●WANT TO MARRY 11●
――初めての夜のことを今でも覚えてる?――
進藤の腕の中でまどろみながら…そんな質問をしてみた。
「忘れるわけねーじゃんっ」
痛い過去を思い出したような進藤の顔。
「キミ…頭下げてきたよね。誕生日プレゼントに僕をくれって」
「笑うなよなー。どうしても欲しかったんだよ」
「おかげで僕は15でバージンを失った」
「…ごめん」
素直に謝ってきた進藤の胸に更に抱き着いた。
「でも…キミと一つになれて嬉しかったよ。不思議だね。10年経った今でもすごく嬉しい…」
「オレも…――」
僕にキスしながら再び上に被さってきた彼。
もう一度体を重ねながら――僕らはこの10年を振り返っていく。
見事に囲碁漬けだったね。
そして見事にお互いしか見えてなかった。
キミしかいらない。
キミさえいれば僕は幸せなんだ。
「ずっと…一生側にいてね」
「それはオレのセリフ。一緒にいような…ずっと――」
進藤が少し体を起こして、サイドデスクの鞄から小さな箱を取り出した。
「それ…」
「いつでもプロポーズ出来るように持ち歩いてたんだ」
箱の中の小箱。
その中に入っていたのはもちろん指輪。
夢にまでみたエンゲージリングだ。
「きれい…」
そっと僕の指に嵌めてくれる。
続いてその指に口づけてきて――
「幸せにするな」
「進藤…」
またもや涙がぽろぽろ零れてきた。
嬉しすぎて幸せすぎて、もうおかしくなりそうだ。
「一緒にいい家庭を築こうぜ」
「うん…――」
そのままラブラブな状態でクリスマスを終えた僕らは、新年の挨拶と合わせてお互いの両親に挨拶に行くことになる。
僕の両親にも進藤の両親にも
『やっと』
と言われてしまったり。
ご心配をおかけしました。
それと同時期に、例のプロモーションがCMでも流れ始めた。
反共は予想以上に大きく、何と系列の全ホテルが一年以上先まで予約が埋まってしまったらしい。
「嬉しいことだけど……困ったね。僕らはどこでする?」
「オレ静かなところがいいなー。マスコミが追っ掛けてこれないぐらい遠くの島とかで、もう二人だけで挙げちゃったり」
「それって海外?でも両親ぐらいは呼びたいな。結婚式は人生で初めての親孝行だって言うぐらいだし…」
「じゃあ親だけな」
とんとん拍子に話が進んで、あっという間に結婚式の日取りが決まった。
日にちは4月某日。
場所はニュージーランドの田舎にある小さな教会。
式の後そのままオセアニアをハネムーンして、帰国後にお披露目パーティー。
家族も、友達も、囲碁関係者も、大勢招く予定。
付き合って10年目にしてようやく叶う大好きな彼との結婚。
たくさんの人に祝ってもらえるといいな――
―END―
以上、なかなか結婚に踏み切れない二人のお話でした〜。
踏み切れないというよりかはお互い言い出せない?
うちのヒカアキでは珍しいタイプですね(笑)
でも若いうちは仕事を頑張って、やりきった!タイトルもいっぱいとった!後に結婚するのもいいと思います。
その方がアキラは後悔が少ないかな〜?と(笑)
ずっとお互いだけの二人。
結婚してからも末永く幸せでいてほしいですねー♪