなに苦ではなかった。

それより新しい命の誕生への喜びが大きかった。

不安だったアキラの悪阻も前ほどでは無く、安定期に入ると余裕で家事も対局もこなして、今回は妊婦生活も楽しんでるようだった。


そうして待ちに待った誕生の日。

無事オレも立ち会えて、しかも念願のアキラ似の女の子で。

オレの娘への溺愛の毎日が始まるのだった――








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