●TIME LIMIT〜18才編〜 4●





「…キミは僕のどこが好きなんだ?」



夕飯を済ませた後ホテルに戻った僕らは、進藤の希望で一緒にお風呂に入ることになった。

ベタベタ僕に触れてくる彼に…何気なく聞いてみる。

好き好き連呼するけど、一体僕のどこが好きなんだ?

こんな可愛いげがなくて碁のことしか考えてない女のどこが魅力なんだろう。



「全部好きだよ」

「…ちゃんと答えてくれ」

「じゃあ…まず顔が好き。特に碁を打ってる時のきっつい顔がたまんない」

「……」

「というかさ…オマエはオレの憧れなんだ。目標とも言うかな?」

「…もうキミの方が強いくせに」

「棋力だけじゃなくて、碁打ちとしての存在感っていうか…。碁に対する姿勢も思いもさすが塔矢って思う」

「……」

「と思ったら、碁から離れるとちょっとヌけてるところとかも超可愛いし」

「僕は抜けてなんかない!」

「そうやってすぐムキになるところも好き」

「……」

「もちろん体も好き……柔らかくて温かくて…気持ちいい」


裸の僕をぎゅっと抱きしめて……包みこまれる。

僕より遥かに固い男性の体を直に感じて…ちょっとだけ安心感を覚えて。


初めて好きだと彼に言われた時、僕は彼を男性としては見ていなかった。

見たくなかった。

進藤はライバルだ。

ライバルとこんなこと…、年に一回でももうおかしくなりそうなのに…恋人なんかになったら―――



「……あと、優しいとこも好き」

「僕は別に優しくなんか…」

「優しいよ。だって…好きでもないオレの為にこんなプレゼントくれてる」

「―……ひゃ…っ」


いきなり攻めだしてきた。

胸を吸い出し、下半身を指で弄られる。

お湯の熱さでただでさえ朦朧としてるのに、変な気分にもなってきて。


「…はぁ…は…あ…」

「塔矢……」

「やっ…」


僕の中に今にも入ってきそうな彼のものを、僅かな理性が辛うじて拒否した。


「入りたい…塔矢」

「いやっ…、だって…」

「中では出さないから」

「……ぁ」


でも結局押し込まれて、初めて直に繋がることになった。

いつもより…彼の存在を強く感じる。

というか…熱くて今にものぼせそう……


「あっ…、あ…ん…ぁ…」

「…く……」


激しく擦られた後、進藤は言った通り直前で抜いて……外に出した。

お互い息を整えながら、頭を元に戻していく……



「……なんでオレ…こんなにオマエのこと好きなんだろ…」

「進…藤…?」

「想ってても叶わないのに……辛いだけなのに…」

「………」

「一体いつまでこんな思い…しなくちゃならないんだよ…」


苦しそうに唇を噛み締めた。

僕も同じ。


一体いつまでこんなプレゼントをあげ続けるのだろう……












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