●TIME LIMIT〜有休編〜 おまけ●〜ヒカル視点〜
「え?!千明と凌君が?!」
千明・明人・明菜の3ファミリーで温泉旅行に行った翌日。
明菜が温泉まんじゅうのお土産を持って実家に帰ってきた。
そこで衝撃的な事実を教えてくれる。
千明と凌君が、下手したら離婚危機だったと――
「とりあえず仲直りしたみたいだけどね。結構ヤバかったみたい」
「な、何が原因だったんだ?」
「そりゃお姉ちゃんが育児を一ノ瀬お兄ちゃんに丸投げしてたから
「……」
それはもちろんオレも気付いていた。
保育園の送迎をしてるのはオレだけど、いつも綾ちゃんは仕事を定時で終
千明に引き渡すことなんて、綾ちゃんが保育園に入園してからこの10ヶ月半
綾ちゃんが体調を崩して保育園を休む時だって、いつも凌君が仕事を休ん
さすがに何か申し訳なくてオレも看病の半分を引き受けてたわけだ
「てっきり夫婦間で話し合いが出来てるものだと思ってたけど…」
「違ったみたい。お姉ちゃんの、一ノ瀬お義兄ちゃんが休んでくれ
「…そりゃそうだよな」
でも、何となくだけど、それはオレにも否があるような気がする。
千明が小さい頃、父子家庭だったオレら。
結婚してからも、棋戦が詰まっていて忙しいアキラより、オレの方
そんなオレを見て育ってる千明が、父親側が家事育児をすることを
「育て方を間違えたかな…」
「まぁお父さんは昔からお姉ちゃんに甘々だからねぇ…。でもこ
今回はどう見てもお姉ちゃんが悪い。
でもおかしいと思うなら一ノ瀬お義兄ちゃんももっと早くお姉ちゃ
爆発するまで溜め込まないで――と明菜が何やら知った被ったセリ
「…明菜オマエ、結婚して大人になったなぁ」
「ふふふ〜私はもう立派な人妻だからね。その辺の女子大生とは一
調子に乗った明菜が、我が家に買ってきてくれたはずの温泉まん
(どこが立派な人妻なんだ…)
「ただいま」
「パパ!」
「ただいま、綾ちゃん」
その日の夜、帰宅した凌君にオレはあまりの申し訳なさに彼に謝
「凌君…、千明が迷惑かけて本当ゴメンな」
「え?いえ、そんな…。お義父さんにはいつもお世話になってますし…、本当にいつもあ
「千明にもっとガツンと言ってやっていいから」
「…そうですね、オレももっと早く言えばよかったです」
でも、まだ間に合ってよかったです――と凌君はオレに笑顔を向け
この温泉旅行で気持ちを全部吐き出してスッキリしたという。
そして気付いたという。
「オレ…別に育児を担当するのは全然いいんです。娘はオレの子
「じゃあ…」
「お義父さんには言いづらいんですけど…、やっぱりオレが一番不
「まぁ…男と女だから最終的にはソコだよな。よし、千明には凌
そう言うと、凌君は吹き出して笑っていた。
2ヶ月後。
「実は2人目が出来たみたいなんです」
と凌君が教えてくれる。
「本当に?!おめでとう!」
「ありがとうございます」
最近は週に一度は千明の方が凌君より早く帰ってきていた。
有休も家族の為にちゃんと取るようになった千明。
2人目が出来るくらい夫婦仲もいいみたいで、オレはホッと胸をな
「今度は千明も1年育休取るつもりみたいです」
「そうなんだ。じゃあ今回は凌君はあんまり取らなくてよさそうだ
「いえ、もちろん取りますよ。千明と一緒に子育てしたいので」
相変わらずのイクメンな婿に惚れ惚れする。
(千明は本当いい旦那を掴まえたよなぁ…)
もちろんそれは明人も明菜も一緒だ。
皆配偶者に恵まれすぎてる気がする。
もちろん、オレも――
―END―
以上、離婚危機を知ったヒカルのお話でした〜。
8個入りの温泉まんじゅうの半分を食べてしまう立派な人妻・明菜さんです(笑)
ヒカルは帰宅後、千明に即電話ですよ。
「もっと凌君とイチャイチャしろよ!」と。
「あんまり放っとかれると男は浮気するぞ!」と。
「仕事中にそんな電話かけてこないで!」と千明は即ブチ切りますが、
(う、浮気…?!どうしよう…離婚も嫌だけど浮気も嫌だ〜〜><)
と、帰ってからこの日も一ノ瀬君とイチャイチャする千明なのでした!