●VIDEO 3●


進藤の顔が一気に真っ青になっている。

「んっ…―」

下に気付いて繋がっていた部分を一気に引き抜かれた。

「オ、オレ…」

自分が何をしたかようやく分かったみたいで慌てている。

はぁ…と溜め息をついて、僕の方も手を解いた。

「ごめん…やっちまった…」

「そうだね…」

意外に落ち着いている僕を見て、ますます進藤が慌てる。

「怒ってる…?」

「もちろん」

「そう…だよな…」

こんなに慌てている進藤を見るのは始めてで、少しおかしくなった。

たぶん今は自分のやってしまったことにどう責任を取ろうか考えてるんだろう…。

普段の僕なら…たぶん進藤がそんなことを考える間もなく、蹴散らして絶交してこの家から出ていくだろうから…。

でも今はなんでこんなに落ち着いてるんだろう。

怒りを通り越してしまったんだろうか…。

それとも―


「どうしたら…許してくれる?」

「そうだね…取りあえず僕をベッドまで運んでくれる?」

「え…?」

「痛くて動けないんだよ…」

「あ、ごめん」

進藤が慌てて僕の体を持ち上げた。

どこにこんな力があるんだろう…。

火事場のバカ力と同じかな…。

「大丈夫か…?」

ベッドにゆっくり寝かせながら聞いてきた。

「大丈夫なわけないだろ…」

「…だよな」

進藤が僕に布団をかけながら溜め息をついた。

「キミ…途中から理性飛んでたよね?」

「うん…、理性どころか思考も全部飛んでたかも…。気付いたら塔矢の中で出した後だった…」

「そうだね…」

進藤がまた溜め息をついた。

「…やっぱ、…絶交されちゃう…?」

「…してほしい?」

「まさか!!」

思いっきり首を横に振った。

「なぁ、何か要求してくれよー。でないとやり切れねぇ…」

「…そうだね、…じゃあ僕のことを好きって言ってくれ…」

「え…?」

進藤が目を丸くした。

「ただの捌け口されたんじゃ僕もやり切れない…。キミに好きって言ってもらえれば…まだ愛情の裏返しだったのかなって…思い込める―」

進藤が顔を少し赤めた。

「そんなの…要求に入いんねぇよ…」

「え?」

「だって…だってオレ…本当にオマエのこと…好きだし…」



え…


「そう…なの?」

「―うん」

進藤が優しく僕の頬に振れて…唇を重ねてきた―。

「―ん…っ」

温かい…。

「好きだよ…塔矢…」

少し唇を離して、優しくそう囁かれる―。

「ずっと…ずっと好きだった―」

「進…藤…」

何だかそう言われたことが無性に嬉しくて…涙が滲んだ―

「何で泣くんだよ…」

「分からない…」

その涙を舌ですくってくる―。

「愛してる…」

そう言ってまた口付けをしてきた―。




進藤の方も布団の中に入ってきて、一緒に眠ることにした。

「塔矢は…オレのこと好き…?」

「……」

「…何で黙るんだよ」

僕の髪を少し引っ張って促してくる。

「…嫌いな人とこんな風に寝たりしないよ」

ちょっと進藤の顔が笑った。

「じゃあ好きってことだよな?」

「…そうだな」

「―って、それってまさか…友達として…?」

「んー…それもあるかな」

「じゃあライバルとして…?」

「それもあるな…」

最後にドキドキして聞いてきた。

「…じゃあ、恋愛感情としては…?」

「…あるかもね」

「わーい」

進藤が抱き付いて額にキスをしてきた。

「…今度は同意の上で、しような…?」

「そうだね…いつかね」

「いつかっていつ?」

「さぁ…?」

進藤がムッとなってしまった。

「…今からすんぞコラ」

「それじゃあ同意の上にはならないな…。僕は今したくない」

「…やっぱりオマエに了解とってたら、もう一生出来ないかも…」

「そうかもね…」

「……っ」

進藤が布団の中に潜ってしまった。

拗ねちゃったのかな…と思ったら、布団の中から僕の胸に抱き付いてきた。

「こらっ!」

慌てて進藤の髪を引っ張る。

「オレもう絶対オマエから離れねぇから…一生…」

「…いいよ」

「え…、マジ?!」

「僕ももう絶対離さない…。キミには一生僕の側で碁を打ってもらうからね」

「…そっちか」

進藤の声が落胆した。



その後お互い笑ったけど、キミとようやくゆっくり話が出来て嬉しいのは事実だ。


もう昔のように…打てないもどかしさだけは感じたくない。


感じるぐらいなら…キミと体の関係を持った方が遥かにマシに思える。


もっともまた数ヶ月後、キミに打たないって言われてしまうんだけどね―。










―END―










以上、ほぼ(?)強姦話でした〜。
今回はヒカルがアキラに無理やりする話が書きたいな〜と思い書き始めてみました。
場所はヒカルの部屋で〜、エロビを見た(?)ヒカルが興奮してアキラを襲うのがいいよね〜…なんて。
正確には興奮したのはアキラで、そのアキラに少し触れたヒカルがストップがきかなくなって〜…になってしまいましたが。
あんまりエロビが関係なかった…。
題もVIDEOの意味ねぇし…(しょぼーん…)
今回は名人戦のすぐ後ってことで、14歳設定です。
14…若いわ(笑)
でも14ぐらいじゃないとこのビデオネタは使えないのです…。
中学生っぽい若々しいネタで楽しかった…です。
そして既にその14で見飽きているヒカル。嫌な奴…。
でもアキラ似の子だけには反応するのー!キャーv楽しい(笑)
でも本人に言っちゃあいけません…。
引くから…!アキラでなくても引いちゃうから…!